神奈川大学

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テンプレート:Infobox 神奈川大学(かながわだいがく、テンプレート:Lang-en)は、神奈川県横浜市神奈川区六角橋3-27-1に本部を置く日本私立大学である。1949年に設置された。大学の略称神大(じんだい)を大学が公式に使用しており、「神大/JINDAI」を併記したいわゆる二段併記商標として2000年に商標登録(日本第4372633号および第4404030号)されている[1]

概観

大学全体

前身の旧制横浜専門学校は勤労青年の為の夜間部を設けた横浜初の高等教育機関であった。また、地方入学試験および給費生制度を第二次世界大戦前から導入していた数少ない高等教育機関で、これらは現在でも実施されている。

建学の精神

建学の精神は「質実剛健」「積極進取」「中正堅実」となっている。

教育および研究

日本で唯一の歴史民俗資料学研究科が大学院に設置されている。また、外国語学部スペイン語学科では、副専攻として「英語コミュニケーション特修副専攻」を履修でき、国際文化交流学科の単位を一定以上修得すれば副専攻コース修了証書を得ることができる。

沿革

略歴

1928年米田吉盛が横浜市中区桜木町に横浜学院を開設した。その後、1929年専門学校令によって横浜専門学校となる。横浜専門学校は、勤労青年の為の夜間部を設けていたが、これは高等教育機関としては横浜初のことであった。所在地は横浜市中区桜木町であった。1930年、当時東急東横線の開通で発展の見込まれた横浜市神奈川区六角橋の字・宮面の丘陵に移転し、現在に至る。移転当時、付近は田畑の広がるのどかな田園地域だった。

現在の校名は第二次世界大戦後の学制改革による大学昇格時に決定した名称である。横浜専門学校と官立の新制大学(前身は横浜経済専門学校横浜工業専門学校神奈川師範学校神奈川青年師範学校)と横浜市立の新制大学(前身は横浜市立経済専門学校)がともに「横浜大学」を名称として申請したため、3校において協議を行うこととなった。その結果、各校が譲歩し「横浜大学」の名を使用しないことを決定した。その際、官立の新制大学は「横浜国立大学」、横浜市立の新制大学は「横浜市立大学」とすることとなり、横浜専門学校は「神奈川大学」を名乗ることとなった。

年表

  • 1928年 米田吉盛が横浜市中区桜木町に横浜学院を開設
  • 1929年 専門学校令により横浜専門学校(法学科、商業理財科)を開設
  • 1930年 六角橋校地(現在の横浜キャンパス(横浜市神奈川区六角橋)へ移転
  • 1939年 工学系の3学科(機械、電気、工業経営)を新設
  • 1945年 GHQによって一時的に六角橋校地が接収されたため、大倉山大倉精神文化研究所三ツ沢県立第二横浜中学校(現横浜翠嵐高校)にて授業を再開する(翌年まで)
  • 1949年 学制改革により新制神奈川大学(商経学部、工学部)に移行
  • 1950年 商経学部を法経学部に改称。短期大学部(商科、法科)開設
  • 1951年 横浜専門学校最後の卒業式を行い、廃止
  • 1959年 第二工学部を新設
  • 1965年 外国語学部を新設。法経学部を法学部と経済学部に分離、独立
  • 1967年 大学院法学研究科、経済学研究科、工学研究科を開設
  • 1969年 短期大学部の商科を商学科、法科を法学科に改称
  • 1985年 神奈川大学附属中・高等学校開設
  • 1986年 創立60周年記念事業として平塚キャンパスの建設に着手。その準備として国際経営研究所と知識情報研究所(現・総合理学研究所)を設置
  • 1988年 外国語学部に中国語学科を増設
  • 1989年 平塚キャンパス開設。経営学部国際経営学科、理学部情報科学科、化学科、応用生物科学科を開設
  • 1990年 大学院工学研究科機械工学、電気工学、応用化学、建築学専攻に博士課程開設
  • 1991年 大学院工学研究科経営工学専攻に修士課程開設
  • 1992年 大学院外国語学研究科英語英米文学、中国言語文化専攻修士課程開設
  • 1993年 大学院歴史民俗資料学研究科歴史民俗資料学専攻、理学研究科情報科学専攻、化学専攻を開設、生物科学専攻修士課程、大学院工学研究科経営工学専攻博士課程を設置
  • 1994年 工学部の工業経営学科を経営工学科に名称変更
  • 1995年 大学院経営学研究科国際経営専攻、理学研究科情報科学専攻、化学専攻、生物科学専攻、歴史民俗資料学研究科歴史民俗資料学専攻博士課程設置。法学部に自治行政学科を増設。短期大学部に専攻科商学専攻を増設
  • 1998年 創立70周年記念事業として横浜キャンパス再開発計画を開始
  • 2001年 平塚キャンパスを湘南ひらつかキャンパスに改称。理学部の応用生物科学科を生物科学科に、工学部第一部・第二部の電気工学科を電気電子情報工学科に名称変更
  • 2002年 横浜キャンパス再開発計画完了。短期大学部、同専攻科廃止
  • 2003年 大学院工学研究科の電気工学専攻を電気電子情報工学科に名称変更
  • 2004年 法科大学院法務研究科法務専攻開設。みなとみらいエクステンションセンターを開設
  • 2006年 人間科学部人間科学科、外国語学部に国際文化交流学科、理学部に総合理学プログラムを増設。経済学部の貿易学科を現代ビジネス学科に、工学部の電気電子情報工学科を電子情報フロンティア学科に、応用化学科を物質生命化学科に、経営工学科を情報システム創成学科に名称変更。第二部は募集停止。法学部と経済学部は昼夜間教育制度を導入
  • 2008年 湘南ひらつかキャンパス内建物の番号を1号館からの通し番号に変更(4月1日より実施)[2]
  • 2012年 理学部に数理・物理学科、工学部に経営工学科と総合工学プログラムを増設、工学部電子情報フロンティア学科を電気電子情報工学科に名称変更

基礎データ

所在地

  • 横浜キャンパス(神奈川県横浜市神奈川区)
  • 湘南ひらつかキャンパス(SHC; 神奈川県平塚市)

各キャンパスの詳細についてはキャンパスの項を参照

象徴

  • スクールカラーは紫紺色である。もともとは「プラウドブルー」の呼称はなく、神奈川大学でも紫紺色と広報してきたが、箱根駅伝の実況でプラウドブルーと連呼された結果、現在では大学公式サイトでも「プラウドブルー」も表記されるようになった。
  • 神奈川大学の英名略称であるKUを図案化したシンボルマークは各種学生スポーツ、大学施設案内などで使用されている。ただし、一部の部活の団旗や附属学校の校章は緑地に六角菊の紋章を使用している。
  • 大学のマスコットキャラクターは「Mr.JIN」(JINDAIのJIN)と「Ms.KANA」(神奈川大学のKANA)。神奈川県の鳥「カモメ」をイメージしたもの。

教育および研究

組織

学部

大学院

短期大学部(廃止)

詳細はテンプレート:See 短期大学部は2002年度に廃止された。

附属機関

  • 付属機関
    • 法学研究所
    • 経済貿易研究所
    • 国際経営研究所
    • 人文学研究所
    • 言語研究センター
    • 総合理学研究所
    • 工学研究所
    • 日本常民文化研究所
    • 図書館
日本常民文化研究所

日本常民文化研究所は、澁澤敬三が1921年に創立したアチック・ミューゼアム・ソサエティを母体として設立された研究機関で1982年に神奈川大学の附属機関となった。日本の民衆文化や市井の生活を調査分析する研究機関として民俗学の研究家の間では高い評価を受けている。

図書館

神奈川大学の図書館は横浜キャンパスに横浜図書館が、湘南ひらつかキャンパスに平塚図書館が設置されている。2010年4月現在で、横浜図書館には約100万冊、平塚図書館には約18万冊の蔵書が存在している[3]。互いの図書館の書籍を借りることもできる。

また、横浜図書館には金融関係を主にした約2,400冊から構成される「山口文庫」が存在しており、現代の日本では他の大学図書館にはあまり存在していないフランスの原典が含まれている。

平塚図書館は湘南ひらつかキャンパス開学時には平塚図書室として設置されたが、11号館建設とそれに伴う1号館のリニューアル工事に伴って拡張されたことにより、2010年4月から現在の名称に変更された。

研究

21世紀COEプログラム

21世紀COEプログラムは以下が採択されている。

  • 採択1件
  • 2003年
学際・複合・新領域
人類文化研究のための非文字資料の体系化

学生生活

部活動・クラブ活動・サークル活動

  • 自治会は1996年過激派解放派)による國學院大學横浜たまプラーザキャンパスで起こった革マル派学生への内ゲバ殺人事件に絡む機動隊の強制突入により、全学自治会が大学内から追放されて以来、大学によって結成を禁止されている。
    • そのため、現在部活・サークルを統括する団体は体育系の部活が所属する体育会本部のみ存在する。
  • 吹奏楽部1963年以降、全日本吹奏楽コンクール大学の部で金賞を23回受賞しており、ほぼ毎回上位に位置している。また、神奈川大学吹奏楽部の演奏を収録したCDも一般のレコード店で販売されており、これは大学の吹奏楽部としてはかなり珍しい。さらに海外での活動も盛んで全米吹奏楽指導者協会のクリニックに招待されているほか、欧州を舞台に公演実績を持っている。
  • 六角橋商店街では4月の第3土曜日に「神大ナイト」と称した、神奈川大学の学生によるイベントが行われていたことがある。
  • 湘南ひらつかキャンパスでは1997年2007年に、後述の平塚祭の他、障害者を招待して毎年3月に「交流祭」を開催していた。
  • 陸上競技部駅伝ブロックは箱根駅伝に、2013年までで連続18回・通算44回出場している。このうち、優勝の回は次のとおり
    • 1997年 総合優勝(往路優勝を兼ねる)
    • 1998年 総合優勝(往路・復路共に優勝)
    • 2002年 往路優勝
  • 硬式野球部は神奈川大学野球連盟所属で優勝争いの常連校であり、全日本でも準優勝1回の実績が有る。 
  • アメリカンフットボール部は大学連盟の中でも強豪で健闘している。

大学祭

神奈川大学では他大学が「学園祭」と呼んでいるイベントを「大学祭」と総称している。大学側としては、学年暦に含まれる祭を「大学祭」と称し、大学側公認前の祭を「学園祭」と区別していたことがある。そのため、本記事ではかつて開催されていた学園祭とは別であることを示すために節名を「大学祭」としている。後述のとおり1996~1998年は横浜キャンパスでの学園祭が中止され、湘南ひらつかキャンパスのみで学園祭が行われていた。

神大フェスタ

横浜キャンパスで開催されている大学祭である。 横浜キャンパスでは古くから「海神祭」(わだつみさい)の名前で学園祭を11月3日前後に開催されていたが、前述の全学自治会追放により、1996年より開催が中止されている。 その後横浜キャンパスの学生で組織される神大フェスタ実行委員会が結成されて、1999年より学生主体のイベントとしてスタート、2005年には大学公認イベントとなった。湘南ひらつかキャンパスとの交流を考慮して、後述の平塚祭とは別日程を組んで開催されている。

平塚祭

湘南ひらつかキャンパス開設と共に大学の協力も得て立ち上げた大学祭、湘南ひらつかキャンパス学生により結成される平塚祭実行委員会により運営、実行されている。1992年開催の第4回まで「どんちゃん祭」と称し、1993年の第5回から現在の名称となる。2005年より大学公認となった。

1993年以降は平塚祭期間中に湘南ひらつかキャンパス卒業生・湘南ひらつかキャンパス教職員経験者を招待する「ホームカミングデー」(2008年までは「ホームカミングパーティー」と呼称)を開催している。2009年は湘南ひらつかキャンパス開設20周年式典が開催された関係で、式典出席者を交えた懇親会が「ホームカミングデー」を兼ねて開催された。2012年までは日曜日昼に開催、2013年は土曜日昼に開催される予定である。

  • イベント
    • お笑いLIVE
    • 綱引き大会
    • スタンプラリー
    • 理学部オープンラボ
    • ビンゴ大会
    • 平塚祭花火大会
      • 第20回頃から花火大会を開催するようになり、ビンゴ大会終了後に約10分間打ち上げられる。花火大会開催時間帯は5号館(クラブ棟)・7号館(第二クラブ棟)~3号館(体育館)エリアが立入禁止となる。

大学関係者と組織

大学関係者組織

同窓会は「宮陵会」(きゅうりょうかい)と称す。また、保護者組織としての後援会がある。

大学関係者一覧

施設

キャンパス

横浜キャンパス

  • 旧称は「六角橋校地」
  • 使用学部:法学部、経済学部、外国語学部、人間科学部、工学部、第二法学部、第二経済学部、第二工学部
  • 使用研究科:大学院法学研究科、法務研究科(法科大学院)、経済学研究科、外国語学研究科、工学研究科、歴史民俗資料学研究科
  • 使用附属施設:日本常民文化研究所および常民研参考室(歴史民俗資料学研究科)
  • 交通アクセス:
    東白楽駅からも13分程度で到着できる。ただし、東白楽駅からの経路は狭く複雑である上に起伏が激しいため、大学の広報では白楽駅を最寄としてアナウンスしている。
    なお、東神奈川駅仲木戸駅および片倉町駅からは徒歩20分程度でキャンパスまで到着できるが、東神奈川駅・仲木戸駅からの経路は東白楽駅と同様に非常に複雑である。
    六角橋三丁目側の建物へは「神奈川大学入口」が、六角橋四丁目側の建物へは「六角橋西町」が近い。

湘南ひらつかキャンパス (SHC)

  • 1989年4月開学時~2001年3月は「平塚キャンパス」と称していた。
  • Shonan Hiratsuka Campus の頭文字を取ってSHCとも略されている。
  • 使用学部:経営学部、理学部
  • 使用研究科:大学院経営学研究科、理学研究科
  • 使用附属施設:ハイテク・リサーチ・センター
  • 併設施設:「土屋の杜」自然緑地
ファイル:Kanagawa Daigaku Kosha Mae BusStop.jpg
神奈川大学校舎前バス停
  • 交通アクセス:JR東海道本線平塚駅から神奈川中央交通バスで約30分、小田急小田原線秦野駅から神奈川中央交通バスで約20分
    • 平37 平塚駅北口(※)~古花水~公所~中沢橋~神奈川大学~神奈川大学校舎前
    • 平38 平塚駅北口(※)~古花水~坂間~中沢橋~神奈川大学~神奈川大学校舎前
    • 秦38 秦野駅北口(1番線)~南平橋~遠藤原~神奈川大学~神奈川大学校舎前
    • 秦39 秦野駅北口(1番線)~南平橋~土屋橋~神奈川大学~神奈川大学校舎前
    • 平76 平塚駅北口(2番線)~中沢橋~神奈川大学~上井ノ口~秦野駅南口(1番線)
      • 平76系統を除く全系統が大学構内まで、土休日を含めて終日乗り入れている。正門前のバス停は「神奈川大学」、大学構内にある1号館前のバス停は「神奈川大学校舎前」と称している。
      • (※)=平37・38系統の平塚駅北口乗り場は始発から13時までが11番線から、以後は1番線から発車する。
      • 平76系統は中井町を経由するため、秦野方面からのアクセスには適しておらず、大学側でも秦野駅からのアクセス手段としては案内していない。
      • オープンキャンパス時等には、平塚駅・秦野駅から臨時直行バスを運行することがある。
      • 湘南ひらつかキャンパスのバス通学生に対しては、専用のバス回数券を発売している。この回数券は半額を大学が負担するものである。

その他

神奈川大学では以下のサテライトキャンパスを設置している。

なお、附属学校や大学野球場・大学ラグビー場などがある場所を中山キャンパス(旧称「台村町校地」)と呼んでいる。

福利厚生

  • 食堂・購買部の運営に関して、横浜キャンパスでは「神奈川大学生活協同組合」の手で、湘南ひらつかキャンパスでは「丸紅コミュニティ株式会社神大平塚サービス営業所」の手で行われている。
    • このうち、横浜キャンパスの食堂は各種大学ランキング本の食堂部門で上位の常連で、マスコミの取材もたびたび行われるなど有名である。
    • 湘南ひらつかキャンパスの食堂は2012年現在、株式会社無洲が請け負っている。
    • 湘南ひらつかキャンパスの購買部は2007年9月よりam/pmが請け負っていたが、2011年9月よりファミリーマート化され、現在は「ファミリーマート 神奈川大学湘南ひらつか店」と名乗っている。

講堂

横浜キャンパスにはもともと、現在の1号館のある付近に大講堂があったが、再開発によって取り壊されている。再開発中に16号館が建設され、同館内に「セレストホール」と称する講堂を開設した。

湘南ひらつかキャンパスには開学当初講堂がなく、1号館の円形講義室を講堂代わりに使用していたが、大学80周年記念事業によって2009年8月に11号館が新設され、同館内に「サーカムホール」と称する講堂を開設した。

大学では「学生マンション」と称して以下の施設を提供している。

  • 横浜キャンパス周辺
    • 神奈川大学中丸棟男子
    • 神奈川大学白楽寮
    • 神奈川大学中丸棟女子
    • 神奈川大学二本榎棟
    • フィールド・フジ
  • 湘南ひらつかキャンパス周辺
    • 湘南スズキコート
    • 湘南平塚コート
    • 湘南宮川ビル

対外関係

地方自治体との協定

  • スペイン語通訳補助インターンシップ協定(2004年締結)
    • 大和市
      • 神奈川大学外国語学部スペイン語学科の学生が大和市役所の窓口補助員として週2回の実務を実施する協定。

他大学との協定

日本国内

日本国外

国際・学術交流等協定校
部局間学術交流等協定校

産官学連携

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附属学校

脚注

テンプレート:Reflist

参考文献

公式サイト

テンプレート:学校法人神奈川大学 テンプレート:全国私立大学FD連携フォーラム テンプレート:横浜市内大学間学術・教育交流協議会 テンプレート:Asbox


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  1. 商標登録前からその商標を使用していた第三者には引き続き使用が認められる(先使用権)ので、例えば、神戸大学が「神大」という略称を使用することは商標権侵害には当たらない。また、二段併記商標であるので、第三者が「神大」と「JINDAI」を併せて使用した場合には商標権侵害となるが、「神大」と「JINDAI」のいずれか一方のみを使用した場合には商標権侵害にならない場合があり得る。
  2. 神奈川大学からのお知らせ「湘南ひらつかキャンパスの建物名称が変更されました」より
  3. 神奈川大学図書館「図書館の概要」より