磁気センサ

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磁気センサ(じきセンサ)は、磁場磁界)の大きさ・方向を計測することを目的としたセンサ

測定対象磁場の強さ、交流・直流の別や測定環境等、目的に応じて多種多様な磁気センサが存在する。用途は、純粋な磁場計測のみならず、電流センサ磁気ヘッド、移動体探知器等、電気・電子系をはじめとして、ありとあらゆる工学分野に亘っており、各種のセンサの中でも極めて多彩な部類といえる。

なお、磁界センサ磁力計等、多くの同義語が存在する。

主な種類

適切な選択のための観点

感度分解能
磁場の大きさのレンジに適したものを選ぶ。感度が高ければよいというものではない。例えば、一般的な永久磁石の強度を測定する際にSQUIDを用いるのはミスマッチである。
使用環境
例えば自動車の車内のように振動の激しい場所で使用する場合には、高い機械的精度を要するファラデー素子や電気力学的センサを選択することは適切でない。また、温度変化の激しい場所で使用するには、感度の温度依存性が大きいホール素子は適していない(出力に対する何らかの補正が必要になる)。高温の場所においては、冷却を要するSQUIDは勿論適さない。
極性検出の可否
例えば、ホール素子やフラックス・ゲートセンサは磁場の向きを判別できるが、磁気インピーダンス素子やファラデー素子は(そのままでは)磁場の大きさのみ測定可能で、向きは分からない。後者のセンサで向きまで測定するためには、何らかの手段でバイアスをかける必要がある。
測定対象磁場の性質
電磁誘導を利用するコイルは基本的に交流磁場しか測定できない(工夫すれば直流磁場も測定可能である)。しかし、測定対象の磁場が交流であることが既知であるなら、安価に構成可能なコイルで十分かもしれない。

主な用途

ファイル:GSI type magnetometer.jpg
GSI型磁気儀。地理調査所(現・国土地理院)の開発。国立科学博物館の展示。

関連項目

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外部リンク