盛岡車両センター

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テンプレート:車両基地 盛岡車両センター(もりおかしゃりょうセンター)は、岩手県盛岡市にある東日本旅客鉄道(JR東日本)の車両基地である。同社盛岡支社の管轄。IGRいわて銀河鉄道運輸管理所が併設されている。また盛岡駅の南西にSL銀河用のSL検修庫があり、こちらも当センターの管轄下である。

沿革

  • 1951年(昭和26年)4月1日 - 盛岡車電区と盛岡検車区を統合し、盛岡客貨車区発足。
  • 時期不詳 - 盛岡客車区に改称。
  • 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道に移管。
  • 2001年(平成13年)頃 - 盛岡運転所に改称。
  • 2004年(平成16年)4月1日 - 盛岡車両センターに改称。
  • 2014年(平成26年)1月 - SL検修庫が完成し、供用開始。

配置車両の車体に記される略号

盛モリ」…盛岡支社を意味する「盛」と、盛岡を意味する「モリ」から構成される。

  • なお、盛岡客貨車区→盛岡客車区時代は「盛モカ」と略されていたが、盛岡運転所への改称時に現在のように改められている。

配置車両

主に、東北本線一ノ関駅 - 盛岡駅間)をはじめ、釜石線山田線花輪線などで運用される車両が配置される。

2014年4月1日現在の配置車両は以下のとおり[1]

蒸気機関車

  • C58形蒸気機関車
    • C58 239の1両が所属。
    • SL銀河」用機関車として、2014年1月に配置。詳細については当該機の項目を参照。盛岡運輸区に隣接した当センター管轄下のSL検修庫を拠点としている。

電車

気動車

  • キハ110系気動車
    • キハ110形0番台5両、100番台13両、キハ111・112形0番台2両編成2本(4両)、100番台2両編成9本(18両)、150番台2両編成1本(2両)、計42両が配置されている。0番台は東北本線花巻駅 - 日詰駅 - 盛岡駅間(日詰駅以南は快速「はまゆり」のみ)・釜石線・山田線宮古駅 - 釜石駅間の普通・快速「はまゆり」で、100番台・150番台は東北本線・山田線・釜石線(宮古駅 - 釜石駅 - 花巻駅 - 日詰駅間は快速「はまゆり」の自由席、および遠野駅 - 釜石駅 - 宮古駅間の一部普通列車)・花輪線・奥羽本線鷹ノ巣駅 - 大館駅間・いわて銀河鉄道線盛岡駅 - 好摩駅間で運用されている。かつては岩泉線でも運用されていた。
    • 花輪線・山田線で運用される100・150番台には衛星携帯電話が設置されている。ただし、キハ110-136 - キハ110-139の4両は水郡線営業所からの転入時点では山田線宮古駅 - 釜石駅間の運行で必要な電子閉塞用車載器のみ搭載され、衛星携帯電話およびセラジェット噴射装置は設置されていなかったことから、専ら快速「はまゆり」に運用されていたが、2010年に入ってから衛星携帯電話とセラジェット噴射装置が搭載されたことで運用の制約は解消された。なお、キハ110-118・122の2両は衛星携帯電話・電子閉塞用車載器は搭載しているが、セラジェット噴射装置は搭載されていない。さらに2013年10月から八戸線にデビューしたTohoku Emotion用の改造種車となるキハ111・112形0番台1編成(キハ111-2・キハ112-2)を捻出するため,2007年6月に気仙沼線快速「南三陸」指定席車用として小牛田運輸区に転属したキハ110-4・5の2両が2013年3月16日のダイヤ改正に伴い同年3月下旬盛岡車両センターに再転入した。この2両は転落防止用幌を再取り付けなどの整備をおこなったうえで同年5月現在,釜石線快速「はまゆり」の運用に就いている[3]
    • 2010年12月より、側面行先表示器を字幕式からLED式に順次改造され現在は全車完了している。
  • キハ58系気動車
  • キハ141系気動車
    • 「SL銀河」用の客車として、JR北海道より購入した4両が配置されている。なお釜石線区間(特に岩手上郷駅 - 陸中大橋駅間)はSLの動力のみで客車を牽引するのに難があるため、補助動力として気動車である当系列が選択されている。詳細については当該系列の記事を参照。

客車

貨車

そのほか、青森車両センター配置のDE10形ディーゼル機関車が3両常駐している。盛岡駅や当センターでの入換作業[4]事業用列車の牽引、救援列車などで運用されている。

過去に配置されていた車両

  • キハ58系気動車(一般用)
    • 一般形のキハ58形17両と訓練車キヤ28 1が配置されていた。一般形は末期には花輪線・山田線盛岡駅 - 宮古駅間・東北本線日詰駅 - 盛岡駅間といわて銀河鉄道線盛岡駅 - 好摩駅間で運用されていたが、キハ110系列の投入に伴い花輪線・東北本線・いわて銀河鉄道線からは2007年3月18日ダイヤ改正で、山田線からは同年11月24日をもってそれぞれ撤退し定期運用が消滅した。キハ100系完全置き換え前は釜石線、山田線釜石駅 - 宮古駅間および三陸鉄道北リアス線でも運用され、1994年12月のダイヤ改正までは東北本線北上駅 - 盛岡駅間、1996年3月のダイヤ改正までは田沢湖線、2002年12月のダイヤ改正までは東北本線(現・いわて銀河鉄道線)好摩駅 - 沼宮内駅間でも運用されていた。花輪線・山田線へのキハ110系列投入によって、2006年度中に15両、2007年度中に4両がそれぞれ廃車され、ジョイフルトレイン「Kenji」とキハ58 75を除いた同センターのキハ58系は全廃となった。
    • 2007年度まで残存していた車両については、すべて車体更新・近郊化工事(車端部座席のロングシート化)が施工されていた。
  • キハ52形気動車
    • 17両が配置されていた。末期は、花輪線・山田線盛岡駅 - 宮古駅間・岩泉線・東北本線日詰駅 - 盛岡駅間といわて銀河鉄道線盛岡駅 - 好摩駅間で運用されていたが、キハ58系と同様にキハ110系列の投入に伴い花輪線・東北本線・いわて銀河鉄道線からは2007年3月18日ダイヤ改正で、山田線と岩泉線からは2007年11月24日をもってそれぞれ撤退し定期運用が消滅した。過去には山田線釜石駅 - 宮古駅間や東北本線北上駅 - 沼宮内駅間でも運用されていた。前述のキハ110系列の転入で2006年度中に5両、2007年度中に12両が廃車され全廃となった。
  • キハ40系気動車
    • 東北本線北上駅 - 沼宮内駅間と田沢湖線で主に運用されていた。
  • 国鉄ソ80形貨車
    • 事故救援用としてソ91が配置されていた。塗装は緑色で2001年に廃車。JRが保有する最後のソ80形であった。
  • 50系客車
    • 東北本線一ノ関駅 - 青森駅間と八戸線八戸駅 - 鮫駅間で運用されていた。1993年12月のダイヤ改正で八戸線から撤退、1994年12月のダイヤ改正で東北本線盛岡駅以南は701系に置き換え、1996年3月のダイヤ改正で東北本線盛岡駅以北も701系に置き換えられた。

付記

盛岡駅 - 当センター間の入出庫線は当初は複線であったが、西側の線路が秋田新幹線用地に転用され現在は単線となっている。駅区境界を過ぎ当センターに入ったところで複線となる。複線区間の西側線路が「引上線」、東側線路が「授受線」と名称があるがいずれも運転方向を限定せず出入庫が可能なため、臨機応変に使用されている(出区時間が近接している2車両が両線路に並列で出区待ちをする等)。その後線路は扇形に分かれ、西からIGR運輸管理所への電化単線、気動車を留置する非電化の線路群、電車を留置する電化の線路群、検修庫(電化)へと進んでいく。当センター構内のポイント扱いは大半が手動扱いであり、同センター社員および同センターより業務を受託している東日本アメニテック盛岡運転営業所の入換担当者がポイントの転換操作を実施している。

盛岡駅0 - 7番線の線路は全て当センターへの出入区が可能な配線となっており、入区時は各番線から渡り線 - 入出庫線を経て授受線または引上線へ、出区時はその逆の順に線路を走行する。授受線および引上線に入線した車両は走行方向を問わず一旦停止が必須であるが、出庫車は同時に列車交換(IGR上下本線の通過待ちおよび入区車の到着待ち)を行う場合がある。このため途中にある境田川原踏切は、IGR線上下線と当センター授受線・引上線の合わせて4本の線路を渡る関係上、他の踏切より遮断時間が長く警報機の鳴る頻度も多い(踏切内は大型車通行禁止、乗用車のすれ違い不可)。このため歩行者・自転車は南側にある地下道を利用するよう案内されている。

また「SL銀河」運行開始に先立ち2014年1月、SLを収容する為の検修庫が供用開始された。所在地は盛岡駅の南西に位置する盛岡市盛岡駅西通2丁目で、盛岡運輸区に隣接した土地であるが、検修庫周辺は当センターの管轄下とされた。転車台も備え付けられており、これは旧盛岡機関区の扇形機関庫で使用され、機関庫が解体された後もその場に放置されていたものを復活させている。

脚注

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テンプレート:東日本旅客鉄道盛岡支社

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  2. http://www.youtube.com/watch?v=j15ok1kcIxU&NR=1
  3. レイル・マガジン2013年6月号「JR東日本 3月16日ダイヤ改正 車輛の動き」www.rail-magazine.jp/なおキハ111・112形2両編成1本(キハ111-2・112-2)はもと小海線営業所所属であったキハ110-105共々「Tohoku Emotion」への改造完了と同時に八戸運輸区へ転属した。同時にジョイフルトレインの区分番号である700番台を与えられた。
  4. 寝台特急、ジョイフルトレインなど回送、運休等の場合には当センターに一時留置、整備される。