渡島大野駅
テンプレート:駅情報 渡島大野駅（おしまおおのえき）は、北海道北斗市市渡にある北海道旅客鉄道（JR北海道）函館本線（本線）の駅である。駅番号はH70。電報略号はオオ。町の中心部からはかなり離れていたものの、旧大野町（現・北斗市）の代表駅だった。
一部の普通列車のみ停車する。快速「アイリス」と藤城支線を経由する下り普通列車は停車しない。
当駅で北海道新幹線との接続が計画されており、新駅舎と新幹線ホームが建設中である。開業後は新函館北斗駅（しんはこだてほくとえき）と改称し、函館駅方面へのアクセス駅となる予定[1]。
歴史
- 1902年（明治35年）12月10日：北海道鉄道函館駅（初代・後の亀田駅） - 本駅間開通に伴い、本郷駅（ほんごうえき）として開業[2]。一般駅。
- 1907年（明治40年）7月1日：北海道鉄道国有化により、官設鉄道の駅となる[2]。
- 1909年（明治42年）10月12日：線路名を函館本線に制定、それに伴い同線の駅となる。
- 1942年（昭和17年）4月1日：渡島大野駅に改称[2]。
- 1967年（昭和42年）：跨線橋設置。
- 1981年（昭和56年）5月28日：貨物扱い廃止。
- 1984年（昭和59年）2月1日：荷物扱い廃止。
- 1986年（昭和61年）11月1日：無人（簡易委託）化。
- 1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道（JR北海道）に継承。
- 1988年（昭和63年）12月：駅舎改築。
- 1992年（平成4年）4月1日：簡易委託廃止、完全無人化。
- 2005年（平成17年）5月22日：北海道新幹線新青森駅 - 新函館駅（仮称）間の起工式がおこなわれる。
- 2012年（平成24年）2月：新函館駅（仮称）建設のため駅舎解体。
- 2013年（平成25年）6月15日：新駅舎建設工事の安全祈願、立柱式挙行。
- 2014年（平成26年）6月11日：北海道新幹線開業後の駅名を「新函館北斗駅」と決定[1]。
- 2015年（平成27年）6月：新駅舎完成（予定）。
- 2016年（平成28年）3月：北海道新幹線開業に伴い、「新函館北斗駅」に改称。函館本線の五稜郭駅 - 当駅間を交流電化（予定）。
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解体された駅舎（2008年9月）
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駅前
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「新函館（仮称）駅建設地」の看板（※解体済）
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ホーム
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駅構内
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新函館北斗駅 工事現場
駅構造
単式ホーム・島式ホーム複合型の2面3線を有する地上駅。互いのホームは両ホーム北西側を結んだ跨線橋で連絡している。駅舎側（構内西側）から1、2、3番線で、1番線が単式、2、3番線が島式ホームとなっている。1993年（平成5年）時点では3番線の外側、及び1、2番線の間の中線、各1線を側線として有していた[3]。このうち、少なくとも3番線の外側の側線は2013年3月時点で現存している[4]。そのほか1番線旭川方から分岐し2線に別れる側線を1線、3番線の外側に側線を1線有した[3]。1983年（昭和58年）時点では3番線の外側の側線、および1・2番線の間の中線はそれぞれ貨物列車用の副本線となって運用されていた[5]。そのほか3番線の外側に函館方からさらに分岐し、3線に分かれる側線も有していた[5]。運転取扱上は1番線（1番線ホーム）、3番線（2番線ホーム）、4番線（3番線ホーム）、5番線（3番線の外側の側線）となっている[4]。欠番の2番線は1、2番線の間の中線である。
七飯駅管理（夜間連絡先は五稜郭駅）の無人駅となっている。駅舎は構内の南西側（旭川方面に向かって左側）に位置し、単式ホーム中央部に接している。有人駅時代の駅舎は改築され出入口上部の合掌や左右対称の出窓がある[6]ログハウス風[3]の建物となっていた。駅舎内にトイレを有していた。
新幹線用の新駅設置のため、2012年（平成24年）からは仮設の駅舎が設けられている。駅の銘板と駅施設である煉瓦造りの作業小屋については、保存されることとなっている。なお、新駅舎は2015年（平成27年）6月に完成する予定である[7]。
有人駅時代には「水田発祥八郎沼公園のある駅」と記載された駅スタンプが設置されていたが[3]、2008年（平成20年）時点では無くなっている模様[6]。
駅名の由来
テンプレート:節stub 本駅の所在する地名（旧大野町）に旧国名の「渡島」を付する。
駅開業に先立つ1900年（明治33年）、本郷村や市渡村などが合併し大野村となった。本駅は旧本郷村の反対に遭い本郷村を通らず旧市渡村に作られたが、駅名には本郷が採用されたという[3]。駅名は1942年（昭和17年）、村名と同じ（渡島）大野に改称された[6]。
利用状況
駅周辺
新函館北斗駅の建設
北海道新幹線の建設に伴い、「新函館北斗駅」が建設される予定である。
2010年（平成22年）現在は田畑が広がる駅周辺についても、新駅建設時には北斗市により、駅南側の13.5ヘクタールの区画整理を中心とした開発が行われる予定である[8]。2013年（平成25年）11月には、青森県で駅弁製造を行っている吉田屋が、北海道新幹線の車内販売向けの弁当の製造を中心とした弁当工場を建設する意向を示している[9]。また、2014年（平成26年）6月には、ニッポンレンタカー北海道、オリックス自動車、タイムズモビリティネットワークスのレンタカー3社が共同で、正式に進出することが決まった[10]。
函館駅へのリレー列車の運行を想定し、乗り継ぎ時間を短く抑えるホームの配置が課題となっていた。九州新幹線の新八代駅で行われていた対面乗り換えが理想とされたが、札幌方面への乗り継ぎも考慮する必要があり、単純ではなかった。
2012年（平成24年）2月にホーム配置の案が公表された[11]。それによると、在来線側が島式ホーム1面2線および単式ホーム1面1線、さらに島式ホームの反対側に函館駅方面へのリレー列車専用となる切欠きホーム1線を設け、計2面4線となる。切欠きホームになっているのは、新幹線と平面乗り換えができるように、連絡通路・改札で相互のホームを接続するためである。新幹線側が相対式ホーム2面2線となり、一方が前述の連絡改札で在来線側と接続する。ただし、在来線ホームと平面で接続されている新幹線ホームが1つであるため、新幹線が札幌まで延伸し、新幹線ホームが上下線に分かれて運用された場合、片道しか平面乗り換えができないという課題がある。
2013年（平成25年）3月に公開されたホーム配置の図[4]では、2012年（平成24年）2月の案に加え、札幌駅延伸までに新幹線ホームの最も外側に3番線を整備する予定とし、最終的に2面3線になるとしている。在来線ホームの計画には特に変更はない。なお、新設のリレー列車専用線を1番線とし、現在の1番線は、2番線に改番される予定である。また、乗換改札は新幹線1番線ホームと在来線1・2番線ホームの間と、駅舎上の2箇所に設置される予定。
JR北海道は在来線（江差線・函館本線）を経営分離するにあたり、五稜郭駅 - 当駅間を交流電化する旨を発表しており、函館市街までの所要時間短縮が見込まれている[11]。2013年（平成25年）3月に同区間の電化工事を開始し、2015年（平成27年）度（新幹線開業前）まで実施する予定[4]。
駅名について
駅名について仮称は「新函館駅」とされたが、駅の所在地である北斗市の海老沢順三前市長が市議会で「北斗駅にすべきだ」と発言して異議を唱え、これに対し函館市側が即座に抗議。そのため駅名の正式決定には様々な紆余曲折が予想された。そのためか、「函館北斗」[12][13]などの仮称も見られた。
2012年（平成24年）6月15日、新駅の名称について北斗市議会は「北斗函館駅」とするように求める議案を多数決で可決した[14][13]。これに対して、函館市議会は2013年（平成25年）3月、仮称通り「新函館駅」とするように求める議案を多数決で可決した[15][13]。
その後、函館商工会議所の松本栄一会頭が2013年（平成25年）10月29日の記者会見にて、妥協案として「新函館北斗」を提案することを表明したところ[16]、北海道側も函館市・北斗市と調整に乗り出す考えを示した[17]。その後、11月25日になってようやく函館市の工藤寿樹市長が北斗市に協議の申し入れを行い、北斗市の高谷寿峰市長が協議に応じる考えを示した[18][19]。翌26日には両市の市長および議会の正副議長の6人で、正式に協議することが決定した[20]。同年12月16日には初めて会談が行われたが、平行線に終わり、従来の主張を再確認する程度にとどまった[21][22]。その後、翌年4月14日に改めて協議を行ったが、平行線のままとなり[23]、最終的に双方とも駅名案を出さずにJR北海道に一任する方針となった[24][25]。なお、JR北海道は6月頃に駅名を発表する見通しであると報道されていたが[26]、JR北海道の島田修社長は5月14日に北海道の意見を聞いた上で駅名を決めると発言[27]。これに対し、北海道は6月中に「新函館北斗駅」を提案する方針を固めたが[28]、6月8日の会談では高橋はるみ道知事は即答を避けた[29]。その後、6月10日に高橋知事は「仮称である『新函館』と所在地である『北斗』を駅名に入れてほしい」と回答し[30]、翌11日、JR北海道は同日行われた定例記者会見において、駅名が「新函館北斗駅」に決定したことを正式に発表した[31]。
隣の駅
- 北海道旅客鉄道（JR北海道）
- テンプレート:Color函館本線（本線）
- 北海道新幹線（建設中）
脚注
関連項目
テンプレート:リダイレクトの所属カテゴリ- ↑ 1.0 1.1 テンプレート:Cite press release
- ↑ 2.0 2.1 2.2 テンプレート:Cite book
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』（小学館、1993年6月発行）37ページより。
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 テンプレート:Cite press release
- ↑ 5.0 5.1 5.2 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』（小学館、1983年7月発行）24ページより。
- ↑ 6.0 6.1 6.2 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』（著：本久公洋、北海道新聞社、2008年8月発行）15ページより。
- ↑ 新幹線駅名 函館と北斗 譲らずテンプレート:リンク切れ - 朝日新聞、2013年11月18日
- ↑ 土地区画整理事業について - 北斗市建設部新幹線対策課
- ↑ 北海道新幹線駅前に駅弁工場 北斗に八戸の老舗進出へ（Archive.todayによるアーカイブ） - 北海道新聞、2013年11月19日、2013年11月22日閲覧
- ↑ レンタカー3社が進出 北海道新幹線、北斗の新駅前に - 北海道新聞、2014年6月5日
- ↑ 11.0 11.1 2012/02 新幹線新函館駅の概要まとまる - 北海道新幹線2015年新函館開業ウェブサイト（函館商工会議所、2012年2月10日付、同年7月30日閲覧）
- ↑ 「鉄道ファン」2011年7月号 p.33。
- ↑ 13.0 13.1 13.2 北海道新幹線の駅名に「北斗函館」を JRに再要望 北斗市長ら - 北海道新聞 2013年7月25日付記事 2013年7月26日閲覧
- ↑ 北斗市議会、新幹線駅名「北斗函館」決議案可決 - 函館新聞、2012年6月16日
- ↑ 新幹線駅「新函館」に 市議会 JR北海道に要請 - スポーツニッポン、2013年3月25日。
- ↑ 新幹線駅「新函館北斗」を提案（Archive.todayによるアーカイブ） - 読売新聞、2013年10月30日
- ↑ 新幹線駅名「新函館北斗」進展を模索 知事が調整意欲、北斗市は態度保留（ウェブ魚拓によるアーカイブ） - 北海道新聞、2013年11月10日
- ↑ 新幹線の新駅名で2市協議へ（Archive.todayによるアーカイブ） - NHK、2013年11月25日
- ↑ 新幹線駅名 協議申し入れ…函館市が北斗市に（Archive.todayによるアーカイブ） - 読売新聞、2013年11月26日
- ↑ 新幹線駅名、直接協議へ 函館・北斗両市長と正副議長（Archive.todayによるアーカイブ） - 北海道新聞、2013年11月27日
- ↑ 新幹線駅名で函館市と北斗市が対立 トップ会談も不調（ウェブ魚拓によるアーカイブ） - MSN産経ニュース、2013年12月16日
- ↑ 北海道新幹線駅名、従来の主張確認 函館・北斗市が初協議（Archive.todayによるアーカイブ） - 北海道新聞、2013年12月17日
- ↑ 北海道新幹線 駅名問題 4カ月ぶり協議再開 月内にも方向性 - 函館新聞、2014年4月15日
- ↑ 新幹線駅名 地元案一本化断念（ウェブ魚拓によるアーカイブ） - NHK、2014年4月19日
- ↑ 新幹線の駅名 JR北海道に一任し22日に結論 函館市と北斗市（ウェブ魚拓によるアーカイブ） - 北海道新聞、2014年4月20日
- ↑ 新幹線“駅名バトル” 2度目の市長対話テンプレート:リンク切れ - HBC NEWS、2014年4月14日
- ↑ 一任したのに… 北海道新幹線駅名 JR島田社長「道の意見聞いて」発言に地元戸惑い - 北海道新聞、2014年5月17日
- ↑ 駅名は「新函館北斗」 道新幹線 道がJRに提案へ - 北海道新聞、2014年6月4日
- ↑ 北海道新幹線の新駅名めぐり… 道知事とJR北海道社長が会談 - MSN産経ニュース、2014年6月8日
- ↑ 「新函館北斗」きょう発表 JR北海道、道新幹線の新駅名 - 北海道新聞、2014年6月11日
- ↑ テンプレート:Cite web
