波方町

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Infobox 波方町(なみかたちょう)は愛媛県東予地方にあった町である。旧越智郡。高縄半島の北の突端にあり、瀬戸内海の交通の要衝として、海運業が発展している。2005年1月に隣の今治市を含む12市町村と新設合併して現在は今治市である。

地理

愛媛県の最北端、高縄半島の先端(北端)に位置(島しょ部を除く)し、東・西・北の三方を海に囲まれている。

歴史

略史

中世以前

  • 町内各地に縄文時代、弥生時代の遺跡が存在している。

藩政期

  • 藩政期には松山藩の所領であった。長谷部家、片山家、大河内家らが庄屋を務めた。
  • 幕末から明治初期に菊間瓦の原料となる粘土の運搬から海運業が起こり、明治4年に5隻が記録されている。後に素灰(すばい)舟や石炭舟も登場した。

近代

  • 明治30年代前半 - 今治から綿ネル工場が進出し、主力産業の一つとなる。
  • 日露戦争を期に石炭船が増える。
  • 1889年(明治22年) -  波方尋常小学校が馬刀潟簡易小学校を統合
  • 1893年(明治26年) -  波止浜村と共同で大字波止浜に波止浜高等小学校開校
  • 1896年(明治29年) -  波方港の築港工事。以後、5回に渡って行われた。
  • 大正時代後半 - 綿ネルからタオル工場へと次第に転換。タオルと海運の町としての骨格をなす。
  • 昭和30年代 -  ナシ園から柑橘園地への転換すすむ

沿革

  • 1889年(明治22年)12月15日 - 町村制施行に伴い樋口村、波方村、小部村、 森上村、 馬刀潟村、 宮崎村が合併して野間郡波方村(はがたむら)が成立。
  • 1897年(明治30年)4月1日 - 野間郡が越智郡に統合される。
  • 1960年(昭和35年)3月1日 - 波方村が町制施行して波方町(なみかたちょう)となる。
  • 1960年(昭和35年)5月1日 - 字大浦の一部を今治市に編入。
  • 2005年(平成17年)1月16日 - 今治市,菊間町大西町玉川町朝倉村吉海町宮窪町伯方町上浦町大三島町関前村と合併して今治市となり、自治体としては消滅した。
波方町の系譜
(町村制実施以前の村) (明治期)      (昭和の合併)   (平成の合併)
            町村制施行時       
波方  ━━━┓          
樋口  ━━━┫               昭和35年3月1日
小部  ━━━┫                町制施行      
森上  ━━━╋━━━━━波方村━━━━━━━━波方町━━┳━━━━━┓
馬刀潟 ━━━┫                     ┃     ┃
宮崎  ━━━┛                     ┃     ┃平成17年1月16日 
                             ┃あ    ┃新設合併、新・今治市発足
                         今治市━┻━━━━━╋━━今治市
                         朝倉村━━━━━━━┫
                         玉川町━━━━━━━┫
                         大西町━━━━━━━┫
                         菊間町━━━━━━━┫
                         吉海村━━━━━━━┫
                         宮窪町━━━━━━━┫
                         伯方町━━━━━━━┫
                         上浦町━━━━━━━┫
                         大三島町━━━━━━┫
                         関前村━━━━━━━┛

あ -昭和35年5月1日 字大浦の一部を今治市に編入(境界変更)
(注記)今治市以下の市町村の合併以前の系譜はそれぞれの市・町・村の記事を参照のこと。

地域

明治の合併前の旧6か村の名がそのまま大字として継承され、波方町になっても継承された。なお、「波方」はもと「はがた」と読んだが、「伯方」と紛らわしいため、町制施行の際に読みを「なみかた」と変更した。

波方(なみかた)、小部(おべ、おおべ)、樋口(ひのくち)、馬刀潟(まてがた)、宮崎(みやざき)、森上(もりあげ)

なお、現在、今治市になってからの地名表記は、「波方町」を入れ、大字は省く。また、「波方」を、大浦(おおうら)、岡(おか)、郷(ごう)、波方(なみかた)、西浦(にしうら)、養老(ようろう)の6地区に分ける。

例 今治市波方町大浦

生活

下水道などの整備は越智郡のなかでも進んでいる。現在は波方地区での工事が進んでいる。 ケーブルテレビ(CATV) も整備していて波方町自体がテレビ運営していた。(現在・今治市が運営する今治市波方CATVとなっている) インターネット基盤も整備されてインターネット接続も可能になった。 現在ではデジタル放送にも対応出来るようになっている。

教育

波方町立保育所3箇所(現在・今治市立)、私立幼稚園1箇所、波方町立小学校1箇所(現在・今治市立)

中学校は今治市波止浜地区との共立中学校で愛媛県今治市及び波方町共立北郷中学校組合立北郷中学校と名前も長く全国的に珍しかった。だが、現在は今治市と合併したため今治市立北郷中学校である。

波方地区には海運の波方町らしく国立波方海上技術短期大学校がある。

産業

地方ではあるが、世界の海運界では非常に有名な地名であり海事都市の一部を構成する。海事都市については今治市の項を参照。

波方地区で完了した港湾埋立地には檜垣造船(今治市)のブロック製造工場と港湾建設業の小林組(今治市)の建設資材置き場が進出する予定である。

宮崎地区には波方ターミナルがあり、現在は2008年度の完成を目標に日本でも最大級のLPG国家備蓄基地を建設中である。

主要企業

観光

  • 国立大角海浜公園
  • 海山城展望台
  • 塔の峰

交通

航路

鉄道

四国旅客鉄道(JR四国)
予讃線波方駅

道路

県道
県道15号県道38号

バス

瀬戸内運輸今治市)が今治市街と同市波方町地区を結んでいる。

関連項目