波数

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テンプレート:出典の明記 テンプレート:物理量 波数 (はすう) は、<math>2\pi\,</math> を波長 <math>\lambda\,</math> で割った量である。

両端固定の長さ <math>L\,</math> のひもの振動を考えると、波数 <math>k_n\,</math> は波の周期の数 <math>n\,</math> に比例する。

<math>k_n=\frac{2\pi}{L}n</math>

<math>2\pi\,</math>がなければ、単位長さあたりの波の周期の数となる。

物理化学、分光学の分野では単位長あたりの波の数、つまり波長の逆数

<math>\kappa=\frac{1}{\lambda}</math>

を波数と呼ぶことが多い。

国際単位系(SI)における波数の単位は毎メートルであるが、電磁波の波数の場合はCGS単位系の毎センチメートルを使う場合があり、カイザーという固有名称もある。

波数ベクトル

古典的には、向きが波面の法線方向(つまり波の伝播方向)で、大きさが波数となるベクトルを、波数ベクトル(伝播ベクトルと言うこともある)と定義する。

なお、波数ベクトルkは十分大きな整数の組(N1,N2,N3)を考えると、

<math> \mathbf{k} = {m_1 \over N_1} \mathbf{b}_1 + {m_2 \over N_2} \mathbf{b}_2 + {m_3 \over N_3} \mathbf{b}_3 </math>

で表される。b = (b1,b2,b3)は逆格子空間での基本並進ベクトル。整数 m = (m1, m2, m3) は、いろいろな範囲設定が可能だが、一例としてそれぞれ (0 ... N1 − 1, 0 ... N2 − 1, 0 ... N3 − 1) の範囲の任意の整数と設定できる。