横浜市交通局3000形電車

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3000形電車(3000がたでんしゃ)は、横浜市交通局横浜市営地下鉄ブルーライン(1・3号線の路線愛称)用の通勤形電車

性能・主要諸元

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            1次車:正面行先及び運番・16×96ドットの6ユニット1段 側面行先・128×448ドットの7ユニット2段。                                                                                                       2次車以降:正面行先・192×48ドット 運番・96×96ドットの2ユニット 側面行先・128×448ドットである。

  • スピーカー:ブルーライン車両は全て八幡電機産業製であるが、1次車には空調部分に設置されていないため分けて説明する。

          1次車:車内・FE127  車外・A1P                                                                                                                                                2次車以降:車内(高天井用)・FE127  低天井用・C120K21A  車外・A1Pである。

形態別概要

マイナーチェンジを繰り返して増備された。そのため、製造時期が4次に分かれており、個々に製造目的や特徴が異なる。以下にそれぞれの特徴を記述する。

1次車(3000A形)

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新横浜 - あざみ野間開通に伴う運用増加分として1992年平成4年)に落成した。東急車輛製造製で、6両編成8本(第24 - 31編成・48両)が在籍する。

制御装置は三菱電機GTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御を採用した。

無塗装軽量ステンレス車体に水色と青の帯を配する。座席は先頭車の運転室後部がボックス式クロスシートで、その他はロングシートである。また、蛍光灯にはカバーが装着されているが、これは関東地方鉄道事業者の通勤形車両では採用例が少ない。客用扉の室内側は化粧板仕上げで、幅は1000形2000形に比べて15cm拡大した。これは後述する2 - 4次車も同様である[1]。2 - 4次車に比べるとドアのガラスの幅が広い。客用扉上部にはLED・2段式の車内旅客案内表示器と路線図式の次駅案内装置を一体化した装置(札幌市営地下鉄5000形と類似のもの)が設置されている。

2号車・4号車のあざみ野寄りに設置されている貫通扉の機構は2次車以降も含めて圧力によるドアクローザ式である。

かご形三相誘導電動機の採用で保守軽減が図られたことから電動車の主電動機点検蓋(トラップドア)は省略された。ただし、2次車以降も含めて各車両の貫通路前の床面に点検蓋が設置されている。

2007年(平成19年)12月から開始したワンマン運転を前に自動列車運転装置 (ATO) 対応改造が施され、3000A形と呼称されるようになった。これに併せて車内旅客案内表示器の表示内容が2次車以降と同一になった他、次駅案内装置も引き続き稼動しているものの駅名の下に駅番号が追加された。

先頭車の非常用貫通扉には、後から横浜市交通局のマスコットキャラクター「はまりん」のステッカーが装着されたが、2008年頃から彩色されたステッカーに交換された。

車両価格は1編成あたり8億8千万円である。

2次車(3000N形)

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戸塚 - 湘南台間開通に伴う運用増加分として1999年(平成11年)に登場した。東急車輛製造製で、6両編成7本(第32 - 38編成・42両)が在籍する。

New(ニュー:英語で「新しい」という意味)の略称で、3000N形と呼称される。VVVFインバータ制御装置の使用素子はIGBTに変更され、後に純電気ブレーキの機能が追加された。

帯の配色は上部は青、下部は太い青に細い水色が重なる。座席は先頭車のボックス式クロスシートの廃止、蛍光灯カバーを省略し、客用扉の室内側はステンレス無塗装とされた。窓ガラスも接着式になった。これは3次車以降も同様である。客用扉の上部にある車内旅客案内表示器は、次駅をランプで表示するマップ式のものを廃し、次駅名・乗り換え案内を表示するものと、もう一つは神奈川新聞が配信する文字ニュースや交通局など横浜市政全般に関するお知らせなどを表示するものの2種類になった。それぞれ地色を茶色と灰色で千鳥配置しているほか、「このドアが開きます」を表示するドア開閉予告ランプが新設された。ドアエンジンは、閉扉後一定時間戸閉力を弱める「戸閉力弱め機構」を搭載した。また、先頭車の非常用貫通扉下部には横浜市交通局のマスコットキャラクター「はまりん」の銀色のプレートが装着された。客室側窓は黒色スモークガラスである。

座席のクッションは1次車と同じく柔らかめに設計しているが、着座区分入りのものに変更されている。

空気圧縮機 (CP) は従来通りレシプロ式である。

なお、第32編成 (3321F) は車体に「はまりん」のイラストステッカーが貼付され、車内旅客案内表示器で横浜市の施設やイベントの案内を表示する他、車内では小・中学生による絵画ポスターを掲出するインフォメーション電車「はまりん号」(2011年11月1日12月27日までは国際森林年にあたり、三井物産フォレストと提携し森と木のラッピングを施した「しんりん号」として運行[2])として、また、第33編成 (3331F) は横浜港開港150周年記念のラッピング車両として運用されている。これらの編成を充当する列車の時刻は横浜市交通局の公式サイトに掲載されている。

ワンマン運転開始に備えて全編成に対応改造が施された。

又、車内灯に使用されている安定器の絶縁劣化が生じているため、26年度にLED化施工をする予定である。[3]

車両価格は1編成あたり7億6千万円である。

3次車(3000R形)

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1972年昭和47年)の開業時から使用している1000形の置き換え用として登場し、Replace(リプレイス 英語で「置き換える」という意味)の略称で、3000R形と呼称される。2004年(平成16年)3月30日に営業運転を開始し、2005年(平成17年)7月までに1000形と同じ両数の6両編成14本(第39 - 52編成・84両)が日本車輌製造で製造された。VVVFインバータ装置は3000N形と同一だが、当初から純電気ブレーキ機能を有している。これは後述する3000S形も同様である。

車体は従来と同じステンレス製だが、日本車輌製造のブロック工法が採用されたため、側面の凸凹(ビードプレス加工)が廃された。先頭車前面は3000N形と違ってステンレス無塗装で、正面ガラス下部が曲線になっている。前照灯HID式に変更された。先頭車の貫通扉下部の「はまりん」プレートは彩色された。また、客室側窓は緑色の紫外線 (UV) カットガラスに変更された。

座席形状は3000N形までとは異なり、バケットシートが採用された。ただし、片持ち式ではない。座席表地も営業運転開始時点ですでに全席優先席とされていたため、2次車まで一部の車端部の座席が優先席であることを示していた紫色の表地は採用されず、全席がオレンジ色の表地とされた。貫通扉は各車両間の片側に設置された。

増備途中から火災対策強化のためラインデリア整風板の形状がFRPから白色塗装のアルミ合金製に変更された。

制御装置や側面の帯色、車内旅客案内表示器(製造当初から駅名の下に駅番号を追加)の仕様は3000N形と同様である。

2004年投入車両(第39 - 46編成)は落成時点でワンマン運転に対応しておらず、3000N形のワンマン対応改造と同時期に対応改造が施されたが、翌2005年の投入車両(第47 - 52編成)は当初からワンマン運転対応となっている。

車両価格は1編成あたり8億円である。

4次車(3000S形)

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3次車と同様に日本車輌製造製である。 2000形の登場から20年を経過し、車体更新の時期を迎えており、また2007年12月から予定されているワンマン運転に対応するため、同形式の台車・ブレーキ装置・補助電源装置などを流用し、車体・制御装置・主電動機について3000R形とほぼ同様のものを新規に製造し、ワンマン運転機器を装備する形で登場した。「Satisfaction」(満足)という意味から3000S形と呼称される。2005年10月28日に営業運転を開始した。6両編成8本(第53 - 60編成・48両)が在籍する。

3000R形と違っているのは、先頭車前面の窓下部分が無塗装から水色とされたことと、車体下部の帯色が同形式の「青が水色を挟む」デザインから「水色が青を挟む」(太い青帯の上下に細い水色の帯が入る)に変更されたことである。

2000形は6両編成9本(54両)が在籍していたが、そのうち1本(第16編成)は必要編成数の見直しで更新せずに廃車された。

車両価格は旧2000形車両の台車、ATC装置ほか多くの部品を再利用することで他形式より最安価で、1編成あたり5億4千万円である。

ワンマン運転対応改造工事

テンプレート:節stub 1・2次車(3000A形・3000N形)は東急車輛製造で施工され、同時にドアチャイムを閉扉時にも鳴動するようにしたが、開扉時の音色は若干低くされている。また、非常通報装置も増設された。また、前述の通り1次車の車内旅客案内表示器では2次車以降と同様に神奈川新聞配信の文字ニュースを表示することが可能になり、千鳥配置になった。

また、3次車(3000R形)の第39 - 46編成は新羽車両基地で施工されたが、1・2次車と同様にドアチャイムの音色が変更されている。

なお、車内旅客案内表示器は、グリーンライン開業時に同線の路線図も追加された。

今後の予定

3000R形と3000S形によって置き換えられた1000形と2000形はともに2006年12月16日をもって営業運転を終了したため、営業車両は本形式に統一された。

また、ブルーラインにおける車両以外のワンマン運転対応設備として、自動列車運転装置 (ATO) の導入と全駅のホームホームドアを設置した。ホームドアは2007年2月から順次各駅に設置し、同年9月に設置を完了、同年12月よりワンマン運転を開始した。

2007年6月20日に発表された「市営交通5か年経営プラン[4]」によると、時期や形式は明記されていないものの、ブルーラインの車両を1編成増備するとしている。

2014年12月を目処に、ブルーラインの車両の大規模改修が検討されている。当初、2012年12月を目途としていたが、調査が長引き現在に至っている。[5]

ブルーライン車両の大規模改修が28年度より開始される予定。 尚、それに伴い基地にある予備車を充当することになり、故障等により営業できない車両が発生した場合に欠車せざる負えなくなるため、同時に1編成増備するとしている。[6]

参考文献

  1. この影響で座席数が減少し、扉間の座席は6人掛けとなっている(1000形・2000形は7人掛であった)
  2. 横浜市営地下鉄で「しんりん号」出発進行! - 三井物産株式会社 2011年11月1日
  3. 平成26年度 事業計画書
  4. 横浜市交通局 5か年経営プラン “市営交通5か年経営プラン(平成19年度~23年度)”
  5. 横浜市 市民の声
  6. 平成26年度 事業計画書

外部リンク

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