権利物

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テンプレート:Pathnav 権利物(けんりもの)とは、1985年(昭和60年)に施行された国家公安委員会規則により制定されたパチンコ遊技台の区分のひとつであり、第三種と呼ばれるものである。2004年(平成16年)の規則改正にともない、第三種(権利物)という区分は消滅した。

特徴

構造として、まとまった出玉を獲得する事が可能な大入賞口(アタッカーあるいはそれに相当する電動チューリップ等)を有し、それを開放させるための始動口を有する。 更に、始動口の機能を有効(あるいは無効)にする役割を持つ特別作動領域(Vゾーン)を有した役物あるいは入賞口によって構成される。

通常時、始動口は「無効」状態となっており、入賞球があっても大入賞口の開放動作は行われない。しかしVゾーン入賞によって始動口が「有効」状態となり、以降、始動口への入賞により大入賞口の開放動作が行われるようになる(大当たり=権利発生)。

このように、大当たりによって始動口大入賞口を開放する「権利」を獲得するゲーム性が、「権利物」と呼ばれる所以である。

権利発生中は、始動口への入賞によって大入賞口が一定時間および一定数の入賞を条件に開放動作を行う。この動作は大入賞口が規定回数に達するか、再度Vゾーン入賞があった時点で終了(権利消滅)する構造となっている。

経緯

  • 当初、大当たり時(権利発生中)における大入賞口の開放動作の上限は最高10回までであった。地域によっては同一機種であっても8回までのものが存在した。

  代表機種:コスモアルファ(京楽)、バトルエース(平和)など

  • 1985年(昭和60年)に施行された国家公安委員会規則により、その上限は最高8回までとされた。

  代表機種:スーパーロボット(西陣)、グランドホーク(京楽)など

  • 1990年(平成2年)の規則改正により、上限が16回までに改められた。

  代表機種:バレリーナ(平和)、ダイナマイト(大一)など

  • 最終的に、2004年(平成16年)の規則改正により撤去を余儀なくされ、権利物は消滅した。

仕組み

基本的に、振り分け役物によるVゾーンへの入賞(アナログ抽選)によって権利発生するタイプが一般的であったが、ごく僅かではあるがデジタル抽選のみでVゾーンへの入賞プロセスを省略したタイプも存在した。

後年はデジパチの影響を大きく受け、デジタル抽選要素を全面的に押し出したもの(権利発生の為の振り分け役物(Vゾーン)は脇役的存在で、あくまでデジタル演出によるゲーム性が主体)が主流となり広く出回った。

晩年、ごく一般的だったのは以下の形式を持つ機種。

  • 始動チャッカー入賞によるデジタル抽選。
  • デジタル図柄が揃うと、Vゾーンを有する役物が開放動作を行う。
  • 役物内Vゾーン入賞によって権利発生。権利発生中は右打ち。
  • 権利消滅後、デジタル確率が変動。再び権利を2~3回獲得。

以上で4~6000発の出玉を獲得できるもの(ほとんどデジパチ感覚である)。

中には、次のようなタイプの物も存在した。

  • デジタル抽選はなく、完全な役物振り分けによってVゾーン入賞。
  • 権利発生後も右打ちを必要としないゲージ構成となっており、始動口の入賞ごとに大入賞口が開放。
  • 規定回数までの開放権利はあるものの、同時にVゾーン入賞の可能性もある。(権利発生中に再びVゾーン入賞があると、その時点で権利消滅となる。いわゆるパンクである。)

以上のことから1回の大当たりで獲得できる出玉は0~600個程度と、かなりバラつきがある。(非常に羽根モノに近いゲーム性だが、当初はこういうタイプが主流であった。)

機種としては「ミラクルチャンス」「タートルリーグ」「パオパオシャワー」などが挙げられる。

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