東武10000系電車

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テンプレート:出典の明記 テンプレート:鉄道車両 東武10000系電車(とうぶ10000けいでんしゃ)は、東武鉄道(東武)の通勤形電車1983年昭和58年)に8000系の後継車として登場した。車体は先に登場した9000系に引き続いてステンレスが採用された。

本項では、10000系[1]のマイナーチェンジ車として1988年(昭和63年)に登場した10030系電車[1]、および10030系と同時期に登場したVVVFインバータ制御試作車である10080系電車[1]について記述する。また、個々の編成を表す場合は浅草池袋方先頭車の車両番号の末尾に「F」(「編成」を意味する英語Formationの頭文字)を付して表記する。1983年(昭和58年)から1996年平成8年)にかけて3系列合わせて486両(10000系118両、10030系364両、10080系4両)が製造された。

系列別概要

10000系

8000系の後継車として、また7300系の代替を目的として、1983年より地下鉄有楽町線直通用9000系をベースに製造された地上専用車である。同年12月22日より運用を開始し、当初は東上線のみで運用されたが、翌1984年(昭和59年)3月20日より伊勢崎線日光線でも運用が開始された。

9000系と同じく20 m級両開き4ドアのステンレス製軽量車体に1720系5700系などの優等列車で用いられたロイヤルマルーンの帯を巻いているが、9000系と違うのは正面中央に貫通扉を設けた左右対称のデザインのところである。制御装置は電動カム軸式バーニア界磁チョッパ制御である。主電動機は直流複巻電動機で、出力140 kW歯車比は16:87 (5:44) である。ブレーキ装置は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキとなり、日光線新栃木以北などの勾配区間用に抑速ブレーキも備えている。そのため主幹制御器のハンドルやノッチ数は6000系(6050系)と同様のものになった。また乗務員室と客室の仕切りは、8000系や5000系列などでは運転席背面にも窓が設置されていたが、本系列では配電盤を設置するためにそれが廃止されている。

2両・6両・8両編成が製造され、2両・6両編成は伊勢崎線(太田以南)・日光線(新栃木以南)、8両編成は東上線小川町以南)で運用されている。

1986年(昭和61年)以降に製造された車両は、床板の色や座席袖仕切りの形状が変更されている。座席モケットの色もこの年製造分の11606F以降はコロラドオレンジから現行の黄緑色に変更され、コロラドオレンジで落成した車両も後に黄緑色に交換された。

1989年(平成元年)には、8両編成の一部に中間車を組み込んで10両編成化された。すでに10030系が導入されていたが、編成美を考慮してコルゲートの多い10000系の車体そのままとされた(後述)。

2003年(平成15年)には就役から20周年を迎えたのを記念して、同年11月1日から14日まで「Anniversary 20th 就役記念」と表記されたヘッドマークを取り付けて運転された。

2004年(平成16年)より、客室へのつり革の増設工事が行われて、優先席付近のつり革について三角形でオレンジ色のものへの交換が進められている。これと前後して10両編成の一部で母線引き通しを実施した編成が登場し、パンタグラフを降下させて運用され、この工事によって使用停止としたパンタグラフには、側面に黄色の識別用シールを貼付していたが、この措置は後に中止されている。

2008年(平成20年)5月13日には、本線所属(元日光線・宇都宮線用)だった11201F・11202Fが東上線に転属した(後述)。

11605Fのクハ16605は前面の種別・行先表示器部分の周囲が、他車の藍色と異なり黒色とされていたが[2]、後述するリニューアル工事によって6R車の全編成ツヤなしの黒色に変更された。

10030系

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1988年(昭和63年)4月に、マイナーチェンジを施した10030系が伊勢崎線・日光線に登場した。正面形状が1987年(昭和62年)以降の8000系修繕車に似たデザインに変更されたほか、10000系と同じロイヤルマルーンの帯を巻いているが凹凸の多いコルゲート車体からビードプレス車体へ、さらにステンレスの光沢を抑えたダルフィニシュ(梨地)仕上げとなり外観が大きく変化した。また、台車ボルスタレス式に、補助電源装置がブラシレスMG(電動発電機)からSIV(静止形インバータ)へと変更され、乗務員室車掌台側に簡易モニタ装置が設置された。電動空気圧縮機 (CP) もHB-2000から低騒音化を図ったHS-20に変更された。室内設備では1人あたりの座席幅が広がり、そのことにより車端部の座席が10000系の4人掛けから3人掛けに変更された。翌1989年8月には東上線にも登場した。当時野田線や伊勢崎線館林・日光線新栃木以北で運用していた3000系列の置き換えとしても製造された。

2両・4両・6両・10両編成が製造され、伊勢崎線・日光線・東上線で運用されている[3]

1989年(平成元年)度製造車 (11435F) から側扉の材質がステンレスからアルミに変更され、窓支持金具や取っ手の形状が変化した。

1990年(平成2年)度製造車 (11634F・11438F) から上り方先頭車にラジオ受信アンテナが設置された。

1991年(平成3年)度製造車 (11640F・11444F) からつり革のにぎり形状が変更された。

2013年(平成25年)には、老朽化が激しくなった8000系を置き換えるため、11631F・11632F・11635F・11636F(リニューアル車)の帯色が青(フューチャーブルー)と黄緑(ブライトグリーン)に変更され、野田線に転属された[4][5][6]

2014年(平成26年)4月1日より、野田線に「東武アーバンパークライン」の愛称名が導入された事に伴い、1号車と6号車の前面と側面両側にロゴが付けられた(後述の10050番台も同様)。これは同線を運行する8000系60000系にも施された。

テンプレート:Double image stack

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10050番台

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1992年(平成4年)度以降に製造された車両は、客室内で車椅子スペースや補助送風機(スイープファン)の設置、外観では冷房装置のカバーが連続式になるなどの変更点があり、車両番号の下2桁を51以降の付番(以下50番台車と表記。10050系と通称されることもある)とした。さらに、雪害対策として強制パンタグラフ上昇装置の追加や屋根上の吸出式通風装置の廃止などの小改良が続けられた。

1993年(平成5年)からは、本線系統の途中駅での自動連結・解放運転に備え、これまでの密着自動連結器に代わり、先頭車に電気連結器付き密着式連結器を装備した車両が登場した。この計画の影響で1994年(平成6年)までに本線系統へ集中的に投入したため、50番台車は本線所属編成が多い。本線にそれ以前投入された車両も同年のダイヤ改正までに密着式連結器に改造された。

1995年(平成7年)に落成した11267Fには、試験的に東武初のシングルアーム式パンタグラフが搭載され、後に20070系30000系など、その後の東武の電車に反映された。

1996年(平成8年)に東上線に投入された11461Fと11667Fは、本線系統との車両転配の利便を考慮して密着式連結器を装備した。このうち前者は先頭車前面の窓回りの縁取りが黒く塗装されているのが特徴だった(2005年に他編成と同一色へ変更)。その後、他の東上線所属車も密着式連結器に改造された。

2000年(平成12年)に11659Fのクハ16659の車体が事故で損傷し、車体を新しいものに取り替えて営業運転に復帰した。損傷のなかった部品はそのまま流用したため、廃車扱いではなく修繕扱いとなっている。

2004年(平成16年)より6両固定編成の一部で母線引き通しを実施した編成が登場し、一部のパンタグラフを降下させて運用していた。この工事によって使用停止としたパンタグラフには10000系と同様に、側面に黄色の識別用シールを貼付していたが、後に中止されている。

2013年(平成25年)には、11652Fの帯色が青(フューチャーブルー)と黄緑(ブライトグリーン)に変更され[7]、同年4月20日から野田線での運用が開始された[8]。野田線では6両固定編成で運用されるため、先頭車の電気連結器と前面貫通扉の渡り板は撤去されている。

10080系

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1988年4月に、10030系と同時に登場した。東武で初めてGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御(日立製作所製)を採用した車両である。試験車両的な位置付けで、11480Fの4両編成1本のみ在籍する。1990年(平成2年)に100系をインバータ制御で登場させる契機となった。車体は10030系初期車と同一で、10000系・10030系との連結を考慮し、走行性能も揃えられている。当初の主電動機出力は170 kW、歯車比は6.21 (87:14) であった。

2005年(平成17年)後半からインバータ装置の不具合により長く休車となっていたが、その後50000系列で採用されたIGBT素子によるVVVFインバータ制御装置に変更され、試運転を行った後、2007年(平成19年)9月12日から定期運用に復帰した。改造後の主電動機は50000系列と同じ出力165 kWだが、歯車比は5.44と10000系列に揃えられた。改造後も他の10000系列と共通運用され、10000系列および30000系との併結も行われている。

車両編成

本節では、編成の組成両数について2両編成は「2R車」、4両編成は「4R車」、6両編成は「6R車」、8両編成は「8R車」、10両編成は「10R車」と表記する。

概要

本系列においては、それ以前の車両とは異なる車両番号の付番法則を用いることになった。

具体的には、万の位で形式、千の位では浅草池袋方から何両目に組成されるか(10両目の場合は「0」[9])、百の位では編成の組成両数(10R車の場合は「0」)、残りの下2桁で編成番号を表す方法になっている。例えば、「12608」であれば10000系で6R車の第8編成、浅草・池袋方から2両目(6両編成の5号車)ということになる。電動車制御車付随車の区別は一切考慮されない。

通常、編成番号はそれぞれの番台の「1」から(10030系であれば「31」から、50番台車であれば「51」から)付番されるが、10080系のみ試作車のため「0」が振られ、11480編成となっている。

この法則に従うと、浅草・池袋方の先頭車については必ず千の位が「1」となる。また、反対側の先頭車では、その編成の両数と浅草・池袋から何両目であるかは必ず一致する(例えば、6両編成なら浅草・池袋方から6両目、10両編成なら10両目)ため、千の位と百の位は同じ数字となる。

この法則は、以後の東武鉄道の通勤形電車すべてに適用されている。

2R車

本線東上線に配置。22本44両(10000系4本8両、10030系50番台18本36両)が在籍する。

主に4R車の増結用であるが、2R車を3本連結した運用(通称:ブツ6)や2R車を4本連結して運用(通称:ブツ8)されることもある。かつては亀戸線大師線でも使用された。2008年時点では30000系4R車と併結することもある。

1995年度から全車に自動扉締め切り装置が設置された。これは浅草駅のホーム有効長の関係で8両編成列車の後部2両がドア扱いできないためである。

長らく本線のみに配置され、東上線への配置はなかったが、2008年6月14日のダイヤ改正より東上線の池袋発着列車が全て10両編成となる際、8R車の増結用として、11201F・11202Fの2本が2008年5月13日に本線から東上線に転属した[10]

4R車

本線・東上線に配置。30本120両が在籍する(10030系30番台18本72両、同50番台11本44両、10080系1本4両)。

10000系に4R車はなく、10030系で初めて登場した。伊勢崎線では浅草口で2R車を増結して6両編成を組む他、4R車同士の8両編成又は6R車に増結されて10両編成を組成するなど様々な使い方がされ、30000系と併結することもある。また、一部は日光線新栃木以北にも入線した。東上線では10両編成(以前は8両編成も組んでいた)を組む。以前は、ワンマン運転化前の小川町 - 寄居間・新栃木 - 東武宇都宮間、越生線でも使用されていた。

6R車

本線・東上線・野田線に配置。41本246両が在籍する(10000系9本54両、10030系30番台14本84両、同50番台18本108両)。

本線の区間準急や区間急行は基本的に6両編成であるため、最も汎用性の高い編成となるが、本系列または30000系4R車と併結し運用されることもある。東上線ではワンマン化前の小川町 - 寄居間などで単独使用されていたこともあるが、2008年現在は常に4R車を連結して10両編成で使用される。

2013年4月20日、10030系50番台11652Fが東上線から野田線に転配された。その際に帯色が変更され、車体側面の窓下に東武グループのコーポレートカラーである「フューチャーブルー」、窓上に視認性の高い「ブライトグリーン」を配したものになっている。

8R・10R車

東上線にのみ配置。8R車が2本16両(10000系2本16両)、10R車が6本60両(10000系4本40両、10030系30番台2本20両)在籍する。

10000系では8R車が最初に登場した。東上線の同系列は当初8R車が6本配置されていたが、うち11803F - 11806Fの4本は1989年に中間車2両を新製して10R車化され、11003F - 11006Fに改番された。この中間車2両は10030系登場後の落成であったが、床材の色や手すり以外は10000系と同一仕様である。

東上線配置の10030系については、最初の2本は10R車で落成したが、その後の増備は6R車と4R車のみとなった。

2008年6月14日のダイヤ改正より池袋口の列車はすべて10両化されることとなり、8R車の11801F・11802Fは、前記した2R車の11201F・11202Fを本線から転用して対応することとなった。

編成図

左側が浅草・柏・池袋方

凡例
CON1:制御装置(1C8Mおよび1C4M2群)、CON2:制御装置 (1C4M) 、MG:電動発電機、SIV:静止型インバータ、CP:空気圧縮機、PT:集電装置

10000系

2R車
  モハ11200形
(Mc)
クハ12200形
(Tc3)
搭載機器 CON2・PT MG・CP
自重 39.0 t 34.0 t
定員 150 150
車両番号 11201

11204
12201

12204
6R車
  クハ11600形
(Tc1)
モハ12600形
(M1)
モハ13600形
(M2)
サハ14600形
(T3)
モハ15600形
(M3)
クハ16600形
(Tc2)
搭載機器   CON1・PT MG・CP MG・CP CON2・PT  
自重 29.0 t 39.0 t 39.0 t 32.5 t 37.5 t 29.0 t
定員 150 170 170 170 170 150
車両番号 11601

11609
12601

12609
13601

13609
14601

14609
15601

15609
16601

16609
8R車
  クハ11800形
(Tc1)
モハ12800形
(M1)
モハ13800形
(M2)
サハ14800形
(T1)
サハ15800形
(T2)
モハ16800形
(M1)
モハ17800形
(M2)
クハ18800形
(Tc2)
搭載機器   CON1・PT MG・CP     CON1・PT MG・CP  
自重 29.0 t 39.0 t 39.0 t 28.0 t 28.0 t 39.0 t 39.0 t 29.0 t
定員 150 170 170 170 170 170 170 150
車両番号 11801
11802
12801
12802
13801
13802
14801
14802
15801
15802
16801
16802
17801
17802
18801
18802
10R車
  クハ11000形
(Tc1)
モハ12000形
(M1)
モハ13000形
(M2)
サハ14000形
(T1)
モハ15000形
(M3)
サハ16000形
(T3)
サハ17000形
(T2)
モハ18000形
(M1)
モハ19000形
(M2)
クハ10000形
(Tc2)
搭載機器   CON1・PT MG・CP   CON2・PT MG・CP   CON1・PT MG・CP  
自重 29.0 t 39.0 t 39.0 t 28.0 t 37.5 t 32.5 t 28.0 t 39.0 t 39.0 t 29.0 t
定員 150 170 170 170 170 170 170 170 170 150
車両番号 11003

11006
12003

12006
13003

13006
14003

14006
15003

15006
16003

16006
17003

17006
18003

18006
19003

19006
10003

10006

10030系

2R車
  モハ11230形
(Mc)
クハ12230形
(Tc3)
搭載機器 CON2・PT SIV・CP
自重 39.5 t 34.5 t
定員 142 142
車両番号 11251

11268
12251

12268
4R車
  クハ11430形
(Tc1)
モハ12430形
(M1)
モハ13430形
(M2)
クハ14430形
(Tc2)
搭載機器   CON1・PT SIV・CP  
自重 29.5 t 39.5 t 39.5 t 29.5 t
定員 142 152 152 142
車両番号 11431

11448
11451

11461
12431

12448
12451

12461
13431

13448
13451

13461
14431

14448
14451

14461
6R車
  クハ11630形
(Tc1)
モハ12630形
(M1)
モハ13630形
(M2)
サハ14630形
(T3)
モハ15630形
(M3)
クハ16630形
(Tc2)
搭載機器   CON1・PT SIV・CP SIV・CP CON2・CP  
自重 29.5 t 39.5 t 39.5 t 33.0 t 38.0 t 29.5 t
定員 142 152 152 152 152 142
車両番号 11631

11644
11651

11668
12631

12644
12651

12668
13631

13644
13651

13668
14631

14644
14651

14668
15631

15644
15651

15668
16631

16644
16651

16668
10R車
  クハ11030形
(Tc1)
モハ12030形
(M1)
モハ13030形
(M2)
サハ14030形
(T1)
モハ15030形
(M3)
サハ16030形
(T3)
サハ17030形
(T2)
モハ18030形
(M1)
モハ19030形
(M2)
クハ10030形
(Tc2)
搭載機器   CON1・PT SIV・CP   CON2・PT SIV・CP   CON1・PT SIV・CP  
自重 29.5 t 39.5 t 39.5 t 28.5 t 38.0 t 33.0 t 28.5 t 39.5 t 39.5 t 29.5 t
定員 142 152 152 152 152 152 152 152 152 142
車両番号 11031
11032
12031
12032
13031
13032
14031
14032
15031
15032
16031
16032
17031
17032
18031
18032
19031
19032
10031
10032

10080系

4R車
  クハ11480形
(Tc1)
モハ12480形
(M1)
モハ13480形
(M2)
クハ14480形
(Tc2)
搭載機器   CON1・PT SIV・CP  
自重 29.5 t 39.5 t 39.5 t 29.5 t
定員 142 152 152 142
車両番号 11080 12080 13080 14080

リニューアル工事

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10000系の就役から23年余り経過し、車体の陳腐化が進んだため、2007年(平成19年)より内装の更新を主眼としたリニューアル工事[11]が開始され、同年1月19日11601Fが津覇車輌工業館林作業所に入場した。同編成を皮切りに2010年(平成22年)までに10000系6R車全9本のリニューアル工事が完了した。その後、工事は10030系に移行し、2011年3月に竣功した11635F[12]を皮切りに順次施工されている。なお、2011年度は20両が施工対象とされている[13]。2012年度の鉄道事業計画によると、2012年度は26両が施工対象となっている。2013年度は26両が対象で、一部車両ではVVVFインバータ制御へ換装する予定となっており[14]テンプレート:要出典範囲

施工内容

先に施工された9000系とほぼ同等の内容である。前述のように本工事は内装関係部品の新製交換による修繕を主眼としたものであり、走行機器の更新は実施されていない。また、比較的経年の浅い10030系の施工内容は10000系と比較してやや簡略化されたものとなっている。

10000系・10030系共通施工内容
  • モハ15600形の浅草側のパンタグラフを撤去。
  • 種別・行先表示器をフルカラーLED式に変更。
  • 全座席の交換(生地色は緑から紫・青)。
  • 座席間にスタンションポール(縦握り棒)を設置。
  • 座席の端部に仕切り板を設置。
  • 客用ドア部分の戸先部に黄色のマーキングを実施(一部編成のみ施工)。
  • 客用ドア上部に車内案内表示装置(3色LED)を左右交互に設置。設置されなかった側は広告枠としている。
  • 天井部に新たに補助送風機(スイープファン)を設置。
  • 前面排障器(8000系と同タイプのもの)の設置。
  • 車椅子スペースの新設。
  • 前照灯HID式に変更。
  • 車外スピーカーの設置。
  • 非常通報装置を乗務員と相互通話可能な対話式に変更
  • 自動放送装置を設置。
10000系のみ施工内容
  • 客用ドアと連結面貫通扉の交換。
  • 連結面貫通扉を全車両に設置(一部編成のみ)。
  • 車端部の座席を4人がけ→3人がけに変更。そのためこの部分の座席幅が大幅に拡大された。
  • 車端部に20000系と同様のデッドスペースの設置。
  • 荷物棚を金網からパイプ式に変更。
  • つり革を○形から△形に変更の上、優先席は黄色のものを使用。部品も新調。
  • パンタグラフをシングルアーム式に換装。
  • 室内灯設備を交換。
  • 天井部冷気吹出し口を、茶色塗装のスポット式から金属製ラインフロー式に交換。
10030系のみ施工内容
  • 連結面貫通扉の撤去、各車2箇所全てに設置していたものを、各車1箇所と半減化。
  • 前照灯と尾灯の位置を左右入れ替え[15]
  • 11632Fの施工以降、通勤形ではLED照明を初採用して消費電力を削減。
  • 11640F+11440Fの施工以降、634型と同様の横長LCD車内案内表示装置を設置。
東上線仕様のみ
  • 6両編成のクハ16630形と、4両編成のクハ11430形の運転台を撤去し、実質10両固定編成化。連結部に転落防止幌を設置。
  • クハ11630形とクハ14430形の電気連結器を撤去し、クハ16630形とクハ11430形をサハ16630形・サハ11430形に形式を変更。
  • 11032Fでは制御装置を界磁チョッパ制御からVVVFインバーター制御に換装。
野田線仕様のみ
  • クハ11630形とクハ16630形の電気連結器及び貫通扉の渡り板、クハ16630形に装着されていた幌を撤去し、6両固定編成化。

諸元

  10000系 10030系
10080系
定員 Tc1,Tc2 150名 142名
Tc3,Mc 150名 152名
その他の車両 170名 152名
自重 Tc1,2 29 t -
M1,2,Mc 39 t -
M3 37.5 t -
T1,2 - 28 t
T3 - 32.5 t
Tc3 - 34 t
車長 20,000 mm
車幅 2,874 mm
車高 4,145 mm
設計最高速度 110 km/h
営業最高速度 100 km/h
起動加速度 2.5 km/h/s
減速度 3.7 km/h/s(常用)
4.5 km/h/s(非常)
歯車比 5.44
冷房能力 10,500 kcal/h×4
(12.2 kW×4)
備考
10080系はTc1,2とM1,2のみ

使用路線

当初は本線系統では伊勢崎線日光線に加え宇都宮線、さらに2R車は亀戸線大師線で、また東上線系統では東上線越生線の全線に渡って使用されていた。

8000系改造車によるワンマン運転実施のため伊勢崎線太田 - 伊勢崎間・宇都宮線・亀戸線・大師線・東上線小川町 - 寄居間・越生線からは撤退しており、本線系統では伊勢崎線浅草 - 太田間・日光線東武動物公園 - 新栃木[16]、東上線系統では東上線池袋 - 小川町間で運用されている。

2013年4月20日より新たに野田線での運用が開始されている[8]

2014年4月には亀戸線や大師線への復帰を考えているためか亀戸線で試運転を実施しているところが確認されている。

脚注

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外部リンク

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  2. 交友社『鉄道ファン』1998年7月号
  3. 2両編成は伊勢崎線・日光線のみ、10両編成は東上線のみで運用されている。
  4. 東武10030系11631編成・11632編成(リニューアル車)が野田線ニューカラーに - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2013年5月26日
  5. 【東武】11631F南栗橋工場出場 - 鉄道ホビダス 2013年8月5日
  6. 東武10030系リニューアル車,本線系統の全編成が野田線へ - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2013年10月8日
  7. 東武10030系11652編成が野田線ニューカラー(?)に - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2013年4月11日
  8. 8.0 8.1 「10000系車両 野田線デビュー記念乗車券」を4月20日(土)より発売します! - 東武鉄道(2013年4月18日)
  9. 50000系列などでの号車番号は伊勢崎寄居方先頭車を1号車としている。
  10. 「Topic Photos 東武10000系2両固定が東上線に転属」 『鉄道ピクトリアル』2008年8月号(通巻806号)p93、電気車研究会
  11. 従来東武鉄道においては車体新製を伴う更新工事を「車体更新」、車体修繕による更新工事を「車体修繕」と称したが、本系列ならびに9000系列における修繕工事については「リニューアル工事」と称する。
  12. 東武10030系リニューアル車が営業運転を開始 rail.jp 2011-03-08
  13. テンプレート:PDFlink - 東武鉄道ニュースリリース 2011年5月31日
  14. テンプレート:PDFlink - 東武鉄道ニュースリリース 2013年4月25日
  15. 6050系や8000系更新車・30000系と同じく前照灯は内側、尾灯は外側に。
  16. 2013年3月のダイヤ改正で南栗橋ー新栃木間は終日4両編成での運用となったため、6R車は現在同区間の運用には使用されていない。