杏林製薬

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テンプレート:Infobox 杏林製薬株式会社(きょうりんせいやく)は、日本キョーリン製薬ホールディングス傘下の中堅医薬品メーカーの一つ。一般的にはキョーリン製薬の名称が用いられる。

沿革

  • 1923年 - 東洋新薬社として創業する。
  • 1931年 - 合資会社杏林化学研究所を設立(由来は神仙伝から、話は杏林大学#概観を参照)
  • 1940年 - 名称を杏林製薬株式会社に変更する。販売部門を杏林薬品株式会社として分離する。
  • 1992年 - 杏林薬品株式会社を合併する。
  • 1994年10月 - 株式会社杏栄ビルを吸収合併する。
  • 1996年 4月 - 日清製粉株式会社の子会社である日清製薬株式会社が第三者割当増資を行い、増資分すべてを当社に引き受けたことによって同社は合弁会社化され、日清キョーリン製薬株式会社に商号変更する(その後、日清製粉株式会社が持株会社制へに移行によって株式会社日清製粉グループ本社に商号変更後に、同社の医薬事業における子会社である日清ファルマ株式会社も出資するようになる)。
  • 1998年8月 - P&Gから日本における「ミルトン」事業を買収(同製品は、旧日本ヴィックスP&Gヘルスケア時代からの商品)。
  • 1999年4月 - 東京証券取引所市場第二部上場
  • 2000年
    • 3月 - 東京証券取引所市場第一部に指定
    • 6月 - 戦略的提携にかかわるアドバイザリーサービスやベンチャー企業向け事業ファンドの運営を行う子会社として、株式会社ビストナーを設立。
  • 2001年2月 - アメリカニュージャージー州に現地法人「Kyorin USA,Inc.」を設立し、同年4月に業務を開始。
  • 2002年3月 - ドイツフランクフルトにヨーロッパにおける現地法人「Kyorin Europe GmbH」を設立。
  • 2003年
    • 1月 - 抗真菌剤アモロルフィン塩酸塩をスイッチOTC化した一般用医薬品「トークール」を発売。併せて、大正製薬株式会社への製品供給も行い、同社では「ダマリンエース」の商品名で同じ日に発売された。
    • 4月 - L-カルボシステインとブロムヘキシン塩酸塩を配合した一般用医薬品の去たん薬を佐藤製薬株式会社、東洋カプセル株式会社との3社共同で開発し、当社は佐藤製薬から製品の供給を受ける形で「クールワン去たんカプセル」を発売(佐藤製薬では「ストナ去たんカプセル」として同じ日に発売)。
  • 2004年12月 - アメリカ・カルフォルニア州のバイオベンチャー企業「ActivX Biosciences, Inc.」の全株式を取得し、当社のアメリカ子会社である「Kyorin Research, Inc.」を同社へ吸収合併して当社の完全子会社化する。
  • 2005年
  • 2006年
    • 3月 - 当社の筆頭株主で、創業家の資産管理会社であった株式会社キョーリン(現・キョーリン製薬ホールディングス株式会社)との株式交換により同社の完全子会社となって持株会社制へ移行。先立って上場を廃止していた当社に代わって株式会社キョーリンが東京証券取引所市場第一部に上場した。併せて、この日からコーポレートマーク&ロゴ及び社名フォントを変更。
    • 10月 - 子会社等(東洋ファルマー株式会社(現・キョーリンリメディオ株式会社)、ドクタープログラム株式会社、株式会社ビストナー[1]、株式会社杏文堂)の支配及び管理にかかる営業を会社分割により株式会社キョーリン(現・キョーリン製薬ホールディングス株式会社)へ承継。これにより、当社はグループ内における創薬ビジネスと医薬事業を手掛ける事業子会社の位置づけとなった。
  • 2008年10月 - 日清キョーリン製薬株式会社を吸収合併。
  • 2011年 4月 - グループでの環境衛生事業への参入に伴い、キョーリンメディカルサプライ株式会社(株式会社杏文堂が親会社のキョーリン製薬ホールディングス株式会社から増資を受けて商号変更)向けの環境衛生製品の製造を開始。
  • 2013年4月 - 開発研究所がグループ会社であるドクタープログラム株式会社の総合研究所と統合し、スキンケア研究所に改称。

帝人との合併構想

2003年4月末までにTOBによって帝人傘下に入り、帝人の医薬品事業グループ(現在の帝人ファーマ)と同年10月末までに合併する経営統合案が2003年1月に発表されたが、両社間の株価比率や3月のガチフロ事件によって、4月23日に両社会見を開き、合併を見送ると発表した。

ガチフロ事件によって、杏林製薬の株価が暴落(1月時点では1800円前後が緊急安全性情報発表後に1000円近辺に下落)した事により、帝人と杏林製薬の企業価値の乖離が広がり、4月の合併比率決定までに妥協点が出なかったとされている。

事業所

  • 本社(東京都千代田区
  • 研究所:創薬研究所、開発研究所(栃木県野木町
  • 工場:岡谷長野県)、能代秋田県
  • 支店:全国13ヶ所
  • 営業所:全国87ヶ所(札幌支店管轄5ヶ所、仙台支店管轄7ヶ所、関越支店管轄7ヶ所、埼玉千葉支店管轄8ヶ所、東京支店管轄9ヶ所、神奈川支店管轄5ヶ所、名古屋支店管轄8ヶ所、京滋北陸支店管轄6ヶ所、大阪支店管轄8ヶ所、兵庫四国支店管轄8ヶ所、広島支店管轄7ヶ所、九州第一支店管轄5ヶ所、九州第二支店管轄4ヶ所)

関連会社

以下の会社は、親会社が同じキョーリン製薬ホールディングス株式会社である兄弟会社である。

  • キョーリンリメディオ株式会社(親会社100%出資)
  • ドクタープログラム株式会社(親会社100%出資)
  • キョーリンメディカルサプライ株式会社(親会社100%出資)
  • キョーリン製薬グループ工場株式会社(親会社100%出資)
  • 日本理化学薬品株式会社(親会社29.2%間接出資)

製品

医療用医薬品

以下は主に販売されている製品。合成抗菌剤を得意とする。

OTC医薬品/消毒剤など

  • クールワンせき止めGX【指定第2類医薬品】 - 2013年7月発売。気道粘膜を修復してたんを出しやすくするL-カルボシステインとせき中枢に直接作用するジヒドロコデインリン酸塩など4種類の成分を配合した鎮咳去痰薬。剤形をカプレットタイプに変更したことで、服用量が「クールワンせき止め」の半分量(1回2錠服用)となり、より服用しやすくなった(製造販売元:テイカ製薬)。
  • クールワン去たんソフトカプセル【第2類医薬品】 - 2003年4月発売。L-カルボシステインとブロムヘキシン塩酸塩のW効果でたんを排出しやすくし、同時にたんの絡んだせきも抑える去たん薬。「クールワンせき止めGX」の発売に合わせ、2013年7月にデザイン基調を統一したパッケージデザインにリニューアルした(製造販売元:佐藤製薬)。
  • クールワン鼻スプレー【第2類医薬品】 - ナファゾリン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ベンザルコニウム塩化物の3成分を配合し、鼻水や鼻づまりに効果がある鼻炎用点鼻薬(製造販売元:佐藤製薬)。
  • クールワン鼻炎ソフトカプセルS【第2類医薬品】- 塩酸ジフェニルピラリンやベラドンナ総アルカロイドなど4成分を配合し、ペパーミントの香りをつけたソフトカプセルタイプの鼻炎用内服薬(製造販売元:東洋カプセル)。
  • クールワン鼻炎チュアブル【第2類医薬品】- d-クロルフェニラミンマレイン酸塩など4成分を配合し、水なしで服用できるチュアブル錠タイプの鼻炎用内服薬(製造販売元:テイカ製薬)。
  • エピアマートS【第2類医薬品】 - 非ステロイド系抗炎症成分ウフェナマートにグリチルリチン酸を加えたダブル抗炎症成分にジフェンヒドラミンを配合した外皮用薬。湿疹・かゆみ・おむつかぶれなどに(製造販売元:資生堂)。
  • トークール【指定第2類医薬品】 - 抗真菌剤アモロルフィン塩酸塩が白癬菌細胞膜合成を2ステップでブロックすることで抗菌力を発揮するクリームタイプの水虫・たむし用薬。
  • トークール液【指定第2類医薬品】 - 抗真菌剤アモロルフィン塩酸塩が白癬菌の細胞膜合成を2ステップでブロックすることで抗菌力を発揮する液タイプの水虫・たむし用薬。
  • トリベミン錠【第2類医薬品】 - 乗物酔いによる諸症状を緩和、予防する乗物酔い薬。6歳から服用できるチュアブル錠(製造販売元:テイカ製薬)。
  • ナチュレアE300【第3類医薬品】 - イノシトールヘキサニコチネート、γ-オリザノール、フルスルチアミン塩酸塩(ビタミンB1誘導体)、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)を配合したビタミンE主薬製剤(製造販売元:テイカ製薬)。
  • ミルトン【第2類医薬品】 - 次亜塩素酸ナトリウム配合で、水で希釈した溶液につけておくだけで消毒・殺菌できる哺乳瓶・乳首・器具用消毒液。押しながら回して開けるチャイルドプルーフキャップを採用。
  • ミルトンCP - ジクロルイソシアヌル酸ナトリウム配合した使いやすいタブレットタイプの除菌剤。乳幼児の手では開けられないチャイルドプルーフシートを採用。以前発売されていた「ミルトンタブレット」と異なり、医薬品ではないのでベビー用品専門店でも購入が可能である。
  • ミルトン専用容器 - 哺乳瓶なら6本入るゆとりのあるサイズで、容器に目盛が付いていて簡単に溶液が作れる専用容器。哺乳瓶などを取り出す際に便利な専用トングが同梱されており、使わないときはふたの裏側に収納することができる。

テレビ提供番組

ミルトンのみ放映する協賛番組

注釈

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外部リンク

  • 株式会社ビストナーは株式会社キョーリンの子会社に移行後、所期の目的を達成したことから同社が運営していたファンドの解散を決定したため、同社も2009年7月で解散