札幌市交通局7000形電車

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テンプレート:鉄道車両 札幌市交通局7000形電車(さっぽろしこうつうきょく7000がたでんしゃ)は、札幌市交通局札幌市営地下鉄)が保有する通勤形電車である。東豊線で営業運転されている。

概要

1988年12月、東豊線栄町駅 - 豊水すすきの駅間の開業に伴って登場した。東豊線用車両は当初、東西線6000系電車を改良・増備の上で東西線と同じ6両編成で運用する計画であったが、車体形状・寸法・定員等の変更が行われることとなり、形式を7000形に改め、編成両数も6両から4両へと変更され、デザインも改められた。

東豊線内には車両基地がなく、東西線沿線に所在する西車両基地に所属することから、同基地への回送時に東西線西11丁目駅 - 西28丁目駅間を走行する。そのため基本的には6000系に準じた設計であるが、壁の厚さを薄くすることで客室内部は6000形よりも広い。さらにシートの奥行を浅くして立席スペースを拡大したため、6000形に比べて定員が増加している。車体が大きくなったために連結部の車両間隔が6000形の約1mから60cmに短縮され、側面ドアは6000形よりも10cm広い140cmとなり乗降がしやすいよう設計されている(ただし、ドアの開閉速度は同じ)。

1994年10月に豊水すすきの駅 - 福住駅間が延長開業し、後期車(3次車)が登場した。延長区間は建設費削減のため小断面トンネルで建設されたことから、3次車とは寸法が異なる(前期車(1・2次車)も小断面トンネル対応改造が行われた)。後期車は札幌市営地下鉄で初めてLED行先表示器車内案内表示器を搭載した。

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最終的には8両編成まで増結可能な設計であるが、2014年時点では以下の4両編成で組成されている。

  テンプレート:TrainDirection
号車 1 2 3 4
車両番号 71XX 72XX 73XX 78XX

両先頭車が制御電動車、中間車が付随車であり、これは東西線6000形の初期の組成と同じである。パンタグラフは73XX(3号車)に2基設置されている。付番方法は東京地下鉄等と同様。(XXが編成番号)

南北線では南(真駒内)方向の先頭車が1号車であるのに対し、東豊線は北(栄町)方向の先頭車が1号車となっている。 テンプレート:-

製造

全車が川崎重工業で製造された。

初期車(1・2次車)

ファイル:Sapporo Subway 7112 20071104 h13.jpg
東豊線7000形2次車7112号車 (2007年11月4日 月寒中央駅)

第1編成(1次車)は試作車として開業の1年前に完成し、東西線で試験運転を実施した。しかし第2編成以降(2次車)も同様の設計・形状となったため、1・2次車の相違はない。車内設備は東西線6000形に近く、水色の化粧板にはスズランライラック牧場イラストが描かれているが、数は多くない。連結部のつり革は6000形の5本に対して6本に追加され、上述のように客用ドア幅も拡大された。塗装はベージュに近い色をベースに、東豊線のラインカラーであるライトブルーの帯が腰部に配されている。

  • 01編成(1次車):1987年(届出・竣工は1988年)
  • 02 - 15編成(2次車):1988年

後期車(3次車)

基本的に1・2次車と車体形状は変わらないが、小断面トンネル対応・CIカラー・先頭車前面のLED式行先表示器・路線図付き車内LED案内表示器(千鳥配列)装備で落成した。車体塗装は1・2次車と異なり、白地を基調に正面非常用貫通扉と側面の客用ドア部分がブルーとされた。座席は肘掛部分の形状が変化し、着席区分が表示されている。車内LED案内表示器は1段表示式で次駅案内やマナー啓発、英語案内などが表示される。後に導入された南北線5000形、東西線8000形は2段表示式に改良された。1・2次車では先頭車前面に札幌市章を掲出していたが、3次車では市交通局のCIマークである「STマーク」に改められた。なお、先頭車STマークが4色カラー表記となっているのは7000形のみである(南北線5000形と東西線8000形はシルバー単色表記)。

  • 16・17編成:1994年4月
  • 18 - 20編成:1994年8月

改造・改良

福住駅延長開業前に、初期車15本に対して小断面トンネル対応改造を施工(札幌交通機械が実施)した。内容は7100形のVHFアンテナ、7300形のパンタグラフ・ヒューズ箱の小型化である。

  • 1993年1月:7112・7312
  • 1993年2月:7106・7306
  • 1993年6月:7115・7315
  • 1993年7月:7108・7308、7109・7309、7110・7310
  • 1993年8月:7102・7302、7105・7305
  • 1993年10月:7101・7301、7107・7307、7113・7313
  • 1993年11月:7104・7304、7111・7311
  • 1993年12月:7114・7314
  • 1994年2月:7103・7303

2007年1月から自動音声による車内放送を開始し、同年7月頃には全ての客用ドアに号車とドア位置を示す点字プレートが取り付けられた。なお、2010年7月時点で連結部の転落防止外幌はどの編成にも設置されていない。

2008年8月頃より1・2次車の座席シートの交換が随時施工され、3次車と同様の着席区分表示が設けられた。

ファイターズ号

2012年3月19日から、プロ野球北海道日本ハムファイターズのロゴマークや選手のデザインでラッピングした車両「ファイターズ号」が716編成にて運行されている。運行期間は約3年間で、2012年の開幕シリーズ最終日の4月1日までは車内広告もファイターズ一色となった[1]2013年にファイターズが北海道誕生10年目の節目を迎えるシーズンに向けデザインをリニューアルし、3月23日から運行を再開する。2013年の本拠地開幕3連戦「OPENING GAMES」最終日の4月7日まで車内は、ファイターズの過去・現在・未来が凝縮された『動くファイターズミュージアム』となる[2]

今後の予定

製造から20年以上が経過し、老朽化により2014年度から2016年度にかけて新形式の9000形に置き換えられ、全車代替廃車される予定である[3]

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

テンプレート:札幌市交通局の車両
  1. 地下鉄東豊線ラッピング車両「ファイターズ号」19日より運行開始 - 北海道日本ハムファイターズ 2012年3月14日
  2. 地下鉄ラッピング車両「ファイターズ号」見学会を実施 - 北海道日本ハムファイターズ 2013年3月22日
  3. 札幌市交通局向け地下鉄電車を受注 - 川崎重工業(2013年05月22日配信) 2014年6月2日閲覧