本吉郡

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宮城県本吉郡の範囲(緑:南三陸町 薄黄:後に他郡に編入された区域)

本吉郡(もとよしぐん)は、宮城県令制国下では陸奥国(のち陸前国)に属す。

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以下の1町を含む。

郡域

明治11年(1878年)に行政区画として発足した当時の郡域は、気仙沼市および登米市の一部(津山町各町)、石巻市の一部(北上町十三浜)にあたる。

歴史

幕末時点では全域が仙台藩領であった。『旧高旧領取調帳』に記載されている村は以下の通り。(33村)

区分 村名 所属代官区 所轄郡奉行
北方
(20か村)
気仙沼本郷・赤岩村・岩尻村・岩月村・歌津村・大島村・唐桑村・小泉村・小原木村・最知村・鹿折村・新城村・月立村・津谷村・長磯村・波路上村・平磯村・馬籠村・松崎村・山田村 気仙沼代官所
(気仙沼本郷)
奥郡奉行
南方
(13か村)
北沢村・南沢村・入谷村・折立村・黄牛村・志津川村・水戸辺村・柳津村・荒戸浜・清水浜・十三浜・滝ノ浜・長清水浜 横山代官所
(北沢村)
中奥郡奉行

町村制施行以前の沿革

  • 明治8年(1875年)10月17日 - 水沢県により下記の村の統合が行われる。(18村)
    • 本吉村 ← 志津川村・荒戸浜・清水浜
    • 戸倉村 ← 折立村・水戸辺村・滝ノ浜・長清水浜
    • 横山村 ← 北沢村・南沢村
    • 麻崎村 ← 柳津村・黄牛村
    • 御嶽村 ← 津谷村・馬籠村・山田村
    • 大谷村 ← 岩尻村・平磯村
    • 階上村 ← 波路上村・岩月村・最知村・長磯村
    • 松岩村 ← 松崎村・赤岩村
    • 新月村 ← 新城村・月立村
  • 明治8年(1875年)11月22日 - 水沢県が磐井県に改称。
  • 明治9年(1876年)4月18日 - 第2次府県統合により宮城県の管轄となる。
  • 明治9年(1876年)11月 - 区の再編にともない、本吉郡は桃生郡牡鹿郡と共に宮城県第5大区となる。
  • 明治11年(1878年)10月21日 - 郡区町村編制法の施行にともない、大区小区制を廃止。郡役所を本吉村(志津川宿)に設置。

町村制施行以降の沿革

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1.麻崎村 2.横山村 3.十三浜村 4.戸倉村 5.入谷村 6.本吉村 7.歌津村 8.小泉村 9.御岳村 10.大谷村 11.階上村 12.松岩村 13.新月村 14.気仙沼町 15.鹿折村 16.唐桑村 17.大島村(紫:石巻市 赤:登米市 桃:気仙沼市 橙:南三陸町)
  • 明治22年(1889年)4月1日 - 町村制施行にともない、以下の町村が発足[1]。(1町16村)
    • 麻崎村 ← 麻崎村(現:登米市)
    • 横山村 ← 横山村(現:登米市)
    • 十三浜村 ← 十三浜(現:石巻市)
    • 戸倉村 ← 戸倉村(現:南三陸町)
    • 入谷村 ← 入谷村(現:南三陸町)
    • 本吉村 ← 入谷村(現:南三陸町)
    • 歌津村 ← 歌津村(現:南三陸町)
    • 小泉村 ← 小泉村(現:気仙沼市)
    • 御嶽村 ← 御嶽村(現:気仙沼市)
    • 大谷村 ← 大谷村(現:気仙沼市)
    • 階上村 ← 階上村(現:気仙沼市)
    • 松岩村 ← 松岩村(現:気仙沼市)
    • 新月村 ← 新月村(現:気仙沼市)
    • 気仙沼町 ← 気仙沼本郷(現:気仙沼市)
    • 鹿折村 ← 鹿折村(現:気仙沼市)
    • 唐桑村 ← 唐桑村、小原木村(現:気仙沼市)
    • 大島村 ← 大島村(現:気仙沼市)
  • 明治27年(1894年)4月1日 - 郡制施行。
  • 明治28年(1895年)10月31日 - 本吉村が町制施行し、志津川町となる。(2町15村)
  • 明治39年(1906年)11月1日 - 麻崎村が町制施行し、柳津町となる。(3町14村)
  • 大正12年(1923年)4月1日 - 郡制廃止にともない郡会を廃止。残務処理のため郡役所は存置。
  • 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所廃止。
  • 昭和16年(1941年)11月3日 - 御嶽村が町制施行し、津谷町となる。(4町13村)
  • 昭和26年(1951年)4月1日 - 鹿折村が町制施行し、鹿折町となる。(5町12村)
  • 昭和28年(1953年)6月1日 - 気仙沼町・鹿折町・松岩村が合併し、気仙沼市が発足。郡より離脱。(3町11村)
  • 昭和29年(1954年)11月3日 - 柳津町・横山村が合併し、津山町が発足。(3町10村)
  • 昭和30年(1955年)2月11日 - 唐桑村が町制施行し、唐桑町となる。(4町9村)
  • 昭和30年(1955年)3月1日 - 志津川町・戸倉村・入谷村が合併し、新制の志津川町が発足。(4町7村)
  • 昭和30年(1955年)3月30日(4町4村)
  • 昭和30年(1955年)4月1日 - 新月村・階上村・大島村を気仙沼市に編入。(4町1村)
  • 昭和34年(1959年)4月1日 - 歌津村が町制施行し、歌津町となる。(5町)
  • 平成17年(2005年)4月1日 - 津山町が登米郡石越町東和町豊里町登米町中田町迫町南方町米山町と合併し、登米市が発足。郡より離脱。(4町)
  • 平成17年(2005年)10月1日 - 志津川町・歌津町が合併し、南三陸町が発足。(3町)
  • 平成18年(2006年)3月31日 - 唐桑町が気仙沼市と合併し、新制の気仙沼市が発足。郡より離脱。(2町)
  • 平成21年(2009年)9月1日 - 本吉町を気仙沼市に編入。(1町)

変遷表

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藩政期 明治8年 明治22年4月1日 明治22年 - 大正15年 昭和元年 - 昭和27年 昭和28年 - 昭和64年 平成元年 - 現在 現在
気仙沼本郷 気仙沼村 気仙沼町 気仙沼町 気仙沼町 昭和28年6月1日
気仙沼市
平成18年3月31日
気仙沼市
気仙沼市
鹿折村 鹿折村 鹿折村 鹿折村 昭和26年4月1日
町制施行 鹿折町
松崎村 松岩村 松岩村 松岩村 松岩村
赤岩村
新城村 新月村 新月村 新月村 新月村 昭和30年4月1日
気仙沼市に編入
月立村
波路上村 階上村 階上村 階上村 階上村
岩月村
最知村
長磯村
大島村 大島村 大島村 大島村 大島村
唐桑村 唐桑村 唐桑村 唐桑村 唐桑村 昭和30年2月11日
町制施行 唐桑町
小原木村 小原木村
津谷村 御嶽村 御嶽村 御嶽村 昭和16年11月3日
町制施行 津谷町
昭和30年3月30日
本吉町
平成21年9月1日
気仙沼市に編入
馬籠村
山田村
岩尻村 大谷村 大谷村 大谷村 大谷村
平磯村
小泉村 小泉村 小泉村 小泉村 小泉村
志津川村 本吉村 本吉村 明治28年10月31日
町制施行 志津川町
志津川町 昭和30年3月1日
志津川町
平成17年10月1日
南三陸町
南三陸町
荒戸浜
清水浜
折立村 戸倉村 戸倉村 戸倉村 戸倉村
水戸辺村
滝ノ浜
長清水浜
入谷村 入谷村 入谷村 入谷村 入谷村
歌津村 歌津村 歌津村 歌津村 歌津村 昭和34年4月1日
町制施行 歌津町
柳津村 麻崎村 麻崎村 明治39年11月1日
町制施行 柳津町
柳津町 昭和29年11月3日
津山町
平成17年4月1日
登米市
登米市
黄牛村
北沢村 横山村 横山村 横山村 横山村
南沢村
十三浜 十三浜 十三浜村 十三浜村 十三浜村 昭和30年3月30日
桃生郡
北上村
昭和37年4月1日
町制施行 北上町
平成17年4月1日
石巻市
石巻市

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行政

  • 歴代郡長
氏名 就任 退任 備考
1 戸沢精一郎 明治11年(1878年)
2 秋山峻 明治16年(1883年)
3 戸沢精一郎 明治22年(1889年) 再任
4 八乙女盛次 明治29年(1896年)
5 今野三朔 明治31年(1898年)
6 大立目謙吾 明治34年(1901年)11月 明治36年(1903年)2月10日
7 菅原通実 明治36年(1903年)2月10日[2] 明治37年(1904年)12月23日
8 飯塚清通 明治37年(1904年)12月23日[3]
9 真殿彬 明治45年(1912年)3月
10 菊池忠良 大正2年(1913年)3月
11 小山田義祐 大正10年(1921年)1月
12 細川荒雄 大正11年(1922年)1月
13 佐藤曾代吉 大正13年(1924年)11月 大正15年(1926年)6月30日

脚注

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参考文献

外部リンク

テンプレート:陸前国の郡

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  1. 町村の統合自体は前日の3月31日付で実施されている。(明治22年(1889年)2月9日付、宮城県令第8号)
  2. 『官報』第5880号、明治36年2月12日。
  3. 『官報』第6447号、明治37年12月24日。