未成線

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テンプレート:国際化 未成線(みせいせん)とは、構想や計画、または建設の段階で中止され、実現しなかった鉄道路線のこと。テンプレート:要出典範囲

概要

テンプレート:出典の明記 当初テンプレート:いつ、狭義の意味で鉄道関係者と一部の趣味人の間でのみ使われた言葉であり、さほど知られていなかったが、1990年代に『鉄道廃線跡を歩く』などの書籍で誤用して使用されたのを受けて、鉄道趣味人の間に認知されるようになった。現在は狭義、そして広い意味で使われる場合も含めて、以下の5つの使われ方があるテンプレート:要出典

  • 鉄道事業者が敷設許可を受けていながら完成させていない路線(本来の意味)
    • 免許線と特許線 - この段階では何も施行されていない
    • 工施線(工事施行認可線) - 工事の認可が下りた路線。用地買収や施行を始めた路線も含む
  • かつて鉄道事業者が免許・特許を持っていながらも失効させた路線
  • 自治体や鉄道会社などが構想を立てながら免許や特許を受けるに至っていない構想路線
    • 却下線 - 申請を却下された路線
    • 構想路線 - 書面の上で検討されただけでの路線
  • 改正鉄道敷設法別表で定められ国や国鉄が建設されることが期待された予定線
    • 予定線 - 法律で定められた予定路線。後に追加されたものも含めて最終的に150線200区間に膨れあがる。
  • 予定線の中で日本鉄道建設公団の手で工事線として敷設されながらも実現しなかった公団線
    • 工事線 - 鉄建公団が工事をしている路線。後に日本国有鉄道清算事業団に継承された。勘違いされやすいが、これはあくまでも「公団線」であって国鉄や「国鉄線」とは無関係である。

もともとは私鉄の未完成路線を指す部内用語として使用していたがテンプレート:要出典、現在では、国鉄・私鉄等の区別なく未完成の鉄道路線を総称する言葉として混用されている。1980年(昭和55年)に制定された日本国有鉄道経営再建促進特別措置法により全国各地で多くの工事が中止となったが、その後、第三セクター鉄道として開業した例もある。例えば、工事が長期間中止になっていた国鉄阿佐線(阿佐西線)を引き継いで建設を進め、2002年(平成14年)に開業した土佐くろしお鉄道阿佐線ごめん・なはり線)がその一例である。

このうち建設中に計画が中止された鉄道路線の場合、その建設地に買収線の敷地や跨線橋・橋台が残っていることがある。道路に転用された場合でも鉄道路線独特の線形が保たれている。そのため、廃線跡と同様に、未成線跡を探訪する鉄道ファンも存在する。

未成線の例

計画中

日本国内

国際線・日本国外


計画中に中止

日本国内

国際線・日本国外

建設中に中止

日本国内


国際線・日本国外

建設終了後に中止

日本国内

  • 油須原線(油須原 - 豊前川崎)この路線の場合、線路自体は完成し後は開業を待つばかりとなった直後に一部区間の廃止が決まったという非常に特殊な例である。

脚注

  1. 「鉄道免許状下付」『官報』1927年9月17日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  2. 「鉄道免許失効」『官報』1930年12月11日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  3. 「軽便鉄道免許状下付」『官報』1913年1月13日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. 「軽便鉄道免許失効」『官報』1915年3月16日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. 「軽便鉄道免許状下付」『官報』1911年12月5日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  6. 「軽便鉄道免許失効」『官報』1914年7月7日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  7. 『地方鉄道及軌道一覧 昭和10年4月1日現在』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  8. 『帝国鉄道年鑑』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  9. 「鉄道免許取消」『官報』1930年12月20日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  10. 「鉄道免許状下付」『官報』1922年10月6日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  11. 「鉄道免許取消並失効」『官報』1938年6月29日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  12. 田尻弘行『宮崎交通鉄道部』ネコパブリッシング、2005年、15-16頁

関連項目