朝鮮民主主義人民共和国国家安全保衛部

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国家安全保衛部朝鮮語국가안전보위부)は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の秘密警察で、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会の直属機関。事実上は朝鮮労働党中央委員会組織指導部の執行機関であるとされる[1]

国家安全保衛部の主任務はスパイ反体制派の摘発である。国外では中国東北地方香港マカオ等でも活動し、脱北者の摘発も行っている。政治犯を収容する管理所の管理業務も行っている。

歴史

1973年内務省(警察担当省庁)に相当する社会安全部から、政治犯を専門とする国家政治保衛部が分離され、部長には金炳夏が任命された。金日成は国家政治保衛部を通して反体制派を粛清し、住民が反抗できないように北朝鮮社会に恐怖感を作り出した。その後、弾圧の行き過ぎを感じ取った金日成は、責任を金炳夏に負わせて粛清した。

1982年、国家政治保衛部から「政治」の言葉が外され、国家保衛部に改称された。部長には李鎮洙が任命されたが、部の全般的な指導は金日成の後継者として台頭してきた金正日が行った。

1987年の李鎮洙死亡以後は部長は任命されず、部の実務は第一副部長のキム・ヨンリョンが担当することになる。しかし1998年、キム・ヨンリョンは、金正日から反革命分子のレッテルを貼られ自殺した。この間の1993年に国家保衛部は国家安全保衛部に改称されている。

金日成死去後に金正日体制が確立してからも国家安全保衛部長職は永らく空席で、金正日が直接この機関を指揮・指導し、実務は国家安全保衛部第一副部長の禹東測が取仕切っていた。

2011年に金正日が死去して金正恩体制が発足すると、2012年4月に金元弘が国家安全保衛部長に就任した。

歴代部長

  • 金炳夏 (1973年 - 1982年2月)
  • 李鎮洙 (1982年 - 1987年10月)
  • 金正恩 (2011年4月19日 - 2012年)
  • 金元弘 (2012年 -)

出典

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関連項目

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  1. 拷問、犬刑、密告、政治収容所 恐怖支配強まる金正恩の北朝鮮3 産経ニュース 2013年12月23日