星になった少年

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テンプレート:Infobox Film星になった少年』(ほしになったしょうねん)は、2005年7月16日に公開された日本映画

概要

ゾウ使いを目指してタイ留学し修行を積んだが、交通事故により20歳の若さで夭折した坂本哲夢1972年 - 1992年)の半生・家族や動物達との交流を描いた、実話にもとづく作品。坂本哲夢の母・坂本小百合の著書『ちび象ランディと星になった少年』を原作とした映画化作品。

誰も知らない』でカンヌ国際映画祭男優賞を獲得し一躍注目を集めた柳楽優弥の主演第2作。

地上波放送では全編日本語となっているが、柳楽の台詞はタイ編での会話はもちろん、ゾウへの指示もタイ語となっている。

あらすじ

舞台となる「小川動物プロダクション」は、千葉県東金市にて、家族経営により営まれている動物プロダクションである。敷地内では、ウマチンパンジーライオンなど、主にマスメディアに登場する動物を飼育している。

ある日、主人公・小川哲夢の母・佐緒里は、念願であったゾウを飼うことを家族に打ち明ける。借金を抱えていた小川動物プロダクションは、数頭の動物を売却し、アジアゾウの「ミッキー」「ランディ」「ミニスター」を購入した。

これにより、哲夢は、ゾウに強い関心を持つようになる。飼育員からのアドバイスにてゾウ使いの存在を知り、自らもそれを目指してタイに向かう。

タイのゾウ訓練センターに入学した哲夢は、最初の頃、ゾウとなかなか良好な関係を築けなかった。仲間からバカにされつつも訓練に励む。様々な困難を乗り越え、1年半後にはゾウ使いとなり、タイを去る。

帰国した哲夢は、1992年高等学校入学するも、授業に関心が持てない。休学して、家業に精励、ゾウ使いとして活躍する。

  • ある映画撮影で、太平洋戦争中、軍部の要求により、殺処分を目的として毒入り(撮影では毒なし)のジャガイモを与えられたゾウが、それを食べずに投げ返すという、非常に困難な芸を要求された。周囲はあきらめかけていたが、哲夢はランディに対してその芸を仕込み、見事に成功させた。
  • 1992年8月には、群馬県榛名町(現在の高崎市)で、日本初のぞうさんショーを開催する。
  • イベントで出会った少女(村上絵美)と関係を深めていく。

ゾウ使いとして順調と思えた哲夢であったが、1992年11月交通事故により急逝する。

この後、小川動物プロダクションは、市原市へ移転を進める。

2005年夏、タイの山奥にて、かつて哲夢と共にゾウの調教を学んだ仲間は、幼いゾウに「テツ」と名付けた。

原作との相違点

  • ゾウが初めて小川動物プロダクションにやってきたのは1989年となっているが、原作では1983年である。
  • 原作で、哲夢は、タイのゾウ訓練センターに入学する前、小学校夏休み期間中に1度タイを訪れ、ゾウ使いに関心を持つこととなるが、そのシーンがない。
  • 原作では、留学中のことがほとんど描かれていない。
  • 哲夢は高等学校を休学するが、原作では、最終的に退学してしまう。
  • 小川動物プロダクションで飼育するゾウの数は、最終的に7頭となるが、原作では4頭である。
  • 哲夢は原動機付自転車を運転中、交通事故に遭うが、原作では自動車である。
  • 小川動物プロダクションは、哲夢の死後、市原市へ移転するが、原作では生前に移転している。

キャスト

スタッフ

その他

  • 主演の柳楽は、物語の舞台となったタイへ行き、ゾウ訓練センターで10日間役作りのため勉強をした。その最中、川で着衣したままゾウに落とされ体が重くなってしまい、溺れかけたエピソードがある。
  • 映画に登場したアジアゾウの「ランディ」及びチンパンジーの「スマイル」は、市原ぞうの国で暮らしている。[1]なお、映画では、ランディ役の一部を同園のマミーが演じている。

脚注

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関連項目

外部リンク

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  1. どうぶつ紹介 – 市原ぞうの国