早坂隆

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テンプレート:Infobox 作家 早坂 隆(はやさか たかし、1973年9月2日 - )は日本ノンフィクション作家ルポライター日本文藝家協会会員。

来歴

愛知県岡崎市出身。実業家・早坂力の曾孫、俳人・金子兜太とは親戚関係にある。愛知県立岡崎北高等学校帝京大学文学部心理学科、日本エディタースクール(ジャーナリスト文章コース)卒業。

作品

海外ノンフィクション

20代の頃はイラクやパレスチナ、旧ユーゴスラビアといった紛争地の取材を中心に行っていた。ルーマニアに2年間滞在。「地下生活者たちの情景 〜ルーマニア・マンホールピープルの記録」で第12回週刊金曜日ルポルタージュ大賞優秀賞を受賞。同作は後に『ルーマニア・マンホール生活者たちの記録』(現代書館、中公文庫)として刊行された。元々は左派色が見られたが、その後、保守論壇誌を中心とした執筆活動に転じた。[1]

ジョーク関連

世界各地で集めたジョークに関する著作も多い。2006年に刊行した『世界の日本人ジョーク集』はジョーク集としては異例の75万部を超えるベストセラーになった。[2]世界一受けたい授業」「王様のブランチ」などの番組にも出演[3]。シリーズ累計は100万部を突破している[4]

近代史関連

日中戦争、太平洋戦争に関する著作が多数ある。

『戦時演芸慰問団「わらわし隊」の記録』(中公文庫)では、演芸慰問のために戦場にまで足を運んだ「わらわし隊」の軌跡を、膨大な資料と証言から再現した。『指揮官の決断 満州とアッツの将軍 樋口季一郎』(文春新書)では、杉原千畝の他にも「日本人によるユダヤ人救出劇」があったことを指摘し、アッツ島の戦闘においても新たな光をあてた。また、『松井石根と南京事件の真実』(文春新書)では、「昭和史のタブー」とされてきた陸軍大将・松井石根の生涯を通じて南京事件の全貌に迫り、南京大虐殺論争に一石を投じた[5]

スポーツ関連

『昭和十七年の夏 幻の甲子園』(文藝春秋)では、戦時中の1942年の夏に、朝日新聞ではなく文部省の主催で行われた中等野球大会の詳細を、当事者たちからの聞き取りによって浮き彫りにした。2010年8月、NHKドキュメンタリー「幻の甲子園」として番組化。2011年、第21回ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞[6]。第2回サムライジャパン野球文学賞ベストナイン賞受賞。

賞歴

  • 2002年 - 週刊金曜日ルポルタージュ大賞優秀賞
  • 2011年 - ミズノスポーツライター賞最優秀賞
  • 2011年 - サムライジャパン野球文学賞ベストナイン賞

著作

  • 『僕が遍路になった理由』(連合出版)
  • 『素顔のイラク』(連合出版)
  • 『ルーマニア・マンホール生活者たちの記録』(中公文庫)/第12回週刊金曜日ルポルタージュ大賞優秀賞
  • 『世界の紛争地ジョーク集』(中公新書ラクレ)
  • 『世界反米ジョーク集』(中公新書ラクレ)
  • 『祖父の戦争』(幻冬舎文庫)
  • 『世界の日本人ジョーク集』(中公新書ラクレ)
  • 『日本の戦時下ジョーク集 満州事変・日中戦争篇』(中公新書ラクレ)
  • 『日本の戦時下ジョーク集 太平洋戦争篇』(中公新書ラクレ)
  • 『兵隊万葉集』(幻冬舍新書)
  • 『中国人vs日本人』(ベスト新書)
  • 『世界のイスラムジョーク集』(中公文庫)
  • 『続・世界の日本人ジョーク集』(中公新書ラクレ)
  • 『知的な者ほどよく笑う』(中央公論新社)
  • 『戦時演芸慰問団「わらわし隊」の記録』(中公文庫)
  • 『指揮官の決断 満州とアッツの将軍 樋口季一郎』(文春新書)
  • 『昭和十七年の夏 幻の甲子園』(文藝春秋、文春文庫)/第21回ミズノスポーツライター賞最優秀賞。第2回サムライジャパン野球文学賞ベストナイン賞受賞。NHKドキュメンタリー「幻の甲子園」として番組化。
  • 『松井石根と南京事件の真実』(文春新書)
  • 『100万人が笑った!「世界のジョーク集」傑作選』(中公新書ラクレ)
  • 『鎮魂の旅 大東亜戦争秘録』(中央公論新社)
  • 『戦場に散った野球人たち』(文藝春秋)

共著

  • 『文筆生活の現場 ライフワークとしてのノンフィクション』(中公新書ラクレ)

脚注

  1. BOOKSCAN 著者インタビュー
  2. BOOKSCAN 著者インタビュー
  3. 日本テレビHP
  4. BOOKSCAN 著者インタビュー
  5. 本の話WEB
  6. 公益財団法人ミズノスポーツ振興財団

外部リンク