文藝賞
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テンプレート:出典の明記 文藝賞(ぶんげいしょう)は、河出書房新社が1962年に設立した文学賞で、以降年一回発表されている。
目次
概要
受賞は選考委員の合議によって決定され、受賞者には正賞として記念品、副賞として50万円が授与される。受賞作は同社が発刊している文学雑誌『文藝』に掲載されるほか、単行本としても刊行される。締め切りは毎年の3月末日となっている。
第2回までは「長編部門」・「中・短編部門」・「戯曲部門」の3部門制をとっていた。また、1967年度には「河出長編小説賞」が存在した。
河出書房新社は同賞を小説ジャンルにおける「新人の登竜門」と位置づけて未発表の小説原稿を募集している。2000年頃から中高校生の受賞が顕著になり、それ以降の低年齢作家ブームの先駆けとされる。特に第42回には三並夏が中学3年生(発表時15歳)で受賞し、それまでで最年少の受賞者として話題を呼んだ。最終選考に残った3作品が全て受賞となることもあるなど、積極的に授賞が行われている。
受賞作一覧
第1回から第10回
- 第1回 (1962年)
- 第2回 (1963年)
- 第3回 (1964年) 受賞作なし
- 佳作 北小路功光 「ミクロコスモス」
- 第4回 (1966年) 金鶴泳 「凍える口」
- 佳作 加藤敦美 「大山兵曹」
- 第5回 (1967年) 受賞作なし
- 第6回 (1969年) 受賞作なし(野中周平が受賞辞退)
- 第7回 (1970年) 黒羽英二 「目的補語」・小野木朝子 「クリスマスの旅」
- 第8回 (1971年) 本田元弥 「家のなか・なかの家」・後藤みな子 「刻を曳く」
- 第9回 (1972年) 尾高修也 「危うい歳月」
- 第10回 (1973年) 受賞作なし
第11回から第20回
- 第11回 (1974年) 小沢冬雄 「鬼のいる杜で」
- 第12回 (1975年) 阿嘉誠一郎 「世の中や」
- 第13回 (1976年) 外岡秀俊 「北帰行」
- 第14回 (1977年) 星野光徳 「おれたちの熱い季節」・松崎陽平 「狂いだすのは三月」
- 第15回 (1978年) 黒田宏治郎 「鳥たちの闇のみち」
- 佳作 小林景子 「回帰点」
- 第16回 (1979年) 冥王まさ子 「ある女のクリンプス」・宮内勝典 「南風」
- 第17回 (1980年) 青山健司 「囚人のうた」・田中康夫 「なんとなく、クリスタル」・中平まみ 「ストレイ・シープ」
- 第18回 (1981年) 堀田あけみ 「1980アイコ十六歳」・ふくださち 「百色メガネ」・山本三鈴 「みのむし」
- 第19回 (1982年) 柳川春町 「日曜日には愛の胡瓜を」
- 第20回 (1983年) 若一光司 「海に夜を重ねて」・山本昌代(東斎屋金魚から改名) 「応為坦坦録」
第21回から第30回
- 第21回 (1984年) 平中悠一 「She's rain」・渥美饒兒 「ミッドナイト・ホモサピエンス」
- 第22回 (1985年) 山田詠美 「ベッドタイムアイズ」
- 第23回 (1986年) 岡本澄子 「零れた言葉」
- 佳作 梅田香子 「勝利投手」
- 第24回 (1987年) 笹山久三 「四万十川 あつよしの夏」
- 佳作 久間十義 「マネーゲーム」
- 第25回 (1988年) 長野まゆみ 「少年アリス」・飯嶋和一 「汝ふたたび故郷へ帰れず」
- 第26回 (1989年) 比留間久夫 「YES・YES・YES」・ 結城真子 「ハッピーハウス」
- 第27回 (1990年) 芦原すなお 「青春デンデケデケデケ」(直木賞)
- 第28回 (1991年) 川本俊二 「Rose」・吉野光 「撃壌歌」
- 第29回 (1992年) 三浦恵 「音符」
- 佳作 真木健一 「白い血」
- 第30回 (1993年) 受賞作なし
第31回から第40回
- 第31回 (1994年) 雨森零 「首飾り」
- 第32回 (1995年) 伊藤たかみ 「助手席にて・グルグル・ダンスを踊って」
- 第33回 (1996年) 受賞作なし
- 第34回 (1997年) 鈴木清剛 「ラジオデイズ」、星野智幸 「最後の吐息」
- 第35回 (1998年) 鹿島田真希 「二匹」
- 第36回 (1999年) 濱田順子 「Tiny,tiny」
- 第37回 (2000年) 黒田晶 「メイドインジャパン」
- 優秀作 佐藤智加 「肉触」
- 第38回 (2001年) 綿矢りさ 「インストール」
- 第39回 (2002年) 中村航 「リレキショ」・岡田智彦 「キッズ アー オールライト」
- 第40回 (2003年) 羽田圭介 「黒冷水」・生田紗代 「オアシス」・伏見憲明 「魔女の息子」
第41回から第50回
- 第41回 (2004年) 白岩玄 「野ブタ。をプロデュース」・山崎ナオコーラ 「人のセックスを笑うな」
- 第42回 (2005年) 青山七恵 「窓の灯」・三並夏 (最年少受賞)「平成マシンガンズ」
- 第43回 (2006年) 荻世いをら 「公園」・中山咲 「ヘンリエッタ」
- 第44回 (2007年) 磯﨑憲一郎 「肝心の子供」・丹下健太 「青色讃歌」
- 第45回 (2008年) 喜多ふあり 「けちゃっぷ」・安戸悠太 「おひるのたびにさようなら」
- 第46回 (2009年) 大森兄弟 「犬はいつも足元にいて」・藤代泉 「ボーダー & レス」
- 第47回 (2010年) 受賞作なし[1]
- 第48回 (2011年) 今村友紀 「クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰」
- 第49回 (2012年) 谷川直子 「おしかくさま」
- 第50回 (2013年) 桜井晴也 「世界泥棒」
選考委員
- 第1回から第2回(中・短編部門) - 寺田透・中村真一郎・野間宏・埴谷雄高・福田恆存
- 第3回 - 椎名麟三・本多秋五・松本清張・三島由紀夫・山本健吉
- 第4回から第5回 - 安部公房・江藤淳・小島信夫・武田泰淳・吉行淳之介
- 第6回-野間宏、武田泰淳、江藤淳、福永武彦、小島信夫
- 第7回から第8回-野間、武田、江藤、小島
- 第9回から第21回 - 江藤淳・小島信夫・島尾敏雄・野間宏
- 第22回から第25回 - 江藤淳・河野多恵子・小島信夫・野間宏
- 第26回から第29回 - 江藤淳・大庭みな子・河野多恵子・小島信夫
- 第30回から第32回 - 江藤淳・大庭みな子・小島信夫・瀬戸内寂聴
- 第33回 - (江藤淳[2])、金井美恵子・島田雅彦・田中康夫・橋本治
- 第34回 - 金井美恵子・島田雅彦・田中康夫・橋本治
- 第35回から第36回 - 笙野頼子・長野まゆみ・久間十義・松浦理英子
- 第37回から第38回 - 石川忠司・多和田葉子・藤沢周・保坂和志
- 第39回から第40回 - 斎藤美奈子・田中康夫・藤沢周・保坂和志
- 第41回から第42回 - 角田光代・斎藤美奈子・高橋源一郎・田中康夫
- 第43回から第44回 - 角田光代・高橋源一郎・藤沢周・保坂和志
- 第45回から第46回 - 斎藤美奈子・田中康夫・藤沢周・保坂和志
- 第47回から48回 - 角田光代・斎藤美奈子・高橋源一郎・田中康夫
- 第49回から50回 - 角田光代・高橋源一郎・星野智幸・山田詠美
- 第51回から - 藤沢周・保坂和志・星野智幸・山田詠美