文教堂

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テンプレート:Infobox テンプレート:Infobox 株式会社文教堂グループホールディングス(ぶんきょうどうグループホールディングス、Bunkyodo Group Holdings Co., Ltd.)は、書店等を経営する日本小売業である文教堂グループの持株会社。旧・株式会社文教堂が、2008年平成20年)に持株会社となった際に商号変更したもの。

新設された(新)株式会社文教堂が経営する文教堂書店(ぶんきょうどうしょてん)は、日本最大の直営書店チェーンである。

会社概要

持株会社

1949年昭和24年)12月に、神奈川県川崎市にて、株式会社島崎文教堂として設立。1978年(昭和53年)4月から、「文教堂書店」のチェーン展開を始め、東急田園都市線沿線や神奈川県内を中心に店舗を増やした。1993年平成5年)11月に、株式会社文教堂商号を変更。翌1994年(平成6年)の7月には、日本証券業協会に株式を店頭登録した(現・ジャスダック上場)。

2008年(平成20年)3月1日に、会社分割を実施し、書店事業を新設の株式会社文教堂に承継させて、持株会社化。3月3日に、商号を株式会社文教堂グループホールディングスに変更している。2期連続の赤字という業績低迷から脱却するため、2008年(平成20年)12月1日に、トーハンを引受先とする第三者割当増資(議決権・転換権なき優先株式)を実施する[1]2009年(平成21年)9月には筆頭株主だった前会長がジュンク堂書店に株を売却し、同社が筆頭株主となり[2]2010年(平成22年)5月15日にはジュンク堂の親会社でもある大日本印刷に対して総額12億円の第三者割当増資(議決権35.77%)を31日付で実施すると発表、ジュンク堂と合わせて51.85%となることから大日本印刷の連結子会社となる予定である[3]

子会社

  • 小売業
    • 株式会社文教堂 - 2008年3月1日新設の「文教堂書店」を運営する会社。
    • 有限会社シマザキ - 旧有限会社シマムラ
    • ジェイブック株式会社 - 1999年に新設、インターネット通販
    • 株式会社ブックストア談 - 旧株式会社エイシンを買収した後、商号変更。リーブルあざみ株式会社と有限会社ロイヤルブックスを吸収合併
  • 販売受託業
    • 株式会社文教堂販売
    • 有限会社文教堂サービス

グループ展開店舗

実店舗のほか 1999年(平成11年)2月には大手出版社取次会社などとともにジェイブック株式会社(当初本社を KSP 内に置くが、後に文教堂本社ビルに近い久本3-3-18 に移転)を設立、その 2年ほど後からインターネット通信販売事業を展開している。

店舗の大部分は直営だが、近年はコンビニエンスストアスリーエフとの共同店舗出店を開始し、2004年(平成16年)からは大手レンタルビデオチェーン・ゲオと包括的な業務提携を行い共同店舗を展開する、新橋店など都市型店舗では大手喫茶店チェーンを誘致するといった、他業種との複合出店にも行っている。

また近年になると書籍雑誌のほか、CDDVD文具ホビー商品などのいわゆるコンテンツ関連を中心とした商品の拡販も志向しているが、その際に当初は通販で取り扱いはじめ、一部の既存実店舗へと徐々に拡げるといった協業も行っている。

主要店舗は、溝ノ口本店、渋谷店、赤坂店、霞ヶ関店など。また「ブックストア談」(—だん)をグループ下に置いている。

文教堂書店

ファイル:Mizonokuchi Bunkyodo 2007.jpg
溝ノ口本店(2007年6月2日撮影)。2007年5月18日に移転開業。撮影時の店舗部分は1階と2階、その後3階部分も営業開始

溝口大山街道沿い商店街に店舗を構える書店に端を発し、後に直営で多店舗展開。関東地方を中心に、北海道から大阪府までに 220店あまりを展開し、店舗数・売場面積ともに全国の約3%を占める日本最大の書店チェーンに成長した。

駅前商店街などに中小規模店舗を展開する業態が中心で、一般書や雑誌などの売上に強みを持つが、近頃は溝ノ口本店、渋谷店など都市部の主要商業地や駅ビルなどに売場面積の大きい店舗を出店しており、それらの大型店では専門書の取り扱いもしている。また港北ニュータウン北海道などで郊外型店舗の展開も行う。

2003年(平成15年)2月より「ベストセラー創造プロジェクト」を展開する。文庫本などで発行から数年経過したもののうち、有望な作品について全店一斉に店頭 POP などを活用した販促展開をする手法により、過去の作品の計画的な仕入れと効果的な販売が可能な体制を整備するものである。また全店に在庫管理対応 POS 端末を導入して各店々頭で全店の在庫を即時確認できるようにしたり、店舗と通販部門の在庫を相互融通することより商品調達力を上げている。「BIGNET2」(雑誌売上公開)や「JAPAN BOOK CHART」(当日その時点での全店売上ランキングウェブサイト上で即時公開する)など、顧客との接点である店舗数や取扱部数の多さを活かした販促および版元との関係強化にも努める事業展開を行っている。

ブックストア談

かつてポーラ化粧品本舗(現・ポーラ)の鈴木常司会長が、読書好きが高じて興した事業で、実質持株会社・有限会社忍総業の完全子会社エイシンが事業展開していた。都心部に大型店を展開する業態で、8店舗で年商75億8千万円を上げた。

鈴木会長没後の2002年(平成14年)、親会社の経営方針変更にあたり本業と関係の薄い当事業が手放されることとなったが、その際にブックストア談の事業を評価していた文教堂が、忍総業よりエイシンの全株式を取得して完全子会社化、社名は「株式会社ブックストア談」に改めた。子会社化後も店舗・屋号・従業員はそのまま引き継がれたが、浜松町店は2010年8月に、錦糸町店は2011年4月14日に文教堂に改称された。プレナ幕張内にあった幕張店はくまざわ書店に譲渡された。

アニメガ

アニメショップとしてアニメガを展開。一号店として武蔵境駅前店を独立店舗として開店、以降の展開は文教堂内への併設をメインに行っている。

沿革

  • 1898年明治31年) - 創業。
  • 1949年昭和24年) - 株式会社島崎文教堂として設立。
  • 1993年平成5年) - 株式会社文教堂に商号変更。
  • 1994年(平成6年) - 店頭市場(現・ジャスダック)に株式公開。
  • 2000年(平成12年)8月 - 北海道で多店舗展開していた「株式会社本の店岩本」の販売部門の大半の営業の譲渡を受ける[4]
  • 2008年(平成20年) - 持株会社化し、株式会社文教堂グループホールディングスに社名変更。あわせて、書店を運営する株式会社文教堂を設立。

店舗

17都道府県に186店舗を展開する。大半の店舗は首都圏1都3県と北海道に集中しており、特に本社のある神奈川県には全店舗数の約3分の1にあたる60店舗を出店している。店舗網は東日本に偏っており、東日本の未進出地域は岩手県群馬県山梨県[5]長野県の4県である一方で、西日本への出店は愛知県京都府大阪府福岡県の計8店舗しかない。首都圏ではとうきゅう(東急ストア)への、他の地域でもコジマへのテナント出店等の業態が多く見られる。

全店舗のうち首都圏を中心とした15店舗はスリーエフとの共同店舗 (FC)、5店舗はゲオとの共同店舗(書店部分のみ直営)。

店頭で雑誌を購入すると電子版を利用できる『空飛ぶ本棚』を実施している[6]

通販専門の「ジェイブック」 (JBOOK)を運営していたが、2014年7月にjbookは終了しhontoに統合された[7]

各店舗の詳細は公式サイト「店舗案内」を参照。

出典・脚注

  1. 文教堂、トーハンに7億円の第三者割当増資 NIKKEI NET・2008年11月10日
  2. ジュンク堂が文教堂の筆頭株主に,フジサンケイビジネスアイ,2009年9月14日
  3. DNP、文教堂を子会社化、ITmedia、2010年5月14日
  4. “「本の岩本」営業譲渡 積極投資が経営圧迫 取次店も体力消耗 シェア争い曲がり角”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2000年8月18日)
  5. かつて進出していたが2005年の甲府店閉店を最後に撤退。
  6. 文教堂、紙雑誌購入で電子版を無料提供「空飛ぶ本棚 sky storage service」eBook USER 2013年11月27日
  7. jbookとのサービス統合のお知らせ honto

外部リンク