意匠法

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テンプレート:Infobox 意匠法(いしょうほう)は、工業上利用できる物品の形状、模様若しくは色彩などの形態で処理された視覚を通じて生じる美感の保護及び利用を図ることによって、意匠の創作を奨励し、もって産業の発達に寄与することを目的とする法律の総称である。

意匠法は日本や欧州等で設けられているが、その保護客体が創作物か又は創作の結果物かにより各国でまちまちで統一的な見解がなく世界統一条約は存在しない。すなわち、意匠権は創作保護のために付与されるのか、意匠の取引秩序維持若しくは競業秩序維持のために付与されるのかに大きく分かれている。米国はパテント・アプローチであり、欧州共同体意匠規則はバッシングオフ・アプローチであるといわれている。コピーライト・アプローチは旧ドイツ意匠法で採用していたが2005年に廃止した。

なお、日本の意匠法 (昭和34年4月13日法律第125号)では、「意匠の保護及び利用を図ることにより、意匠の創作を奨励し、もって産業の発達に寄与することを目的とする」(1条)。また、意匠は物品と一体不可分であり、物品が異なれば同一形態でも意匠は異なったものとなるため、技術的思想の創作である発明や考案と異なって技術的に進歩するものではない。また、意匠は視覚で認識される美感であるため、流行性に富み、模倣盗用されやすい。また、商標のような目印となる場合もあるがそれは二次的なものである。このようなことから、日本意匠法は創作的アプローチをしているために特許法の準用規定が多い。日本では特許庁が創作保護に比重を置いて意匠権を付与するが、一旦発生した意匠権の保護は裁判所が市場規制に比重を置いて判断する傾向が強い。

関連項目

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