情報処理システム

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テンプレート:出典の明記 情報処理システム(じょうほうしょりシステム、: information processing system)とは、情報処理をおこなうシステムである。

法令による定義

法令において情報処理システムは、「電子計算機及びプログラムの集合体であつて、情報処理の業務を一体的に行うよう構成されたものをいう。」(情報処理の促進に関する法律第20条第5項)と説明されている。情報処理システムのことを電子情報処理組織(でんしじょうほうしょりそしき)と呼称する場合もある。

企業内の情報処理システム

明確な定義は存在しないが、一般的には企業内に構築されている情報処理システムは、主たる機能と運用方法の違いによって以下の2つのシステムに分けて扱われることが多い。

基幹系システム
基幹系システムは、企業の主たる業務の情報処理を支えるためのコンピュータシステムであり、銀行業では勘定系システム、製造業では受注・生産・配送計画システムや会計システム、運輸では運行管理システムなどを指す。
情報系システム
情報系システムは、主たる業務に付随した情報処理を行うためのコンピュータシステムであり、経営判断をサポートする目的で基幹系システム内部や別途に構築したデーターベースを分析して報告書を作成するシステムや人事管理システム、企業内ネットワーク/電子メール/Web/デジタル電話/会議システムなどを指す。

企業に情報処理システムが本格的に導入されはじめた1970-1980年代には、まず最初に基幹系システムの採用から始まり、情報系システムはそれに続くのが一般的であった。そのような時期は基幹系がミッションクリティカル・システムと呼ばれて重視され、情報系はあくまでも補助的な役割でしかなかった。やがてコンピュータの普及と共に、単独だったワープロがネットワークで結ばれるなど情報系システムの利用形態が多様化し、20世紀末から21世紀初頭現在では基幹系と情報系は共に企業活動に欠かせない重要な構成要素となっている。また、製造業や流通販売業などの一般的な私企業では、主たる業務の根幹が企業内外のネットワークシステムに強く依存しているなど、基幹系と情報系を分ける意味が徐々に小さくなっている。

歴史

コンピュータ技術の進歩とともに情報処理システムにおけるコンピュータ利用法も変化を遂げてきた。

情報処理の黎明期

初期の情報処理システムでは一つのホストコンピュータが情報を集中管理する「集中処理型」で、通信回線で結ばれた複数のユーザが共有していた。この頃は専ら手順の決まった同じ処理を繰り返す「定型処理」の形式であった。当時はホストコンピュータにデータを一括入力し数時間後に結果を得るバッチ処理とよばれる方式であった。

ネットワーク

やがて、ワークステーションパソコンなどの小型コンピュータを個人で使えるようになり、パソコン通信インターネットが一般化すると各個人の小型コンピュータを利用してネットワークが作られるようになった。ネットワーク上に各種サービスを提供するサーバと依頼者である小型コンピュータのクライアントによるクライアントサーバシステムに代表される分散処理型が脚光を浴びる。 また、コンピュータの一般化により文章作成、ブラウザ、電子メールなどの多様な処理に対応する多目的な「非定型処理」が生まれた。

ユビキタス社会

今日では冷蔵庫やエアコンなどの家電などをネットワークに接続し、制御を行うことが可能となった。時間と場所を選ばずにコンピュータネットワークを利用できるユビキタス社会の到来である。

関連項目