徳弘正也

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テンプレート:Infobox 漫画家 テンプレート:Sidebar with collapsible lists 徳弘 正也(とくひろ まさや、1959年3月1日 - )は、日本漫画家高知県長岡郡大豊町出身。男性。高知県立高知小津高等学校を経て、四国学院大学卒業。自称「土佐の暴れん坊」。代表作に『ジャングルの王者ターちゃん♡』、『狂四郎2030』など。

来歴

「漫画の神様」と呼ばれた手塚治虫に憧れ、漫画家を志す。1982年、第17回赤塚賞佳作(『美女は肉料理がお得意』)を経て、翌年1983年から集英社発行の『週刊少年ジャンプ』で連載された『シェイプアップ乱』で漫画家生活のスタートを切る。下ネタを含んだ過激なギャグが売り物だったが、人間ドラマを組み合わせた話もあり、のちのストーリーテラーとしての片鱗を見せている。

2作の連載を挟んで1988年から連載された『ジャングルの王者ターちゃん♡』(途中より『新ジャングルの王者ターちゃん♡』に改題)では、当初のギャグ漫画から当時の『ジャンプ』の意向だった格闘漫画路線への変更を余儀なくされるが、従来のギャグ漫画路線に格闘漫画の要素を折り込んで高い人気を獲得し、7年間の長期連載となった(このセンスは当時アシスタントだった尾田栄一郎の『ONE PIECE』にも活かされている。ちなみに尾田は徳弘を「本当のプロ」、「一生の恩人」と慕っている)。

その後、活躍の場を青年漫画一本に絞り、『週刊少年ジャンプ』の派生誌で青年漫画雑誌の『スーパージャンプ』に完全移籍し、1997年から2004年にかけて『狂四郎2030』を連載する。従来の持ち味の他に、人間の尊厳に入り込んだ内容に評判が集まった。2008年から2年間連載された『ふぐマン』では下ネタギャグを交えた人間ドラマ作品に原点回帰したが、打ち切られてしまった。

『ふぐマン』終了後、デビューから長年執筆してきた集英社の雑誌から離れ、小学館発行の『ビッグコミックスペリオール』で2010年9月より2013年5月まで『亭主元気で犬がいい』を連載したが、2013年7月からは再び集英社に戻り、『スーパージャンプ』後継誌の『グランドジャンプ』で『黄門さま〜助さんの憂鬱〜』の連載を開始している。

人物

  • やり過ぎとも言えるほどの過激な下ネタを得意とし、同じく下ネタを得意とするえんどコイチも「どんな下品なネタを描いても徳弘先生には敵わない」と自身の作品で語っていた。また尾田栄一郎曰く「凄い泣き顔が描ける」。
  • 作品中で見られる過激なギャグとは対照的に、穏やかな人柄である。また、漫画業界の不条理な状況については時折、辛口なコメントを寄せるなどの一面も併せ持っている。カレンダーの裏にサインを求められた際も、眉間に皺を寄せながらも快く書いたことがある。
  • 自身の作品を「ちんこボイン漫画」と称している。また、最近は手の調子が悪くなったため、「おっぱいを描く際には円定規を使用している」と語っている(『マンガ脳の鍛えかた』集英社刊・62-63ページより)。
  • 趣味は少林寺拳法モデルガンボディビル評論、音楽鑑賞などである。これらの趣味は作品の中にも活かされている。少林寺拳法は学生時代に部に所属、有段者。柔法(いわゆる関節技)は身体が硬いのでよく効いたとのこと。
  • シティーハンター』と共に、勃起のことを指す言葉「もっこり」を定着させたことでも知られる[1]
  • 楳図かずおに「徳弘さん頑張って」と激励されたこともあるという。
  • 好きな歌手には鬼束ちひろを挙げていて、『昭和不老不死伝説 バンパイア』の4巻の作者コメントで復活して欲しいと訴えていた。
  • 作品中に聖書引用やキリスト教の話題を取り扱うことがしばしばある。
  • シェイプアップ乱」--樋口左京の目高高校拳法部に牧師の息子柳真一が登場する。試合で頬に相手の攻撃を受けた場合どうすればいいかという拳法部の後輩からの質問に対して、マタイの福音書5章39節の文語訳聖書の、「右の頬を打たれたら、左の頬を差し出しないさい」というイエス・キリストの言葉を引用したギャグがある。また、恋人の池谷が不良グループに襲撃された際には、マタイの福音書5章44節の文語訳聖書の「汝の敵を愛せ」というキリストの言葉を引用しながら、「ざんげさせる」と称して、暴行を加えて復讐をしている。[2]
  • ふんどし刑事ケンちゃんとチャコちゃん」--茶屋四郎がクリスチャンの同僚磯村に聖書をもらう。茶屋はもらった聖書を開いて、気に入った聖句のヨハネの福音書12章24節の一粒の麦の話を、剣崎に読んで聞かせる。その聖書の言葉がバックになって磯村が銃撃されるシーンになる。
  • ジャングルの王者ターちゃん」--アフリカのサバンナでの教会設立を目指す、フランシスコ・ザビエルのパロディキャラである「フランシス牧師」が登場する。
  • 亭主元気で犬がいい」--犯罪者の妹マリを水田家に嫁にする時に、親族会議を行った。水田家の親族の一人が、犯罪者の身内には罪がないという皮肉をいうために、親の罪が子供に及ばないことを意味する聖書の言葉である、エレミヤ書31章29節を引用した。また、マリが勤務する探偵事務所で調査している新興宗教団体が混交宗教で、信者たちがマタイの福音書5章7節のイエス・キリストの山上の説教の一部を唱えていたシーンがあった。

作品リスト

元アシスタント

脚注

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  1. 実際に「もっこり」を最初に使用したのは『シェイプアップ乱』であり、『シティーハンター』よりも先である。
  2. ジャンプコミック「木の下でえの巻」『シェイプアップ乱』(第9巻)、集英社、45ページ

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