御影駅 (阪神)

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テンプレート:駅情報

ファイル:阪神御影駅北口附近全景.jpg
バスターミナルのある北口。
ファイル:阪神御影駅南口バレンタイン広場全体.jpg
神戸市が国内のバレンタインデー発祥地とされている説に基づき、イタリア中部のテルニ市と'86年から交流のある神戸市が、テルニ市より許諾を得てバレンタインの名前を冠した駅前広場。
ファイル:阪神御影駅南口バレンタイン広場.jpg
階段状の御影石で囲んだ空間の中央には、テルニ市の位置を示す陶板が埋め込まれている。
ファイル:阪神御影駅南口バレンタイン広場モニュメント.jpg
聖バレンチノ教会やステンドグラスの写真を貼り付けて教会をイメージしたものと、同教会の柱を模した、2つのチョコレート色のモニュメント。
ファイル:阪神御影駅南口バレンタイン広場前バス停.jpg
チョコレートの形を活かした阪神御影南口バス停シェルター

御影駅(みかげえき)は、兵庫県神戸市東灘区御影本町一丁目にある、阪神電気鉄道本線。駅番号はHS 25

概要

直通特急特急の停車駅である。東海道本線JR神戸線)の住吉駅(快速が停車)が比較的至近距離にあり、利用客は当駅より多い。

阪急電鉄神戸本線御影駅からは約1.2km離れている。入庫による運用の都合で深夜に1本のみ山陽姫路発当駅終着の直通特急が設定されているが、行先表示は単に「御影」と表示されており、当駅と阪急御影駅を特に区別していない[1]

当駅から六甲ケーブル線六甲ケーブル下駅方面へのバスは神戸市交通局神戸市バス)によって運行されているが、六甲ケーブルは阪神の子会社である六甲摩耶鉄道が運営しており、六甲山には阪急阪神東宝グループのレジャー施設があることから、当駅から神戸市営バスを介して六甲ケーブルに乗り換え可能な時間帯に電車が当駅に到着する際「六甲山にお越しの方はバスにお乗換えください」という車内アナウンスが入る。

当駅高架下には沢の井という井戸が保存され、噴水も設けられている。かつては飲用可能であったが、阪神・淡路大震災以後は水質などの問題から飲用禁止となり、「この井戸は水質基準を満たしていません」という趣旨の立て札が神戸市保健所によって設置されている。

2009年(平成21年)3月20日阪神なんば線が開業し、近畿日本鉄道(近鉄)奈良線との相互直通運転が開始されたが、直通列車である快速急行は開業後も引き続き当駅を通過する。理由としては、魚崎駅より乗降客数が少ないこと、ホーム有効長が短く急カーブ上にあり(後述)、1両あたり21m級の近鉄車両6両編成の前後がホームからはみ出してしまうこと等が挙げられている[2]

駅南側(旧270台収容駐輪場)は、「バレンタイン広場」として整備されている。当地近傍に本店がある洋菓子店モロゾフが、1936年2月12日に東京で発行されていた英字新聞に「バレンタインデーにチョコレートを贈りましょう」という広告を出したことを理由として、当地を日本のバレンタインデー発祥地とみなす説に基づいている。1986年から神戸市と交流のあるイタリア中部のテルニ市(聖バレンタインの出身地とされる都市のひとつ)から、神戸市が許諾を得てバレンタインの名前を冠している。2013年5月3日には、テルニ市からジローラモ市長を迎え、盛大に記念式典が行われた。

階段状の御影石で囲んだ空間で、中央にはテルニ市の位置を示す陶板が埋め込まれている。聖バレンチノ教会やステンドグラスの写真を貼り付けて教会をイメージしたものと、同教会の柱を模した、2つのチョコレート色のモニュメントもある。ハート形にくりぬかれたその上部は、中でカップルが手をつなぐようにという想定。さらに、阪神御影南口バス停のシェルターはチョコレートの形となっている。

駅構造

待避設備を持つ島式ホーム2面4線の高架駅改札口は地上部にある1か所のみで、2階にあるホームの梅田寄りに通じる。地上・改札・ホーム各階を連絡するエレベーターや身障者用トイレの設置などで、2011年にバリアフリー化されている(後述)。

プラットホームは急カーブ(半径140mないし160m)上に存在するため、構内の通過速度は35km/hに制限されている。快速急行や回送などの通過時は低速でも激しい軌鳴りが生じる。停車中の車両とホームのすき間が一部広く空いている上にホームの幅員自体も狭く、阪神の駅の中では特に危険な駅といえる(春日野道駅相対式ホームに改築されて以降)。そのため、通過列車は必ず警笛を鳴らすテンプレート:要出典。ホーム幅員が狭いこともあり、空調機器を設置した待合室は設けられていない。近鉄車両の試運転開始後にホームの一部が近鉄車両の通過に支障することが判明し、2008年(平成20年)10月から12月までの間にホームを削る工事が行われた。工事完了後は従来よりもさらにホームが狭くなっている。

元々は1・4番線が待避線、2・3番線が本線であったが、現行ダイヤでは特急列車は奇数番線(1・3番線)に停車している。変更された理由は山陽電鉄5000系5030系オーバーハング部分が阪神車に比べて大きく、曲線でのホームとの隙間を小さくするため。ただ、1番線が分岐器の速度制限を受ける配線構造は変わっていないこともあり、偶数番線を普通(青胴車)用、奇数番線を特急列車(赤胴車・山陽車)用とする形になっている。

なお、駅の西側には御影留置線が隣の石屋川駅まで伸びている。これはかつて阪神が高速別線(第二阪神線)を建設する計画を進めていた際、この区間を複々線化する構想があったためである。阪神・淡路大震災では盛土が崩壊し、留置していた車両が転落(多くは廃車・解体)するなど大きな被害を受けた。この御影留置線は1963年頃はまだ設置されていなかった。

2010年度より駅構内のバリアフリー化を主体とした改良工事に着手。ホームをかさ上げし、車両との隙間を狭くする櫛状ゴムを設置した他、改札口・駅長室・トイレなどを2階へ移設し身障者用トイレを新設、各階を連絡するエレベーターとエスカレーター(改札階~地上のみ)を新設した。さらに駅北側にある商業施設・御影クラッセと改札階を直結するペデストリアンデッキを新設するなどした[3]。事業費は約3億円であり、国および自治体が3分の2を補助した[4]

のりば
ホーム 路線 方向 行先
1 テンプレート:Color本線 上り 尼崎大阪(梅田)難波奈良方面
2 テンプレート:Color本線
3 テンプレート:Color本線 下り 神戸(三宮)明石姫路方面
4 テンプレート:Color本線
  • 前述の通り偶数番線に普通列車が、奇数番線に特急列車が停車する。
  • 1番線と2番線は三宮方面への発車にも対応している。

テンプレート:駅配線図

利用状況

各年11月の1日平均乗降人員は下記の通り。

年度 1日平均
乗降人員
出典
2001年 22,942 [5]
2002年 22,557 [6]
2003年 21,944 [7]
2004年 20,647 [8]
2005年 20,667 [9]
2006年 20,427 [10]
2007年 19,762 [11]
2008年 22,014 [12]
2009年 22,441 [13]
2010年 23,046 [14]
2011年 24,082 [15]

1990年代より利用者数は減少傾向にあり、2007年は2万人台を割り込んでいたが、翌年より増加に転じ再び2万人を超えている。なお、2008年3月20日には駅前に大型商業施設の御影クラッセが開業している。

駅周辺

日本有数の高級住宅街である御影山手と違い、浜手は灘五郷の酒造りの街であり、どちらかというと下町になる。駅の高架下東側にはアイス最中で有名な「大西商店」があり、西側には昭和初期に建設された当初のスクラッチタイルの腰壁がある「御影マーケット」も残り、一部店舗が営業している。西側高架下は長大な市場である御影市場「旨水館」となっていて、パンの老舗「マスヤ」を始め庶民派の名店が多い。山手の高級パン店だけでなく、下町の市場にもパンの名店があるところなどはいかにも神戸らしい風情となっている。神戸市立御影工業高等学校跡地における阪神御影駅前開発の一環として、2008年(平成20年)3月20日には大規模商業施設御影クラッセが開業した。さらに2010年(平成22年)3月には、47階建ての御影タワーレジデンスが竣工。

周辺施設等

発着バス路線

神戸市バス

神戸フェリーバス

みなと観光バス

歴史

隣の駅

阪神電気鉄道
本線
テンプレート:Colorテンプレート:Color直通特急テンプレート:Color特急
魚崎駅 (HS 23) - 御影駅 (HS 25) - 神戸三宮駅 (HS 32)
テンプレート:Color快速急行
通過
テンプレート:Color普通
住吉駅 (HS-24) - 御影駅 (HS-25) - 石屋川駅 (HS-26)

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:Sister

テンプレート:Navbox
  1. 2009年3月20日のダイヤ改正より平日は山陽電気鉄道の車両、休日は阪神の車両がそれぞれ充当されているが、山陽車も「直特|御影」と表記されており、阪急御影駅と当駅を特に区分していない。なお、1998年2月のダイヤ改正以降山陽車の阪急神戸本線乗り入れは廃止されており、山陽電鉄線内から阪急御影方面へ運行される列車は存在しない。
  2. 阪神なんば線、近鉄車両長くて… 御影駅通過 - 神戸新聞
  3. テンプレート:PDFlink
  4. 「東灘の2駅がバリアフリー化 阪神御影、摂津本山」テンプレート:リンク切れ神戸新聞
  5. 「ハンドブック阪神 2002」阪神電気鉄道株式会社、2002年
  6. 「ハンドブック阪神 2003」阪神電気鉄道株式会社、2003年
  7. 「ハンドブック阪神 2004」阪神電気鉄道株式会社、2004年
  8. 「ハンドブック阪神 2005」阪神電気鉄道株式会社、2005年
  9. 「ハンドブック阪神 2006」阪神電気鉄道株式会社、2006年
  10. 「ハンドブック阪神 2007」阪神電気鉄道株式会社、2007年
  11. 「ハンドブック阪神 2008」阪神電気鉄道株式会社、2008年
  12. 「ハンドブック阪神 2009」阪神電気鉄道株式会社、2009年
  13. 「ハンドブック阪神 2010」阪神電気鉄道株式会社、2010年
  14. 「ハンドブック阪神 2011」阪神電気鉄道株式会社、2011年
  15. 「ハンドブック阪神 2012」阪神電気鉄道株式会社、2012年