弱い相互作用

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弱い相互作用(よわい そうごさよう、weak interaction)は、自然界の基本的な4つの相互作用の一つ。素粒子の間に働く。弱い力弱い核力とも。この相互作用による効果として代表的なものにベータ崩壊がある。電磁相互作用と比較して、力が非常に弱いことからこの名がついた。

特徴

重力相互作用や電磁相互作用が無限遠まで作用するであるのに対し、弱い相互作用は素粒子レベルの非常に近い範囲にしか作用しない。引力・斥力である他の基本相互作用とは異なり質量0の素粒子(ただし標準模型では質量0とされたニュートリノは質量をもつことが判明している。)にも作用することから、引力・斥力に分類する力ではない。

電弱統一理論によって電磁相互作用と統一される。これは、宇宙の初期では電磁相互作用と弱い相互作用が区別できなかったことを示している。

弱い相互作用は、パリティ対称性電荷対称性を破る唯一の力である。クォークの世代が3つ以上の場合は、小林・益川理論によりCP対称性の破れも起こる。また、媒介粒子Wボソン / Zボソンは、自発的対称性の破れによって非常に大きな質量をもつ。

素粒子の一つ、ニュートリノはこの弱い相互作用しか感応しないので、他の物質に与える影響が非常に少なく、それによって検出することも困難となっている。

電弱統一された形で、ワインバーグ=サラム理論によって記述される。保存される量は弱アイソスピンハイパーチャージであり、ゲージ群はSU(2)×U(1)である。自発的対称性の破れによってそのうちの一部が電磁力、電荷、U(1)として分離する。

関連項目

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