庭石

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庭石(にわいし・ていせき)とは庭園における天然石日本独特の利用法である。

天然の岩石を庭の材料として用いるものとして選び出し、加工せずの要所に配置するもので、複数組み合わせて設置する場合は石組という。日本庭園では必ず使用される庭園技法の肝だが、欧米では天然石を加工せずにそのままの姿で利用することは極めて稀である。この庭石の材質配置で庭園の表情が決まると言うほどで、日本ではさまざまな技法が生まれた。

庭石の条件

一般に趣があるとは以下のようなことを言う。

  • 野面(のづら)である。
自然において長い年月を経て風化した石の表面が見られる。
  • 石の表情に変化がある。
全体として特長がある。整形で無い表面に節理層理が見られる。

庭石の利用上の分類

  • 庭石
1個(1石)で十分に鑑賞できる。庭の景観を作るポイントになる。
  • 組石(物)
2石以上の大小の石で構成する。立石、伏石、平石、構石として使用する。同系同色の石を使うのが基本である。
  • 飛石
園路に配置する石で踏面が平らになっているものを進行方向に配置する。小さ目の1足物から両足で立てる2足ものや多足物など大きさによって呼称が異なる。打ち方も数種類あり2連打ちや3連打ち、雁打ちなどがある。
  • 沓脱石(くつぬぎいし)
飛石と建物の出入り口を結ぶ石。約90×40×30cm以上のものを使用するのが一般的。
  • 石積用
護岸法面などの防水・土砂流出防止を目的に使用される。

産出場所

  • 山石
ゴツゴツした角のある石で山間部などの地表面に露出しているものや地中に埋まっているものを掘り起こして使用する。山さびがつきやすく植物の根が入り込んでいるものもある。埋まっているものは天然石のように見せるために、加工して風化が見られるように凹凸や傷を施す。
  • 川石
丸みが出て趣のある庭石で最も庭にふさわしいとされる。1971年に制定された河川法により河川からの砂利等の採取が禁止されたため、現在国内では特別な許可が無ければ採取できない(昭和46年採取禁止)。現在では石材業や庭石業を営む会社等は、山の土地を取得して加工をしているところが多い。
  • 海石
波の力によって表面の変化に富む石。よくが付着している。

主に使用される石・石質


関連項目

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