ゾーンメルト法

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ゾーンメルト法の概念図

ゾーンメルト法:Zone melting)とは不純物の多い金属のインゴットから純度の高いインゴットを精製する分離法である。この方法はまず、加熱して融解したをインゴット中で動かし、加熱する前側の純度の低い部分を溶かす。そして、後に残った純度の高い製品を得る。不純物は溶融部分に集中し、最終的にインゴットの末端に集まる(偏析)。

ソーン精製法は、トランジスタ製造用の高純度金属材料を準備するために1952年ベル研究所の助手ウィリアム・プファン(William Gardner Pfann、1917年1982年)により開発された。最初の使用はゲルマニウムの製造に用いられた。しかし、平衡で固体および液体段階で不純物濃度にかなりの違いがあるどのような溶質-溶媒系においても応用することが可能である。

ゾーン精製法はインゴットの末端に不純物を分離する、あるいは分析などを目的に不純物を濃縮するために利用される。ゾーン均一法は不純物を材料に均一に含ませる方法である。トランジスターやダイオード半導体の製造において、ゲルマニウムインゴットはゾーンメルト法によって準備される。次に、少量のアンチモンを融解相に加え、インゴット中を通していく。適切な加熱条件の選択により、アンチモンは均一にゲルマニウムに溶け込むことができる。

他に関連するプロセスにゾーン再メルト法(Zone remelting)がある。これは複数の溶質を純粋金属にそれぞれ分布させる方法である。これは半導体製造に重要であり、異なる伝導率の複数の溶質が使用される。ゲルマニウムにおいて、V族アンチモン砒素など5価の元素は負(n型)の伝導をもたらす。そして、アルミニウムホウ素のようなIII族の3価の元素は正(p型)の伝導をもたらす。そのようなインゴットで、ゆっくり再冷却している部分を溶かすことにより、加熱した帯域の中の溶質は分配される。結果、望ましいn-pとNP接合を作る。

さまざまなヒーターがゾーンメルト法に使用されている。その最も重要な特徴は、インゴットを通して一様に移動し、ゾーンに分ける短い融解帯を作る性能である。一般に、誘導コイル、リング状の抵抗ヒーター、ガス炎が使用される。他の方法は磁場中に液体を保つようにセットされたインゴットを置き、起磁力で直接電流を流す方法である。