工作機械

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工作機械(こうさくきかい、machine tool)は、金属木材、石材、樹脂等に切断、穿孔、研削、研磨、圧延、鍛造、折り曲げ等の加工を施すための機械である[1]。一般に加工対象物または工具の運動(回転または直線移動)によって、加工対象物を削り取り目的の形状に加工する。工作機械を構成する要素は3つあり、加工対象物または工具に運動を与える動力、動力を特定の運動に変える案内機構、加工対象物を削り取る加工工具からなる。 おもな工作機械として、旋盤、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、歯切り盤、研削盤などがある。

近年では、数値制御を行うNC加工で、機械加工を自動化した工作機械が主流である。また、機械加工以外の作業も自動化するために、工具と加工対象物を自動で交換するATC (Automatic Tool Changer) ・APC (Automatic Pallet Changer)を搭載するものがある。これらの機能を搭載した工作機械は「マシニングセンタ」「ターニングセンタ」などと呼ばれている。

工作機械の歴史

工作機械がいつ頃発明されたかは定かではない。紀元前1200年頃のミケーネの墳墓から、旋盤によって加工されたと考えられる木鉢が発掘されている。紀元前6世紀頃、エトルリアケルトの中に、高度な旋盤技能を持つ人がいたと、発掘品から考えられている。

旋盤の技術は紀元前 2 世紀頃にはヨーロッパや近東にも広がった。工作機械が劇的に発展したのは 、14世紀以降で、これはまず14 世紀の機械時計の発明によって加工精度が必要になったためである。しかし、機械時計は対象物が小さく、比較的大きな物に対する工作機械が登場するのは18 世紀の蒸気機関の発明により、ピストンやシリンダを高精度に加工する時代まで待たないといけない。

20世紀後半になるとコンピュータの発明により、工作機械の自動制御化 (ロボット化) が進められた。

工作機械の種類

参考文献

  • 日本規格協会編『JISハンドブック〈13〉工作機械』日本規格協会(2001年1月) ISBN978-4542170131
  • 福田力也『工作機械入門 (機械工学入門シリーズ) 』理工学社 ISBN978-4844522546
  • 清水伸二『初歩から学ぶ工作機械―共通な基本構造と仕組みがわかる』大河出版 ISBN978-4886617217
  • 伊東誼・森脇俊道『工作機械工学 (機械系大学講義シリーズ) 』コロナ社 ISBN978-4339040685

出典

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関連項目

  • 意匠分類定義カード(K7) 特許庁