岡山電気軌道9200形電車

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テンプレート:Mboxテンプレート:ローレル賞 岡山電気軌道9200形電車(おかやまでんききどう9200がたでんしゃ)は、岡山電気軌道路面電車。愛称は、「桃太郎」と岡山の名産「モモ」からMOMO(読みは、最初の「モ」にアクセント)。 テンプレート:-

ファイル:OkadennMOMO2illumi.JPG
1011(MOMO2)・イルミネーションMOMO開催時の車内

ボンバルディア社製のLRVを基本に、1次車(9201、愛称:MOMO)が2002年に新潟鐵工所で、2次車(1011、愛称:MOMO2)が2011年に新潟トランシスでそれぞれ製造された。

9201は2002年7月5日から、1011は2011年10月15日より営業運転を開始した。

また、万葉線MLRV1000形富山ライトレールTLR0600形はこの形式を基に造られた。

概要

2車体連接のノンステップ車両で、2011年10月現在、2編成在籍する。

2002年製造の1次車は市民団体の岡山市中心部における路面電車延伸運動に応じて導入された。その為、募金が募られ、行政からの補助金のうち、岡山市負担分に募金500万円が組み込まれている。車内において名簿が掲示されている。

車両内の連接部分には岡山国体開催決定を記念し2002年7月10日から同年11月30日までと同国体開催年の2005年8月1日から11月7日までの間、郵便ポストが設けられていた。また、2011年11月1日からも1次車、2次車共に円柱型の郵便ポストが2012年末までの予定で設置されており、投函すると専用の消印が押印される。

2011年10月までは運行ダイヤは曜日ごとに決まっていた。平日・祝日を問わず、月・木・土・日曜日は東山線、同様に平日・祝日を問わず火・水曜日は清輝橋線の運用に就き、毎週金曜日は運休していた。 MOMO2の導入後、通常ダイヤとなった2011年10月28日以降は、東山線は火曜日に、清輝橋線は金曜日に運休する。

2012年6月11日に9201(MOMO1)が右折する自動車と衝突したため大掛かりな修理が必要となり、修理完了までの間MOMO2のみの運行となっていた。MOMO1は2013年6月9日に営業運転に復帰している[1]

車体や主要機器等は、熊本市電9700形と同様、アドトランツ(→ボンバルディア)製の標準パーツを組み合わせたもの。

車輌構造はドイツ・ブレーメンを皮切りにベルリン、イエナ等に導入されたGT6N(3車体12輪)、GT8N(4車体16輪)等の“ブレーメン形"を2車体化したもの(GT4Nに相当)で、前面等はイギリス・ノッティンガムに導入されたLRTと同様のものである。(ノッティンガムは5車体の“インチェントロ”シリーズであり、構造は広島等に導入されたコンビーノシリーズと同様のフローティング車体を持つもので、本形式とは異なる。)

メンテナンスに配慮して、熊本市電9700形第4・5編成と同じく、制御機器(IGBT-VVVFインバータ)や空調機器では三菱電機製の国産部品を使用している。この基本構造を万葉線、富山ライトレールも踏襲している。

車輌性能としてはJR線乗り入れを考慮して設計最高速度は70km/hであるが、現状は45km/hで速度リミッターが作動する様になっている。

車両デザインは、九州新幹線「つばめ」などのデザインでも知られる岡山県出身の水戸岡鋭治で、水戸岡は、この電車のデザインを出身地の活性化に向けたボランティアと位置づけている。前述のように、基本形状や構造が決まっているため、デザインを行える範囲は限られるが、青・銀を基調としたメタリックな外装の一方、「つばめ」同様、座席や床材などに木などの自然素材をふんだんに使っているのが特徴である。

パンタグラフはシングルアーム式で、岡山電気軌道伝統の石津式パンタグラフを唯一装備していない車両である。車輪については、JR線への乗り入れを考慮したものを装備している。

2002年に国土交通省第一回「日本鉄道賞」(地方鉄道における活性化への貢献部門、MOMOの導入などが評価され会社として受賞した)、2003年に鉄道友の会ローレル賞」を受賞。

注釈・出典

  1. 小嶋光信初代MOMO(モモ)退院! 元気に復活! | 両備グループ」、2013年6月8日。

外部リンク

テンプレート:岡山電気軌道の路面電車