山田昌弘

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山田 昌弘(やまだ まさひろ、1957年11月30日 - )は、日本社会学者コピーライター中央大学文学部教授東京都北区出身。専門領域は家族社会学・感情社会学ならびにジェンダー論。

東京学芸大学助教授だった1999年平成11年)、成人後や学卒後も親と同居し続ける未婚者を「パラサイト・シングル」と命名し話題に。一躍その名を知られるようになる。近年では新書『「婚活」時代』の中で、白河桃子と共に「婚活」という造語を考案・提唱し、流行させた。

経歴

活動歴

公職

現在
過去

学会

主な主張

  • フリーターの若者は自分の将来設計を考えているか?)という問いに対し、「フリーターの多くは将来を具体的に何も考えていない、というよりも、考えたくないのだと思う。将来に希望が持てず、それを考えると暗くなるので、非現実的な“夢”にすがっている。『将来は?』と聞くと、『あまり考えていません』と答える」と述べた[1]
  • (フリーターのように職業的・経済的に不安定な人々が増えれば、どの様な影響が及ぶか?)という問いに対し、「『俺は社会から見捨てられた』と、将来に絶望する人が現れる状況になれば、その中から反社会的行動に走る人が出て来ても不思議な話ではない。(2001年の)池田小学校の事件や、幼女連れ去り事件の犯人の多くは、中年無職男性だ」と論じた[1]
  • ワーキングプアに対しては「賃金が低い事に不満を口にしている人が多いが、これらの人たちの賃金を上げるには物価の上昇は不可避だ。でも『モノが高くなるのは嫌だ』と文句を言う人も多い」と述べた[2]
  • 晩婚化ならびに少子化については2006年(平成18年)7月1日付の『週刊東洋経済』に「女性が結婚しないのは高収入の男性を求めるため」と題した記事を寄稿したが、その中で、「未婚女性が結婚相手に求める年収は、現実の平均年収に比べれば相当高い。このことを10年以上私は言い続けているが、大きく取り上げられることはなかった。『こんなこと言ったらクビが飛ぶ』と、ある官僚に言われたこともある。多くの人は薄々知っているが、公に言ってはならないタブーなのだろう」と、この主題に触れること自体が政治やマスメディアにおいてタブー視されている旨を指摘し、続けて「根本的な原因にはメスが入れられず、根本的でない要因のみが強調される。『出会いがない』とか『キャリアが中断される』から少子化か起きると言っていれば、誰からも文句を言われることはない。どうも、日本社会は、本気で少子化対策を進めたいとは思っていないようだ」と述べた。
  • 男女共同参画の観点から、選択的夫婦別姓制度導入を支持する[3]。「先進国中、日本だけが別姓を認めず、同姓を強制するのが、いかに特殊な制度か」と述べている。

著書

単著

  • 『近代家族のゆくえ 家族と愛情のパラドックス』(新曜社、1994)
  • 『結婚の社会学 未婚化・晩婚化はつづくのか』(丸善ライブラリー、1996)
  • 『The Japanese Family in Transition』(FOREIGN PRESS CENTER JAPAN、1997)
  • 『家族のリストラクチュアリング』(新曜社、1999)
  • 『パラサイト・シングルの時代』(ちくま新書、1999)
  • 『家族というリスク』(勁草書房、2001)
  • 『家族ペット やすらぐ相手は、あなただけ』(サンマーク出版、2004)
    • 『家族ペット ダンナよりもペットが大切!?』(文藝春秋、2007)
  • 『パラサイト社会のゆくえ データで読み解く日本の家族』(筑摩書房、2004)
  • 『希望格差社会 「負け組」の絶望感が日本を引き裂く』(筑摩書房、2004)2007年に文庫化
  • 『迷走する家族 戦後家族モデルの形成と解体』(有斐閣、2005)
  • 『新平等社会 「希望格差」を越えて』(文藝春秋、2006)2009年に文庫化
  • 『少子社会日本 もうひとつの格差のゆくえ』(岩波新書、2007)
  • 『ワーキングプア時代 底抜けセーフティーネットを再構築せよ』(文藝春秋、2009)
  • 『ここがおかしい日本の社会保障 』に改題し文庫化(文春文庫、2012)
  • 『なぜ若者は保守化するのか 反転する現実と願望』(東洋経済新報社、2009)
  • 『「婚活」現象の社会学 日本の配偶者選択のいま』(東洋経済新報社、2010)
  • 『なぜ日本は若者に冷酷なのか そして下降移動社会が到来する』(東洋経済新報社、2013)
  • 『「家族」難民: 生涯未婚率25%社会の衝撃』(朝日新聞出版、2014)

共著

編著

翻訳

脚注

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外部リンク

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  1. 1.0 1.1 テンプレート:Cite web
  2. テンプレート:Cite web
  3. 週刊東洋経済 第6247号、2010.2.20.