小林麻美

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テンプレート:存命人物の出典明記 テンプレート:ActorActress 小林 麻美(こばやし あさみ、1953年11月29日 - )は、日本の元歌手女優モデル。本名、田邉 稔子(たなべ としこ)。旧姓、小林

東京都大田区大森出身[1]普連土学園中学校・高等学校卒業[1]。夫は田辺エージェンシー社長の田邊昭知

来歴・人物

生家は大森新地近くにあり、父親は国鉄信号機などを設計する技術者、母は美容師で共働きであった[1]。7歳違いの姉がいる[1]。15歳の時、骨髄炎から急性肝炎を併発して1年間入院療養をする[1]。高校一年の時、少女雑誌のモデルにスカウトされ、2、3回その仕事をこなした後、1970年ライオン歯磨きのコマーシャルガールに選ばれる[1]。しかしこの時、テレビコマーシャルの撮影でスキーを行った時に複雑骨折してしまい、長期休業[2]。小林をあてにしてのれん分けまでしたその事務所は、1ヶ月で消滅してしまうテンプレート:Refnest

1972年、18歳の時、東芝レコードから「初恋のメロディー」で歌手デビュー[1]。同期に麻丘めぐみ五十嵐じゅん[1]。「初恋のメロディー」はオリコン18位を記録したが、当時のアイドル状況に於いては、長身で猫背、笑わずうつむき加減に歌う小林は、暗い印象を持たれてウケ入れられず歌手は自然消滅となる[1]

小林の名が浸透したのは1970年代後半、資生堂パルコなどのCMで、特に1977年のパルコCM「淫靡と退廃」で、今度は細い体や暗さがウケた[1]

その後に所属した主な芸能事務所は、田辺エージェンシー

1984年に歌手として「雨音はショパンの調べ」が大ヒットしたが、当時歌番組で歌ったことは一度も無かった。但し小林本人はラジオ番組で「私自身は全く断ってないのよ。テレビで歌いたかったのに」と主張したことがある。

長い髪、陰のある表情、背が高く細い身体、柳腰、寡黙などが特徴的で、都会的でアンニュイな雰囲気で人気を得た[1]1980年代前半に映画やテレビドラマに出演し、当時所属していた事務所の社長の田邊昭知と結婚、家庭に入るため、芸能活動から完全に引退した。DVDなどで確認できるのは、松田優作に懇願されて出演した映画『野獣死すべし』と、唯一の主演映画『真夜中の招待状』に限られる。

都会的でファッショナブルな女優という認知であったため、『真夜中の招待状』ではタイトルシーンを含めて計27回、一分の隙もないコーディネートで登場している[3]

年表

ディスコグラフィ

シングル

  1. 初恋のメロディー(1972年8月5日)/EP:TP-2703
    作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平
    c/w: 海辺の白い家
  2. 落葉のメロディー(1972年12月20日)/EP:TP-2788
    作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平
    c/w: 女の子は淋しくても
  3. 恋のレッスン(1973年4月20日)/EP:TP-2840
    作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平
    c/w: さよならのブルース
  4. ある事情(1974年10月5日)/EP:TP-20060
    作詞:安井かずみ/作曲:筒美京平/編曲:萩田光雄
    c/w: あなたのネクタイ
  5. アパートの鍵(1975年2月20日)/EP:TP-20100
    作詞:安井かずみ/作曲・編曲:筒美京平
    c/w: 遅すぎた言い訳
  6. 私のかなしみ(1975年7月5日)/EP:TP-20147
    作詞:安井かずみ/作曲・編曲:筒美京平
    c/w: 白いシャツきて
  7. 夢のあとさき(1976年2月20日)/EP:TP-20216
    作詞:なかにし礼/作曲:田山雅充/編曲:林哲司
    c/w: 雪どけ模様
  8. 雨音はショパンの調べ(1984年4月21日)/EP:07SH-1489
    作詞・作曲:Gazebo, P.L. Giombini/日本語詞:松任谷由実/編曲:新川博
    c/w: Lolita Go Home
  9. 哀しみのスパイ(1984年8月25日)/EP:07SH-1542
    作詞:松任谷由実/作曲:玉置浩二/編曲:武部聡志
    c/w: TRANSIT
  10. 雨音はショパンの調べ [long version](1984年11月21日)/LP:12AH-1818
    作詞・作曲:Gazebo, P.L.Giombini/日本語詞:松任谷由実/編曲:武部聡志, 新川博
    c/w: 哀しみのスパイ [long version]
  11. シフォンの囁き(1985年5月22日)/EP:07SH-1630
    作詞・作曲:Christian Holl/日本語詞:松任谷由実/編曲:松任谷正隆
    c/w: 幻の魚たち
  12. 移りゆく心 [single version](1987年3月5日)/EP:07SH-1883
    作詞・作曲:松任谷由実/編曲:後藤次利
    c/w: 愛のプロフェッサー
  13. I MISS YOU(1987年6月21日)/EP:07SH-1953
    作詞・作曲:松任谷由実/編曲:後藤次利
    c/w: ルームサービス

オリジナル・アルバム

  1. 落葉のメロディー(1973年2月20日)/LP:TP-8233/CD:TOCT-25232/CT:ZA-1257
    落葉のメロディー/恋のレッスン/恋はそよ風/あふれる愛に/チョット・マッテ・クダサイ/女の子は淋しくても/初恋のメロディー/夢見るシャンソン人形/可愛いベイビー/砂に消えた涙/さよならのブルース/海辺の白い家
  2. 20才の愛(1974年12月1日)/LP:TP-72015/CD:TOCT-26621
    ある事情/ぶどう色の経験/あなたは恋の旅人/夢でいいから/イヴの横顔/あなたのネクタイ/メドレー(初恋のメロディー〜落葉のメロディー〜恋のレッスン)/あなたのことでいっぱい/雨だれ/小さな旅/青春が終る日
  3. パステル色の愛(1975年7月20日)/LP:TP-72081
    私のかなしみ/アパートの鍵/トランプ占い/新生活/白いシャツきて/遅すぎた言い訳/おぼろ月/別れの予感/海の音/愛の情景/都わすれの花/南風のひと
  4. CRYPTOGRAPH〜愛の暗号(1984年8月25日)/LP:28AH-1760/CD:35DH-148/CT:28KH-1543
    月影のパラノイア/微熱/TYPHOON/グランプリの夏/TRANSIT/Sugar Shuffle/恋なんてかんたん/アネモネ/雨音はショパンの調べ/Lolita Go Home
  5. ANTHURIUM〜媚薬(1985年7月1日)/LP:28AH-1881/CD:32DH-249
    幻惑/幻の魚たち/LOVE SUGAR/砂に消えたカサノバ/ひき潮/金色のライオン/腕の中のサハラ/夏の嵐/水晶の朝/シフォンの囁き
  6. GREY(1987年3月21日)/LP:28AH-2156/CD:32DH-632
    EROTIQUE/愛のプロフェッサー/移りゆく心 [album version]/夜の響きを聞いている/昼の三日月/I MISS YOU/飯倉グラフィティー/ルームサービス/遠くからHAPPY BIRTHDAY/GREY

ベスト・アルバム

  1. GOLDEN BEST(1984年12月)/LP:TP-90312
  2. CD BEST(1985年3月30日)/CD:CA32-1116
  3. BEST COLLECTION(1986年4月21日)/CD:30DH-412
  4. BEST COLLECTION(1992年8月26日)/CD:TOCT-6655
  5. GOLDEN J-POP THE BEST(1998年11月21日)/CD:SRCL-4413
  6. DREAM PRICE 1000 雨音はショパンの調べ(2001年10月11日)/CD:MHCL-10
  7. GOLDEN☆BEST 小林麻美(2002年11月20日)/CD:TOCT-10874
  8. NEW BEST 1500(2005年8月24日)/CD:TOCT-11033
  9. Essential Best(2007年8月22日)/CD:MHCL-1151

映像作品

  • CRYPTOGRAPH〜愛の暗号(1984年10月21日)/Beta:78QM-3008/VHS:78ZM-3008/LD:68LM-28/VHD:68VM-28
    哀しみのスパイ/TRANSIT/恋なんてかんたん/Sugar Shuffle/アネモネ/グランプリの夏/月影のパラノイア/雨音はショパンの調べ/TYPHOON/哀しみのスパイ(Reprise)

出演

映画

テレビドラマ

  • 美人はいかが? (1971年10月24日 - 1972年4月16日、TBS
  • だから大好き!(第6話) (1972年、日本テレビ
  • 光る海 (1972年10月2日 - 1973年3月26日、フジテレビ
  • マチャアキの森の石松(第15話) (1976年、NET
  • 明治の群像 海に火輪を (1976年2月26日、NHK総合) - おさわ 役
  • 鳴門秘帖 (1977年5月6日 - 1978年3月17日、NHK総合)
  • 淋しいのはお前だけじゃない(第7話) (1982年、TBS)
  • 花祭 (1982年6月9日 - 10月6日、フジテレビ)
  • 太陽にほえろ!(第524話)ラガーのラブレター (1982年9月24日、日本テレビ)
    • 当ドラマのDVDBOXには当エピソードは収録されていない。ただし過去にCS放送で放送履歴あり。
  • 峠の群像(第37, 38話) (1982年9月19、26日、NHK総合)
    • 現在一般公開されているのは総集編のみで、小林の出演シーンは総集編からカットされているため、このシーンの映像を視聴することはできない。
  • ストレイ・シープ (1983年3月27日、TBS)
  • どっきり天馬先生〜めだかの兄弟は大きくなったら何になる?〜 (1983年6月6日、フジテレビ)
  • 奪われた遺書 (1983年9月3日、TBS)
  • 胸さわぐ苺たち (1983年10月13日 - 1984年1月12日、TBS)
  • 大奥(第45・46話) (1984年、関西テレビ) - おすみ 役
  • 宮本武蔵(第29 - 45話) (1984年11月7日 - 1985年3月13日、NHK総合) - お光 役
  • 安寿子の靴 (1984年10月13日、NHK総合)
  • ザ・ディ その日~1995年・日本(1985年11月4日、NHK総合)
  • 匂いガラス (1986年11月8日、NHK総合)
  • ダックスフントのワープ (1989年11月11日、NHK総合)

バラエティー

ラジオ

コマーシャル

書籍

  1. ブルーグレイの夜明け(1976年、ペップ出版)
  2. あの頃、ショパン(1984年6月4日、文化出版局)
  3. CRYPTOGRAPH〜愛の暗号(1984年10月21日、CBSソニー出版
  4. 私生活 - PRIVE(1985年6月、小学館
  5. ラ・ローズ・ノワール(1987年8月25日、河出書房新社
  6. 34(サーティフォー)(1988年6月25日、河出書房新社)
  7. 愛、あなたにとどけ(1989年12月10日、PARCO出版局)

脚注

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注釈

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出典

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外部リンク

  • 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 週刊朝日』1882年10月8日号、54-58頁(本人のインタビューも含む記事)。
  • テンプレート:Cite web
  • サンデー毎日』1982年5月2日号21頁
  • テンプレート:Cite interview