安達太良山
安達太良山(あだたらやま)は福島県中部にある火山である。日本百名山、新日本百名山、花の百名山およびうつくしま百名山に選定されている。山頂には二等三角点「大関平」1,699.6mが設置されている。
特徴
数万年前までは、マグマ噴出を繰り返す活動が活発な火山であったが徐々に沈静化。約2,400年前の噴火の際にマグマ噴出以降は、時折、マグマ水蒸気爆発を繰り返す程度となる。
主な地形
北から
- 鬼面山 1,482 m
- 箕輪山 1,728 m 最高峰[1]
- 鉄山 1,709 m[2][3]
- 沼ノ平火口
- 篭山 1,548m
- 矢筈森 1,673 m
- 安達太良山 1,700 m
- 船明神山 1,667 m
- 薬師岳 1,322 m
- 和尚山 1,602 m
- 前ヶ岳 1,340 m
噴火災害記録
- 1658年 地すべり、死者多数
- 1899年 8月24-25日、11月11-12日 小規模水蒸気噴火
- 1900年 7月17日 沼の平で水蒸気爆発、沼ノ平火口を形成し火砕サージが西側斜面の沼尻鉱山を襲う、死者72名、負傷者10名
- 1997年 9月15日 沼ノ平火口付近で硫化水素ガスにより死者4名
災害対応
噴火時のハザードマップは、沼ノ平火口が西側を向いているため、おもに猪苗代町を被害の対象としている。なお、西よりの風が常風のため、噴火時には二本松市側にも大量に降灰する可能性は大きい。気象庁では地震計、空振計、GPS観測装置、カメラを設置し常時観測を行っている。解析結果等は毎月上旬に気象庁のウェブサイトで公表されている。
観光
沼ノ平周辺の荒涼とした火山の景観がみどころ。また、ガンコウラン、クロマメノキなどの高山植物を始めとし、ヤエハクサンシャクナゲ、サラサドウダン、レンゲツツジなどが咲き誇り、田中澄江著「花の百名山」の一座にも選ばれている。この火口を中心とする優れた景観と、高山植物を保護するため、磐梯朝日国立公園に指定されている。
また、岳温泉、奥岳温泉、塩沢温泉、野地温泉、横向温泉、沼尻温泉など、多くの温泉場が取り囲んでいる。冬期は、あだたら高原、塩沢、箕輪の各スキー場が運営される。緩やかな山体から山スキーのメッカとしても名高い。
文学
万葉集にも歌われ、また高村光太郎の『智恵子抄』“樹下の二人”の節にも名が見える。深田久弥の随筆『日本百名山』にも登場する。
登山
全体として緩やかな山体であり、また、夏期でも奥岳から薬師岳に、スキー場のゴンドラリフトが運行されており、標高1,300m付近まで上がれるため、初心者でも比較的登りやすいとされる。主な登山口は、奥岳(二本松市)、塩沢温泉(二本松市)、野地温泉(福島市)、沼尻(猪苗代町)、石筵(郡山市)である。稜線付近は森林限界を超えているために樹木がほとんど無く、雷雲がやってきた際は非常に危険である。加えて、悪天候時は稜線付近に強風が吹き荒れるため、立ち入りは避けた方がよい。
現在、沼ノ平火口の周辺では有毒ガス噴出しており、1997年の沼ノ平における火山ガスによる死亡事故以降、沼ノ平コースとくろがね小屋 - 鉄山コースは通行禁止となった。
登山コース
- 奥岳登山口 - 勢至平 - くろがね小屋 - 峰の辻 - 安達太良本山
- 所要約3時間
- 奥岳登山口 - 薬師岳 - 五葉松平 - 安達太良本山
- 所要約2時間30分、奥岳 - 薬師岳はゴンドラ「あだたらエクスプレス」片道950円を使う
- 表登山口 - 仙女平 - 安達太良本山
- 所要約3時間30分
- 塩沢温泉登山口 - くろがね小屋 - 峰の辻 - 安達太良本山
- 所要約3時間30分、塩沢温泉 - くろがね小屋は渓谷沿いの道
- 途中に滝や巨大な岩などがあり、紅葉がとても美しい
- 沼尻登山口 - 胎内岩 - 鉄山避難小屋 - 鉄山 - 安達太良本山
- 所要約3時間15分、硫黄川流域の荒涼とした風景と胎内岩の岩くぐりが楽しめる
- 沼尻登山口 - 障子ヶ岩 - 船明神山 - 安達太良本山
- 所要約3時間15分
- 野地温泉登山口 - 鬼面山 - 箕輪山 - 鉄山避難小屋 - 鉄山 - 安達太良本山
- 所要約4時間45分(縦走コース)
- 横向登山口 - 箕輪山 - 鉄山避難小屋 - 鉄山 - 安達太良本山
- 所要約3時間45分
- 銚子ヶ滝登山口 - 和尚山 - 安達太良本山
- 所要約4時間
山小屋
- くろがね小屋
- 鉄山避難小屋
- 冬期間は積雪が多く利用が困難。水場、トイレともになし。
脚注
関連項目
外部リンク
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- ↑ GNSS測量等の点検・補正調査による2014年4月1日の国土地理院『日本の山岳標高一覧-1003山-』における改定値。なお、旧版での標高は1,710m。