学園ドラマ

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テンプレート:独自研究 学園ドラマ(がくえんドラマ)は、主に学校を舞台にしたテレビドラマジャンル

概要

学園ドラマの形態は大きく分けて

  1. 学校全体、クラス、部活動など集団がひとつの方向に向かっていく様を描いたもの
  2. ひとりの教師にスポットを当て、教師としての成長過程や奮闘振りを描いたもの
  3. ひとりの児童・生徒・学生にスポットを当て、学園生活の様子や人間としての成長過程を描いたもの

に大別できる。 小学校よりも中学校高等学校が舞台となることが多いが、これは中学・高校という時期や世代が人生の大きな分岐点のひとつであると同時に恋愛友情、あるいは部活などに打ち込む青春時代だからという理由もある。運動部テーマにしたものはスポ根に含まれ別扱いとなることもある。なお大学が舞台の作品は比較的少ない。これは大学および大学生活として用いられる題材が前者3つに比べて極端に少なく、前者3つは教師の存在がほぼ不可欠であるのに対して大学では教師(教授)の出番が少なく、ストーリー自体にあまり関係の無い役柄であることが多いからでもある。そのため大学を舞台にした作品は学園ドラマに含まれないこともある。また主人公や主要登場人物が小学生の場合は、授業中を含めた日常生活全てが描かれる。

また、これらのドラマの性格上登場人物はそのほとんどが未成年となり扱う内容に制限が出てくる。このため、定時制高校自動車教習所など未成年と大人が同じ条件のもとで学ぶ空間を舞台とし、通常の学園ドラマよりも内容に幅をきかせたものもある。

ドラマのアクセントとして、それぞれの生徒家庭事情、非行いじめなども頻繁に扱われる。

また、定番キャラクターとして悪役教頭とその腰巾着が出てくるのは『坊っちゃん』以来の伝統であろうか。男性教師が主人公の場合はマドンナ役の美人教師もよく登場する。

主として、青春群像劇を描いたものを学園ドラマと呼び、たとえ学校を舞台としていてもたとえば教師と生徒の恋愛を描いたものや、ミステリーを描いたものなどは学園ドラマとは呼ばれない。

学園ドラマでは無名の生徒役だった俳優がにわかに注目を浴びることが多く、これまでに数多くのスターを輩出してきた。いかに個性的な生徒役を集めるかは学園ドラマの成否を決定付ける重要な一因になるが、美男美女だらけのクラスが出来上がってしまうこともあり、特に近年はその傾向が強い。

また、ティーン層に向けて製作されるため、通常の放映枠のほかに、児童向けドラマとして30分枠で制作される作品が1980年代までは多くみられた。

設定

以下に挙げる設定は、学園ドラマのみならず、学園ドラマ以外のジャンルのドラマや、テレビアニメ・劇映画などドラマ以外の映像作品でも多い設定である。

地域

他のドラマと同様、製作する放送局などが近い南関東(東京大都市圏、特に東京23区内やその周辺部)の学校が舞台となることが多いが、それ以外の地域を扱う作品も多い。南関東(首都圏)以外の地域を扱う場合は、地方の中小都市を舞台とすることが多い。また、地方中核都市を舞台とする作品は比較的少ない。地方圏京阪神(京阪神大都市圏)や中京圏を舞台とした作品は非常に少なく稀である。

学校の特性

小学校については、一般の公立校がほとんどである。大半は5、6年生が舞台となっている(ごくごくまれに1年生が舞台のドラマも存在する)。私立小学校を扱った学園ドラマは少ない。

中学校についても、大半は一般の公立校である。ただし、私立中学・中高一貫校を取り上げた作品も、少ないながら存在する。

元々は小中学生のドラマは児童向けドラマで語られる傾向があったが、「3年B組金八先生」や「熱中時代」が台頭した1980年代以降、大人向けの1時間ドラマで語られるようになり、対して児童向けドラマ自体が衰退していった。

高等学校については、公立校・私立校はほぼ同等で存在する。普通科の高校が多いが、専門学科(ひだまりスケッチなど)、高等専門学校も若干扱われる。

なお、学園ドラマで取り上げられる学校の大半は男女共学である(一般の公立小中学校は当然すべてが男女共学だが、高等学校などでも男女共学が多い)。特に男子校は少ない(ただし著名な例として『ごくせん』がある)。原作やモデルとなった学校は男子校だがドラマでは男女共学に設定変更となった例も存在する。女子校を扱った作品は男子校よりは多く存在するが、その多くは『お嬢様学校』である。

教師

従来は、青少年が感情移入しやすい青年期から壮年前期の教師が主役級の教師になることが多かった。しかし、『ライオン先生』や平成時代の『3年B組金八先生』など、中高年の教師を主人公とする例も存在する。また、青年時代には熱血教師だったが、そのやり方を周囲に理解されないことが原因で、現在はことなかれ主義教師になってしまったという設定を持つ教師も多い。

校長・教頭(副校長)・理事などは脇役とする設定が多いが、『鬼ユリ校長、走る!』のように彼ら彼女らを主人公とした作品も、多少存在する。従来は男性が主だったが、『3年B組金八先生』の第1・第2シリーズのように古い作品でも女性校長の登場する作品があった。後年になると女性が珍しくないことは、現実世界と同様である。

中学校・高等学校の場合、主役級の教師の担当科目で扱われることが少ない科目は、数学物理などである。なお、例えば平成時代に放送の『ごくせん』は数学の教師が主人公という設定のドラマだった。専門学科の場合、専門教科の担当教師も主役級にはなりにくい。一方、英語国語などを担当科目とする教師は、主役級の人物となりやすい傾向にある。なお前述したように大学の場合ストーリーにあまり関わりが無いことが多く教員自体が全く登場しない作品が多い。

入学試験の扱い

学園ドラマでは、全般的に入学試験は否定的に扱われる傾向にある。生徒らにとっての障壁として扱われることが多い。

学力低下が問題となる反面入学試験への合格は比較的容易となった2000年代ではそれほどではないが、現実世界で『受験戦争』『受験地獄』などの言葉が使われた1980年代以前においては特にそうであった。

小学校における中学受験は、歴史的にも近年でも特に否定的に扱われる傾向にある。それを、遊び盛りの小学生に猛勉強を強いて本来の純真さを失わせ、その結果、教師にすら生意気な態度をとるようなプレッシャーを与えるものとして扱う設定が多い。なお、主に首都圏の小学校における男子児童の難関私立中(大学受験での入学実績を誇るような学校)への進学を扱うことが多い。首都圏以外の小学校を舞台とした作品で中学受験が扱われることや、「お嬢様学校」への女子児童の進学を扱った作品は少ない。

中学校における高校受験も、中学受験ほどではないが、内申書や偏差値のプレッシャーで生徒らを苦しめるものとして扱う傾向が多い。ただし、通過儀礼的に前向きに扱う作品も多い。

主な学園ドラマ

小学校

中学校

高等学校

大学

その他の学校など

学校が舞台だが通常学園ドラマには含めないもの

関連項目