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'''季漢輔臣賛'''(きかんほしんさん)は、[[241年]]([[延熙 (蜀)|延熙]]4年)、[[蜀漢|蜀(蜀漢)]]の[[楊戯]]により著された、蜀漢を支えた人物を讃える書物。『[[三国志 (歴史書)|蜀書(三国志)]]』第15巻「楊戯伝」(「鄧張宗楊伝」)に付随して収録されたため、散逸を免れており、現在でも全文を読むことができる。 「季漢」とは「末っ子の[[漢]]」という意味であり、[[劉備]]が建国した蜀漢の事である。蜀漢は漢王朝の正統を自認していたため、通常は「漢」と称したが、それまでの王朝([[前漢]]、[[後漢]])と区別する際には「季漢」を用いた。 == 概要 == 『季漢輔臣賛』は、蜀漢を支えた人物を讃える書物である(ただし、[[孫権]]に降った[[糜芳]]、[[士仁]]、[[カク普|郝普]]、[[潘濬]]は例外である)。蜀の滅亡は本書の成立から22年後の[[263年]]([[炎興]]元年)であるので、本書成立時に存命中の人物(評価の定まっていない人物)については記載されていない(例:[[蒋エン|蒋琬]]、[[費イ|費禕]]、[[ショウ周|譙周]]、[[姜維]]、[[劉禅]]など)。 本書で挙げられる人物には『蜀書』に伝記の無い人物もいる。[[陳寿]]は『蜀書』に本書を収録するに当たり、伝記を設けなかった人物に対して簡単な説明文を加えた。後に[[裴松之]]が『三国志』に注を付けた際、さらに補足が加えられた。 陳寿が『蜀書』に本書を収録したのは、本文の補足であると共に、故国への特別な思い入れによる編集といわれている。 == 掲載されている人物 == 登場順<!--(原書にナンバーは振られていない カウントしやすいように)-->。役職や連名になっている者は、ちくま学芸文庫版の原文通り。'''太字'''は陳寿が説明を補足した人物。 # [[劉備|昭烈皇帝(劉備)]] # [[諸葛亮|諸葛丞相]] # [[許靖|許司徒]] # [[関羽|関雲長]]・[[張飛|張益徳]] # [[馬超|馬孟起]] # [[法正|法孝直]] # [[ホウ統|龐士元]] # [[黄忠|黄漢升]] # [[董和|董幼宰]] # [[トウ方|鄧孔山]] # '''[[費観|費賓伯]]''' # [[王連|王文儀]] # [[劉巴|劉子初]] # [[糜竺|糜子仲]] # '''[[王謀|王元泰]]'''・'''[[何宗|何彦英]]'''・[[杜微|杜輔国]]・[[周羣|周仲直]] # '''[[呉懿|呉子遠]]''' # [[李恢|李徳昂]] # [[張裔|張君嗣]] # [[黄権|黄公衡]] # [[楊洪|楊季休]] # [[趙雲|趙子龍]]・'''[[陳到|陳叔至]]''' # '''[[輔匡|輔元弼]]'''・'''[[劉ヨウ (蜀漢)|劉南和]]''' # [[秦フク|秦子勅]] # [[李厳|李正方]] # [[魏延|魏文長]] # [[楊儀|楊威公]] # [[馬良|馬季常]]・'''衛文経'''・'''韓士元'''・'''[[張存|張処仁]]'''・'''[[殷観|殷孔休]]'''・'''[[習禎|習文祥]]''' # '''[[王甫|王国山]]'''・'''[[李邵|李永南]]'''・'''[[馬勲|馬盛衡]]'''・'''[[馬斉|馬承伯]]'''・'''[[李福|李孫徳]]'''・'''[[李朝 (蜀)|李偉南]]'''・'''[[龔禄|龔徳緒]]'''・'''[[王士|王義彊]]''' # '''[[馮習|馮休元]]'''・'''[[張南|張文進]]''' # '''[[程畿|程季然]]''' # '''[[程祁|程公弘]]''' # '''[[糜芳]]'''・'''[[士仁]]'''・'''[[カク普|郝普]]'''・'''[[潘濬]]''' 最後の行の4名に関しては、役職や[[字]]で書かれていない。ちくま学芸文庫の注釈では「国家への裏切り者に対する、陳寿の気持ちの表れ」と説明されている。 == 補足された人物 == === 陳寿が補足で紹介した人物 === 『季漢輔臣賛』の本文には無く、陳寿が『蜀書』に『季漢輔臣賛』を収録するにあたり補足で紹介を加えた人物である。 * [[何双|何漢偶]]([[何宗|何彦英]]の息子) * [[呉班|呉元雄]]([[呉懿|呉子遠]]の族弟) * [[習禎|習忠]]([[習禎|習文祥]]の息子) * [[姚チュウ|姚子緒]]([[馬勲|馬盛衡]]・[[馬斉|馬承伯]]に関連) * [[傅トウ|傳肜]]、[[傅僉]](傳肜の息子) 上記の他、[[殷観|殷孔休]]については「先主伝(劉備伝)に記述がある」と補足されている。衛文経、韓士元に関しては「詳細不明」として、伝記を設けなかった理由を述べている。 === 裴松之が補足した人物 === * [[楊顒|楊子昭]]([[王謀|王元泰]]に関連) * [[習禎|習文祥]]、[[習禎|習忠]]、[[習禎|習隆]]([[習禎|習忠]]の息子) * [[李バク (蜀漢)|李漢南]]([[李邵|李永南]]の兄) * [[李福|李孫徳]] * 李氏の三龍([[李朝 (蜀)|李偉南]]、[[李邵|李永南]]兄弟と、夭折した弟を合わせた呼び名。裴松之は「[[李バク (蜀漢)|李漢南]]は三龍に含まないはず」と自説を述べている) * [[王嗣|王承宗]]・[[常播|常文平]]・[[衛継|衛子業]](蜀漢時代の人物) == 参考文献 == *[[陳寿]]著、[[裴松之]]注、[[井波律子]]訳 『正史 三国志5 蜀書』 筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、1993年、ISBN 4-480-08045-7。 [[Category:三国志|きかんほしんさん]] [[zh:季漢輔臣贊]]
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