女川町

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テンプレート:Infobox 女川町(おながわちょう)は、宮城県にあり、太平洋沿岸に位置するである。日本有数の漁港である女川漁港があるほか、女川原子力発電所が立地することでも知られる。

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女川町役場仮設庁舎 宮城県牡鹿郡女川町女川浜字大原316

概要

町域は、南三陸金華山国定公園地域に指定されている。北上山地太平洋が交わるリアス式海岸は天然の良港を形成し、カキ(牡蛎)やホタテガイ(帆立貝)、ギンザケ(銀鮭)などの養殖漁業が盛んで、金華山沖漁場が近いことから、地方卸売市場には暖流寒流の豊富な魚種が数多く水揚げされる。

また、町のには石巻市とまたがって東北電力女川原子力発電所があるが、現在は運転停止中。

地理

自然

主要な地形

  • 山地 :高梨山、石投山、黒森山、高崎山、唐松山、大六天山、袴ヶ岳
  • 河川系国土地理院の広域地図に掲載されるほどの規模の川や湖沼は町域に存在しない。町名の由来とされる「女川」は小川である。
  • 近海・沿岸地形 :御前湾、女川湾、五部浦湾、大貝崎、万石浦出島江島足島

広域地域区分

宮城県内の地勢的な地方区分である、北部・中部・南部のうち、中部地方に属し、その北東部に位置する。

cf. 宮城県の地方区分図(参考):≪外部リンク≫ テンプレート:Cite web

21世紀の宮城県の広域行政圏としては、石巻市東松島市とともに、広域石巻圏を形成する。

cf. 宮城県地域区分図 :≪外部リンク≫ テンプレート:Cite web

隣接している自治体

cf. 宮城県の市町村全図 :≪外部リンク≫ テンプレート:Cite web
  • 石巻市が女川町を取り囲むかたちで北部・西部から南部にかけて幅広く隣接する(西部の一部と東部は太平洋に開ける)。

町内の地域

cf. ≪外部リンク≫テンプレート:Cite web
cf. ≪外部リンク≫ テンプレート:Cite web

歴史

女川町の由来

女川町西方背後にある黒森山の麓にあたる奥地に安野平(あのたいら)という所から流れ出る渓流がある。平安時代安倍貞任の軍勢が隣村・稲井(現在の石巻市稲井)の館に寄り、源氏方の軍と戦ったとき、一族の婦女子を安全地帯であった安野平に避難させた。このことから、ここから流れ落ちる小川を「女川」と呼ぶようになった。

1889年明治22年)4月1日に町村制が施行された際、藩政時代の女川組20浜の各村を合併して女川村と称した。テンプレート:要出典範囲1926年大正15年)4月1日に町制へ変更され、女川町となる。

女川湾の歴史

女川湾は比較的水深が深く、宮城県に寄港する大型船舶の碇泊地になることが多かった[1]。なかでも、塩釜港石巻港浚渫整備される以前は、大日本帝国海軍艦船の入港が多く、商港の整備に当たって軍港誘致の請願が行われたことがある[1]第二次世界大戦中には、東北地方太平洋岸の防空対潜任務のため、横須賀鎮守府隷下の「女川防備隊」が設置され、艦艇が配置された[2]。また、大戦末期の1945年昭和20年)8月9日には連合国軍機による空襲を受けて大日本帝国海軍艦艇7隻が撃沈されている[3][2]テンプレート:Main

年表

近代以降

テンプレート:See also

行政区域の変遷(市町村制施行以後)

行政

女川町の財政は、東北電力女川原子力発電所によって「原子力発電施設等周辺地域交付金」および「電力移出県等交付金」からなる「電源立地特別交付金」が交付されるため、近隣の市町村と比べると潤沢な財政を持つ。また、地方交付税交付金が支給されていない地方公共団体である。そのため、石巻市など周辺市町村との合併には消極的である。

歴代町長

歴代 氏名 就任年月日 退任年月日 備考
?
須田善明 2011年平成23年)11月13日 <center>(現職) 平成11年~宮城県議会議員
<center>? 安住宣孝 1999年平成11年)9月19日 2011年平成23年)11月12日 東日本大震災が発生。
<center>? 須田善二郎 1983年昭和58年)5月 1999年平成11年) 在任中に他界。2人目の名誉町民
<center>? 木村主税 1947年昭和22年)4月 1983年昭和58年)5月 83年2月、初当選以来十期連続での当選を果たす。しかし、体調を崩しながらの選挙で無理をしたことがたたり、当選後間もなく入院。同年5月、他界する。初めての名誉町民。

警察

  • 石巻警察署 女川交番 :東日本大震災で被災後、女川浜大原190(女川総合グラウンド内)で仮設交番として機能中[5]
  • 石巻警察署 指ヶ浜駐在所 :震災で被災後、閉設中(所在地:指ヶ浜指ヶ浜1)[5]

郵便事業

  • 女川郵便局

経済

産業

水産業
ギンザケホタテガイアワビホヤカキなどの養殖漁業に加え、サンマなどの沿岸漁業も盛んである。特にギンザケとサンマの水揚げ量は全国でも有数。
産業人口
第一次産業:997人、第二次産業:2,256人、第三次産業2,942人(2000年国勢調査
企業

地域

人口

テンプレート:人口統計

教育

中学校

小学校

  • 女川町立女川小学校

廃止された学校

  • 宮城県女川高等学校(2014年3月31日閉校)
  • 女川町立女川第一中学校(2013年3月31日、女川中学校に改称して第二中と統合された。)
町が東日本大震災で被災した後、損壊著しい町庁舎に代えて、本校校舎2階に女川町災害対策本部が置かれている[6]
  • 女川町立女川第二中学校(閉校)
  • 女川町立女川第一小学校(2013年3月31日、女川小学校に改称して他の町立小と統合された。)
文部科学省が推進する学力向上フロンティア事業[7]の指定校(フロンティアスクール)。
  • 女川町立女川第二小学校(閉校)
  • 女川町立女川第三小学校(震災より以前に、第二小に統廃合されて閉校。)
  • 女川町立女川第四小学校(閉校)

交通

港湾

女川〜出島江島間の定期航路(シーパル女川汽船
女川〜金華山航路(潮プランニング[8]
国道398号の前身となる宮城県道女川志津川線が開通するまでは、女川港から塚浜港や、石巻市旧雄勝町域までの定期航路が存在した(雄勝港、船越港)[1]

鉄道

※かつては金華山軌道が走っていた。
  • 隣接市町村への連絡
石巻線 石巻駅から女川駅まで約30分
  • 都道府県庁への連絡
石巻線 石巻駅から女川駅まで約30分
仙石線 仙台駅から石巻駅まで約60分
  • 都道府県庁への連絡
石巻線 石巻駅から女川駅まで約30分
仙石線 仙台駅から石巻駅まで約60分

路線バス

道路

一般国道

県道

道の駅

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

名所・旧跡・観光スポット

祭事・無形文化財等

ゆかりのある著名人

出身著名人

大正生まれ
昭和生まれ
生年未確認

その他のゆかりある著名人

東日本大震災

ファイル:Wide view of Onagawa after tsunami.jpg
被災した女川町(2011年4月10日撮影)

2011年平成23年)3月11日14時46分18秒、マグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震が発生し、女川町は女川原子力発電所震度計震度6弱を観測した[9][10](町内の検測所は津波で流失)。 さらにこの地震が引き起こした津波に襲われ、沿岸部は壊滅的被害を負った[11]東日本大震災[12][注 1][注 2]。また、港湾空港技術研究所の調査によれば、津波の最大波高(浸水高[注 3])は女川漁港の消防庁舎で海抜14.8mを記録した[13][14]

津波で3階建ての町庁舎も冠水した[11]が、町長以下職員は間一髪屋上に避難して無事であった。女川原子力発電所は高台にあったため辛うじて津波の直撃を免れたものの、発電所を管理する宮城県原子力センターや原子力防災対策センター(双方とも2階建ての建物)は屋上まで冠水し、環境放射線監視システム[注 4]が壊滅。職員の多くも行方不明となったため、国や県に一時的に報告ができないという状態に陥った[15]

女川湾から約100mのところにあった七十七銀行女川支店では高さ約10mの屋上に行員が避難したが津波に飲み込まれた[16]

東北電力は女川原子力発電所の潮位計の記録を解析し、当施設が浸水高13mの津波に襲われていたことを、4月7日に公表した[17]。女川原発の敷地の標高は14.8mであるが、地震で約1m地盤沈下したことが分かっており、計算上、津波は敷地まで80cmの高さにまで迫っていたことが判明した[17]。実際、津波の飛沫の痕跡が敷地の外縁に残っていた[17]。なお、最大波から15分ほど後に発生した強い引き波のときには、海水面が下がりすぎて原子炉を冷却するための取水口が3- 5分の間むき出しになっていた可能性もあるという[17]

町域にある鉄道駅のうちJR石巻線女川駅は、土台だけを残して駅舎が流失したほか、駅に停車中であった列車や町営温泉の保存車両等が流されるなど、甚大な被害を受けた[12][18]。また、女川-石巻間では線路が損傷した[19]

更に鉄筋コンクリート製のビル6棟が基礎部分ごと地面から抜けて横倒しになる被害も発生した。液状化現象で基礎が浮き上がった所を津波になぎ倒されたと思われる。世界的にも例の無い被害である事から、町では被害資料として保存する方針を固めている[20][21]

脚注

注釈

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

出典

テンプレート:Reflist

参考文献

関連項目

テンプレート:Sister

外部リンク

テンプレート:Geographic Location

テンプレート:Navbox
  1. 1.0 1.1 1.2 女川町誌。
  2. 2.0 2.1 テンプレート:Cite web
  3. 3.0 3.1 大内(2009)
  4. 図典 日本の市町村章 p35
  5. 5.0 5.1 テンプレート:Cite web
  6. 6.0 6.1 テンプレート:Cite web および2013年9月に女川町からも同様の回答をメール返信で受けた
  7. テンプレート:Cite web
  8. テンプレート:Cite web
  9. テンプレート:Cite web
  10. テンプレート:Cite web
  11. 11.0 11.1 11.2 テンプレート:Cite news:被災状況全図。
  12. 12.0 12.1 テンプレート:Cite news
  13. テンプレート:Cite web
  14. テンプレート:Cite news
  15. テンプレート:Cite web
  16. テンプレート:Cite web
  17. 17.0 17.1 17.2 17.3 テンプレート:Cite news
  18. テンプレート:Cite web
  19. テンプレート:Cite news
  20. テンプレート:Cite news
  21. テンプレート:Cite news
  22. テンプレート:Cite web
  23. テンプレート:Cite web
  24. テンプレート:Cite web:※資料に住家と公共施設の区別無し。
  25. テンプレート:Cite web:原典は国土地理院提供資料。


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