塩素酸カリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Chembox 塩素酸カリウム(えんそさんカリウム、potassium chlorate)は化学式 KClO3 と表される、カリウム塩素酸塩塩剥(えんぼつ、えんぽつ)ともいう。CAS登録番号は [3811-04-9]。1786年に、パートレットにより合成された。

性質

ClO3(aq)+ 6 H+(aq) + 6 e = Cl(aq) + 3 H2O,  E°= 1.45 V

生成方法

塩化カリウム水溶液を熱時電解してつくられる。熱すると 400 ℃で分解して過塩素酸カリウム塩化カリウムになる。

<math>

\rm 4KClO_3 \longrightarrow 3KClO_4 + KCl </math>

さらに加熱すれば、酸素を放ってすべてが塩化カリウムとなる。この反応は金属酸化物、とくに二酸化マンガン MnO2 を加えると促進され、70 ℃ ぐらいで酸素を発生しはじめるので、実験室などで酸素を得るために利用される。ただし、有機物硫黄炭素などが混ざると爆発することがあるので、注意を要する。

用途

酸化剤としてマッチ花火爆弾などの原料となり、漂白剤・染料・医薬品などの製造にも用いられる。長期間保存したものは亜塩素酸カリウムを含み、乾燥状態では有機物・リン・硫黄などの可燃性物質と接触しただけでも爆発することがある。また新しいものでも摩擦・衝撃などに鋭敏で、爆発事故をおこしやすく、濃硫酸・濃硝酸に触れても爆発しやすい。混合爆薬として用いられることもある。

危険物取扱および関連法規

日本国内では消防法により第1類危険物(酸化性固体)、毒物及び劇物取締法により劇物と規定される。

参考文献

テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:カリウムのオキソ酸塩

テンプレート:Chem-stub
  1. 『化学大辞典』 共立出版、1993年