国際連合安全保障理事会

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テンプレート:Redirect テンプレート:Infobox UN 国際連合安全保障理事会(こくさいれんごうあんぜんほしょうりじかい、United Nations Security Council)は、国際連合の主要機関の一つ。安全保障理事会は、実質的に国際連合の中で最も大きな権限を持っており、事実上の最高意思決定機関である。国連主要機関の中で法的に国際連合加盟国を拘束する権限がある数少ない機関でもある。その目的や権限は、国際連合憲章に定められていて世界の平和と安全の維持に対して重大な責任を持つことが規定されている。略して安全保障理事会または安保理(あんぽり)ともいわれている。

構成

5つの「常任理事国(Permanent members)」と、国際連合加盟国の中から総会で選ばれる10の「非常任理事国(non-Permanent members)」の計15か国から構成されている。1965年の改革以前は非常任理事国は6か国で、計11か国であった[1]

理事国の代表(国連大使)は、国際連合本部に常に滞在していることが義務づけられている。これは、緊急事態に際して迅速に集まって会合を開くことができるようにするためである。国際連盟が、しばしば緊急時に素早い対応ができなかったことへの反省から国際連合ではこのような義務付けがなされた。

非常任理事国の任期は2年。現在はアジア2、アフリカ3、中南米2、西ヨーロッパなど2、東ヨーロッパ1の配分になっている。

非常任理事国の選出は選挙で行われる。毎年半数を改選し、投票は国連加盟国の無記名投票。選出には3分の2の賛成が必要で、どの国も条件を満たさない場合は何度でも再投票を行う。日本は非常任理事国として10期務めた。延べ20年間にわたって非常任理事国を務めたことになる。10期の任期はブラジルと並び世界最多。

理事国

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常任理事国

テンプレート:Main 常任理事国はアメリカ合衆国イギリスフランスロシア連邦中華人民共和国の5か国である。1945年の国連設立時の常任理事国は、アメリカ合衆国、イギリス、フランス、ソビエト連邦中華民国で、いずれも第二次世界大戦に勝利した連合国である。その後、1971年にそれまで中華民国(台湾)が持っていた代表権があらためて中華人民共和国に与えられたこと(アルバニア決議)により常任理事国に移動が発生。1991年にはソ連の解体にともなって同国が持っていた国連代表権がロシアへと引き継がれた。英語の「permanent members」から、「P5」と呼ばれる。

非常任理事国

非常任理事国は、常任理事国以外の国際連合加盟国の中から選出される。任期は2年で、毎年半数の5か国が改選される。再任は出来ず、必ず退任する。選出の手順は、まず各地域グループが候補を選び、国際連合総会で3分の2以上の支持で承認される。支持が3分の2に満たない場合は、達するまで投票を繰り返す。

地域ごとの配分は、アジアアフリカ西ヨーロッパその他・中南米の各地域が2か国ずつ、東ヨーロッパは1か国を選ぶ。残る1か国はアジアとアフリカの間で交互に選ぶ。

非常任理事国一覧
2013年1月1日 - 2014年12月31日
テンプレート:Flagicon オーストラリアテンプレート:Flagicon ルクセンブルクテンプレート:Flagicon アルゼンチンテンプレート:RWAテンプレート:Flagicon 韓国
2014年1月1日 - 2015年12月31日
テンプレート:TCDテンプレート:Flagicon ナイジェリアテンプレート:Flagicon リトアニアテンプレート:Flagicon チリテンプレート:Flagicon ヨルダンテンプレート:Flagicon サウジアラビア
サウジアラビアは2013年10月18日に、国連安保理のメカニズムや二重基準が国際紛争への適切な対応を不可能にしていると批判して、非常任理事国入りを辞退するとの声明を行った[2][3][4]。このため、サウジアラビアの代わりとなる非常任理事国を選ぶやり直しの投票が12月6日に行われ、ヨルダンが選出された[5]
日本の非常任理事国入り
2011年現在、日本は10回当選し、1958年-1959年、1966年-1967年、1971年-1972年、1975年-1976年、1981年-1982年、1987年-1988年、1992年-1993年、1997年-1998年、2005年-2006年、そして2009年-2010年に理事国を務めてきた。通算の期間は20年であり、これは常任理事国以外ではブラジルと並び最長である。一方で140か国は1度だけの選出か未選出である。
2008年10月17日に実施された2009-10年の改選にあたっては、アジア・グループ枠では日本のほかにイランが立候補していた。ただし、イランは経済制裁下にあったために、投票前から日本が優位と言われていた。イラン側は日本はモンゴルが立候補を予定していたのを3億5000万円の無償支援により譲って貰ったこと、日本の多選(イランは1度だけ)、「米国の傀儡」(対米追従)であることなどを批判していた。

決議

テンプレート:Seealso 意思決定は、9理事国以上の賛成票による。ただし、重要問題である実質事項の決定においては、常任理事国(アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国)はいわゆる拒否権を有し、1か国でも反対すると成立しない(大国一致の原則)。これを国家主権の平等に反しているとして疑問視する声も多いが、5か国の一致により決定の実効性を保ち、かつ、5か国が世界の安全保障に関し重大な責任を負うためこのような制度が設けられている。世界の安全保障にとって脅威となる国家が現れた場合、理事会で対応が議論され、しかるべき対応がなされる。しかし、いわゆる拒否権制度と矛盾してしまうため、少なくとも安全保障理事会においては、すべての常任理事国は世界の安全保障の見解に関して決裂することはありえない、という前提のもとで理事会は活動している。しかし実際には決裂し意思決定ができなくなることが多々ある(詳しくは、国際連合の歴史を参照)。このため、1950年に総会で、平和のための結集決議が採択されて安全保障に対する一定の権限が総会にも付与された。

安全保障理事会は、国際連合が設立された第二次世界大戦時の国際情勢をほぼそのまま反映しており、時代変化に見合った憲章改正について活発な議論が交わされている。

議長国

安全保障理事会の議長国は、構成国の英語名でアルファベット順、1か月単位で交代する持ち回り制となっている。

会議場

会議場はノルウェーの建築家アーンシュタイン・アーネバーグが設計しノルウェーが寄贈した。正面の大壁画はノルウェーの画家パー・クローグが、第二次世界大戦後の象徴として灰の中から不死鳥が飛び立つ様を描いた。また、壁の青と金色の絹のタペストリーと、イースト・リバーを見渡す窓のカーテンが信頼の錨、伸びる希望の小麦、慈悲の心を表す。

補助機関

安全保障理事会の補助機関として、以下のようなものがある。

ほか

常任理事国改革

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現在、国際連合は安全保障理事会の改革を求められており、その改革案は理事国の拡大案のことと言い切ってよい。日本・ドイツ・インド・ブラジル・フランスなどがこの案(A案)を支持している。常任理事国入りを希望している主な国は次の通り。

しかし、中国・イタリアなどは任期4年で再選可能な準常任理事国を創設する案(B案)を支持している。これは、隣国・近国が常任理事国になることによって自国の国際的影響力が相対的に低下すること、新常任理事国が自国の安全保障にとっての「潜在的脅威」となり得ることを恐れているためだと考えられる。

実際、日本・ドイツ・インド・ブラジルの常任理事国入りに反対しているのは、これらの4か国の周辺の国である。反対している国は、表向きは4か国すべての常任理事国入りに反対しているものの、実際には全ての国ではなく隣国・近国の常任理事国入りに反対している。具体的には以下のとおり。

  • 大韓民国[6]・中国:日本の常任理事国入りには反対しているが、ドイツとインドの常任理事国入りにおいては逆に支持を表明し、これがアンチドイツの各国から批判を浴びた。
  • イタリアオランダスペインポーランドチェコオーストリアイスラエル:ドイツの常任理事国入りに反対している。なおイタリアは日本・インド・ブラジルについては態度を明確にしていない。
  • パキスタン:インドと政治的・宗教的に対立しているため反対。
  • アルゼンチンコロンビアメキシコ:ブラジルがポルトガル語圏であることから、スペイン語圏国家として反対している。このグループは1993年にイタリアや韓国の呼びかけで結成された。別名「コーヒークラブ」。

なお、南アフリカ共和国ナイジェリアなどのアフリカ諸国は4か国全ての常任理事国入りに反対している。

改革案には、様々なものがあり、どの案も憲章改正に必要な加盟国の支持を得られていないが、憲章の改正には、最終的に現常任理事国たるアメリカ、イギリス、フランス、ロシア連邦、中華人民共和国の全ての批准を必要とし、1ヵ国であったとしても批准がなされないと、憲章改正は実現しないため、現常任理事国が明白に反対表明している改正案は、実現困難といえる。(その他の主な草案は国際連合安全保障理事会改革を参照)。

関連項目

注釈

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外部リンク

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テンプレート:国連安全保障理事会理事国
  1. Weiss, Thomas G. The Illusion of UN Security Council Reform, Washington Quarterly, Autumn 2003
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  6. 対日関係全面見直し決議、韓国国会が採択 朝日新聞 2001年7月18日