国盗り物語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Otheruseslist テンプレート:Portal国盗り物語』(くにとりものがたり)は、司馬遼太郎歴史小説。斎藤道三編・織田信長編の、二編構成からなる。

1963年から1966年にかけて『サンデー毎日』に連載。新潮社で、1965~67年に全4巻と前・後編2巻の単行本(新版は1991年)で刊行。新潮文庫全4巻で多数重版している。『司馬遼太郎全集. 10・11』(文藝春秋)にもある。

概要

一介の油売りから身を起し美濃一国を手に入れた斎藤道三、道三の娘婿であり、尾張一国から天下布武を押し進めた織田信長を主人公とした作品。連載当初は道三の生涯のみを扱う構想で、題名の「国盗り物語」は道三の生涯にちなんでいる。編集部の意向を受けて連載は続けられ、道三が主役の斉藤道三編では美濃一国を手にするまでの争いだったが、信長が主役となる織田信長編では信長編と銘打ちながらも、道三の甥にあたる明智光秀がクローズアップされ、光秀の視点で信長が語られている。信長の前に立ちはだかる敵対勢力も武田信玄石山本願寺毛利家など名だたる大大名や一大勢力になり、天下統一を賭けた戦いへとスケールアップ。クライマックスは天下統一の夢を抱いた道三の相弟子と位置付ける両者が最終的に本能寺の変で激突し、重層的な構造になっている。司馬遼太郎の長編小説の中でも構成に破綻がなく秀作と評される傾向にあり、伊東光晴らが1994年に選んだ「近代日本の百冊」(講談社)の中の一冊に選ばれている。

物語

斎藤道三編

時は戦国時代。妙覚寺の法漣房は、「松波庄九郎」と名乗り、天下の主となる夢を持って寺を出ると、京の油屋・奈良屋をのっとり、莫大な資産を獲得した。だが天下取りの野望を捨てない彼は美濃にくだり、土岐頼芸に仕える。かつては「知恵第一の法蓮房」と呼ばれた庄九郎は、策謀の限りを尽くして頼芸を追い出し、美濃を手中に入れる。名前がころころ変わる庄九郎は、出家して「斎藤道三」と名乗った…

織田信長編

織田信長は道三の娘・濃姫と結婚した。道三の学識的な所を受け継いだのは明智光秀であり、革新的な所を受け継いだのは信長であった。道三は息子(正しく言えば頼芸の子)である義竜によって滅ぼされる。信長は義竜の子・竜興を破り、ついには京にのぼる。一方、信長に仕えるようになった光秀は、彼に敬服しながらも、家臣を使い捨てるように扱う信長に対して反感を持つ。それはやがて本能寺の変の因となっていく。光秀は本能寺で信長を討ち、すべては終わったと思われたが…

書誌情報

  • 『国盗り物語 (一) 斎藤道三 前編』 ISBN 4101152047
    新潮文庫、初版1971年、改版1990年、新版2004年、以下同)
  • 『国盗り物語 (二) 斎藤道三 後編』 ISBN 4101152055
  • 『国盗り物語 (三) 織田信長 前編』 ISBN 4101152063
  • 『国盗り物語 (四) 織田信長 後編』 ISBN 4101152071

ドラマ化

今までにNHKテレビ東京で二度に渡りドラマ化している。

大河ドラマ版

NHKにより大河ドラマ化され、1973年1月7日-12月23日の間放映。司馬の戦国関係作品から設定を加えている。 テンプレート:Main

新春ワイド時代劇版

テレビ東京新春ワイド時代劇にて放送(2005年1月2日)。主人公2人にゆかりの深い岐阜県の岐阜放送が、新春ワイド時代劇本放送を初めて同時ネットした作品である。

キャスト

テンプレート:前後番組

関連項目

テンプレート:司馬遼太郎