啓蟄のソースを表示

{{節気}}
'''啓蟄'''（けいちつ）は、[[二十四節気]]の第3。二月節（[[旧暦1月]]後半から[[旧暦2月|2月]]前半）。

現在広まっている[[定気法]]では[[太陽黄経]]が345[[度 (角度)|度]]のときで[[3月6日]]ごろ。[[暦]]ではそれが起こる[[日]]だが、[[天文学]]ではその瞬間とする。[[平気法]]では[[冬至]]から5/24年（約76.09日）後で[[3月8日]]ごろ。

期間としての意味もあり、この日から、次の節気の[[春分]]前日までである。

==季節==
大地が温まり[[冬眠]]をしていた虫が穴から出てくるころ。『[[暦便覧]]』には「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」と記されている。

[[柳]]の若芽が芽吹き、[[フキ|ふきのとう]]の花が咲くころ。

==日付==
{|class="wikitable" align="left"
|-
! 年 !! 日時 (UT) !! 日本 !! 中国
{{節気の日付|2001|03|05|12|32}}
{{節気の日付|2002|03|05|18|27}}
{{節気の日付|2003|03|06|00|04}}
{{節気の日付|2004|03|05|05|55}}
{{節気の日付|2005|03|05|11|45}}
{{節気の日付|2006|03|05|17|28}}
{{節気の日付|2007|03|05|23|18}}
{{節気の日付|2008|03|05|04|58}}
{{節気の日付|2009|03|05|10|47}}
{{節気の日付|2010|03|05|16|46}}
{{節気の日付|2011|03|05|22|31}}
{{節気の日付|2012|03|05|04|21}}
{{節気の日付|2013|03|05|10|14}}
{{節気の日付|2014|03|05|16|02}}
|}
啓蟄の瞬間の日時 ([[世界時|UT]]) と、日本・中国での日付は表のとおり。
{{clear}}

{|class="wikitable" align="left"
! rowspan="2" | 年 !! colspan="4" | 年を4で割った余り
|-
! 0 !! 1 !! 2 !! 3
|-
| 	[[1800年]] - [[1823年]]	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日
|-
| 	[[1824年]] - [[1855年]]	||	|5日	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日
|-
| 	[[1856年]] - [[1887年]]	||	|5日	||	|5日	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日
|-
| 	[[1888年]] - [[1899年]]	||	|5日	||	|5日	||	|5日	||	bgcolor=cyan|6日
|-
| 	[[1900年]] - [[1919年]]	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=lime|7日
|-
| 	[[1920年]] - [[1955年]]	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日
|-
| 	[[1956年]] - [[1987年]]	||	|5日	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日
|-
| bgcolor=pink|	[[1988年]] - [[2019年]]	||	|5日	||	|5日	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日
|-
| 	[[2020年]] - [[2051年]]	||	|5日	||	|5日	||	|5日	||	bgcolor=cyan|6日
|-
| 	[[2052年]] - [[2087年]]	||	|5日	||	|5日	||	|5日	||	|5日
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| 	[[2088年]] - [[2099年]]	||	bgcolor=yellow|4日	||	|5日	||	|5日	||	|5日
|-
| 	[[2100年]] - [[2119年]]	||	|5日	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日
|-
| 	[[2120年]] - [[2155年]]	||	|5日	||	|5日	||	bgcolor=cyan|6日	||	bgcolor=cyan|6日
|-
| 	[[2156年]] - [[2183年]]	||	|5日	||	|5日	||	|5日	||	bgcolor=cyan|6日
|-
| 	[[2184年]] - [[2199年]]	||	|5日	||	|5日	||	|5日	||	|5日
|}
{{節気日付パターン説明|啓蟄}}
[[1920年]]から[[2087年]]までは[[3月5日]]、[[3月6日]]のいずれか。[[1919年]]までは[[3月7日]]もあった。[[2088年]]からは[[3月4日]]が出現する。
{{clear}}

== 驚蟄 ==
啓蟄のことを日本以外の[[漢字文化圏]]では'''驚蟄'''（惊蛰、{{ピン音|jīngzhé}}）と書く。また日本でもそう書く場合がある。

これは、[[前漢|漢]]王朝6代皇帝である[[景帝 (漢)|景帝]]の[[諱]]が「啓」（現代北方音: qǐ）であり、[[避諱]]して意味が似ている「驚」の字で代用したことに由来する。同時に、孟春正月の驚蟄と、仲春二月節の「雨水」との順番を入れ換えた。同様に、「[[穀雨]]」と「[[清明]]」の順次も入れ換えた。
*漢初以前　立春 ⇒ 啓蟄 ⇒ 雨水 ⇒ 春分 ⇒ 穀雨 ⇒ 清明
*漢景帝代　立春 ⇒ 雨水 ⇒ 驚蟄 ⇒ 春分 ⇒ 清明 ⇒ 穀雨

[[唐]]代に入ると、啓の字を避ける必要がなくなったことから「啓蟄」に戻された。それと同時に、順次も孟春正月中に変えられている。しかし、使い慣れないせいもあって[[大衍暦]]で再び「驚蟄」に戻され現在に至る。

日本でも、中国と同様に「驚蟄」が歴代の具注暦に使われている。後に日本でも大衍暦と[[宣明暦]]を採用したが、驚蟄は、日本では、仲春二月節とされた。日本で「啓蟄」が名称として用いられたのは、[[貞享]]の改暦の時である。従来の仲春二月節のまま、文字だけが改められた。二十四節気の名称のうちで日本と中国で異なっているのはこれだけである。

アメリカには[[ジリス]]の一種グラウンドホッグが外に出るか、出ないかで春を占う「[[グラウンドホッグデー]]」というものがある。

== 七十二候 ==
啓蟄の期間の[[七十二候]]は以下の通り。
;初候
:'''蟄虫啓戸'''（ちっちゅう こを ひらく）：冬蘢りの虫が出て来る（日本）
:'''桃始華'''（もも はじめて はなさく）：[[モモ|桃]]の花が咲き始める（中国）
;次候
:'''桃始笑'''（もも はじめて わらう）：桃の花が咲き始める（日本）
:'''倉庚鳴'''（そうこう なく）：山里で[[ウグイス|鶯]]が鳴き始める（中国）
;末候
:'''菜虫化蝶'''（なむし ちょうと けす）：青虫が羽化して[[紋白蝶]]になる（日本）
:'''鷹化為鳩'''（たか けして はとと なる）：[[鷹]]が[[郭公]]に姿を変える（中国）

== 前後の節気 ==
[[雨水]] → '''啓蟄''' → [[春分]]

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references />

== 参考文献 ==
* [[武田時昌]]「漢籍の時空と魅力」（[[京都大学人文科学研究所附属漢字情報研究センター]]編『漢籍はおもしろい』 [[2008年]]） ISBN 978-4-87636-280-6

{{DEFAULTSORT:けいちつ}}
[[Category:節気]]
[[Category:3月]]
[[Category:春の季語]]