名阪近鉄バス

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テンプレート:Infobox 名阪近鉄バス株式会社(めいはんきんてつバス、Meihan Kintetsu Co.,Ltd. )は、近鉄グループの中間持株会社三重交通グループホールディングス傘下のバス会社である。

概要

本社を名古屋市におき、名神ハイウェイバスを運行するとともに、岐阜県大垣市を中心にして70両あまりの路線バスを走らせている。また愛知県・岐阜県・三重県の三県で貸切バス営業を行っており、在籍する貸切車は200両を越える。

地元中京地区では近畿日本鉄道グループのバス会社であることから、単に近鉄バスとも称されている。なお、東大阪市に本社を置く近鉄バス株式会社とは同じ近鉄グループながら別法人(同社は親会社である近畿日本鉄道のバス部門を分離した会社)である。

同社は1930年に「大垣自動車」として設立し、独自資本の会社であったが、同じ地域にあった養老電鉄(現養老鉄道養老線)の傘下となった後に、近畿日本鉄道の100%子会社となった。

その後近鉄グループのバス事業再編に伴い、2007年10月1日をもって、営業エリアが一部重複する三重交通を傘下に持つ三重交通グループホールディングス(当時:三交ホールディングス)が、株式交換を行なったことで、同社の子会社となった[1]

沿革

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レインボーRJ
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ブルーリボンFD
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「ピクニック」塗装、浜松市にて

1930年大垣自動車として岐阜県大垣市で創立。その後幾度かの合併を経て岐阜県西部に路線を拡張すると共に、既に大阪電気軌道参宮急行電鉄(現在の近畿日本鉄道)の子会社となっていた養老電鉄(現・養老鉄道養老線)の傘下に入る。戦時統合を経て全ての発行株式を近鉄が取得し、完全に近鉄グループ傘下となる。

近鉄傘下となって以降は、1956年に名古屋市で観光バス事業を行っていた同系列の中京観光自動車を吸収合併。名古屋に進出すると同時に本社を名古屋市に移し、東海三県での観光バス事業を開始した。1958年に、社名を名古屋近鉄バスに改称。1960年に全線開通した伊吹山ドライブウェイの建設にも関与した。

その一方で1964年名神高速道路が開通し、この道路を走る高速バス路線を国鉄(現JR東海バス西日本JRバス)以外に数多くの民間会社が計画し混乱したため、混乱を収拾するため、運輸省(現国土交通省)による調整の上、日本急行バス名鉄京阪阪急近江鉄道などが出資)と日本高速自動車(近鉄・阪神南海の3社が出資)の2社に集約の上、名神ハイウェイバス運行を行うことにした。しかし、その後新幹線の開通やマイカーの普及などで乗客が低迷し、日本高速自動車は近鉄の単独出資の会社となった(同様に日本急行バスも、名鉄の単独出資となった。その後同社は、名古屋観光日急から名鉄観光バスを経て、現在は名鉄バスへ高速バス事業が移管された)。

1980年代以降の沿革は年表にまとめた。

  • 1983年 - 合理化の一環から、日本高速自動車・名古屋近鉄バスの両者が合併し、名阪近鉄高速バス株式会社と改称。
  • 1994年 - 現社名に改称される。
  • 2001年10月 - 名鉄揖斐線谷汲線廃止代替バスの運転が開始される。
  • 2005年9月30日 - 名鉄谷汲線の代替バスが廃止される。
  • 2005年12月22日 - これまで同社直営であった伊吹山ドライブウェイ日本自動車道株式会社に営業譲渡。
  • 2005年末 - 大阪営業所が営業を終了し、事業を奈良観光バスに譲渡。
  • 2006年1月16日 - 旧大阪営業所が、奈良観光バス大阪営業所として営業を開始。
  • 2007年10月1日 - 三重交通グループ持株会社・三交ホールディングス(現在の三重交通グループホールディングス)の完全子会社となり、近鉄傘下の会社としては「関連会社の子会社」となった。
  • 2008年末 - 岐阜営業所が営業を終了、大半の車両は大垣営業所に移った。

営業所

  • 名古屋営業所(名古屋市中川区) 貸切車と名神ハイウェイバス担当
  • 若森営業所(大垣市本今町) 路線バス担当
  • 揖斐営業所(揖斐郡揖斐川町脛永) 路線バス担当
  • 大垣営業所(大垣市内原) 貸切車担当
  • 四日市営業所(四日市市日永東) 貸切車担当
  • 松阪営業所(松阪市塚本町) 貸切車担当

廃止営業所

  • 大阪営業所(大阪市淀川区木川東) 淀川車庫と貸切車担当
    • 奈良観光バス大阪営業所。名神ハイウェイバスの折り返し基地としての使用は継続している。
  • 岐阜営業所(岐阜市入舟町) 貸切車担当

路線バス

自社のストアードフェアシステムは存在せず、岐阜バスayucaなども一切使えない。

大垣地区

  • 赤坂線:総合庁舎 - 市民病院前 - 大垣駅前 - 室本町(一部、大垣駅北口 - 徳洲会病院) - 宿地 - 赤坂総合センター
  • 荒尾線:市民会館 - 市民病院前 - 大垣駅前 - 室本町(一部、大垣駅北口 - 徳洲会病院) - 宿地 - 荒尾六丁目
  • ソフトピア線:大垣駅前 - (一部、) - 総合体育館 - ソフトピアジャパン - (一部、東町)
  • 開発住宅線:大垣市役所 - 大垣駅前 - 林東口 - 北高東口 - 開発住宅前
  • 川並線:大垣駅前 - 藤江町 - 公設市場前 - 川並今福
  • 青柳(あおやなぎ[2])線:大垣駅前 - 若森車庫前 - イビデン前 - バロー - イオンモール大垣
  • 荒崎線:大垣駅前 - 寺内町(一部、市民病院前) - 静里 - 中曽根(一部、西高前) - 長松 - 十六町
  • 稲葉線:大垣駅前 - 寺内町(一部、市民病院前) - 静里 - 中曽根(一部、西高前) - 長松 - 稲葉団地
  • 大垣多良線:大垣駅前 - 寺内町(一部、市民病院前) - 静里 - 高田西町 - 牧田上野 - 時
  • 大垣大野線:総合庁舎 - 市民病院前 - 大垣駅前 - 大垣駅北口 - 三ツ屋 - 神戸町役場前 - 大野バスセンター/大垣市役所 - 大垣駅前 - 大垣駅北口 - 三ツ屋 - 経大前
  • 女子短大線:大垣市役所 - 大垣駅前 - 大垣駅北口 - 日大高前 - 大垣女子短大
  • 岐垣(ぎえん)線:若森車庫前 - スイトピアセンター - 大垣駅前 - 市民病院前 - 墨俣 - 岐阜聖徳学園大学 - 岐阜流通センター南口(岐阜バスから移管)
  • 羽島線:ソフトピアジャパン - 大垣駅前 - 市民病院前 - 安八町役場前 - 岐阜羽島駅
  • 海津線:大垣駅前 - 市民病院前 - 西濃運輸前 - 横曽根 - 高須 - 海津庁舎
  • 輪之内線:大垣駅前 - 市民病院前 - 西濃運輸前 - 横曽根 - 福束 - 輪之内文化会館
  • 輪之内羽島線:輪之内文化会館 - イオンタウン輪之内 - 県立看護大学 - 岐阜羽島駅
  • 大垣伊吹山線(季節運行):大垣駅前 - 寺内町 - 静里 - 垂井口 - 関ヶ原駅 - 伊吹山
  • 経大スクール線:大垣駅前 - 大垣駅北口 - 日大高前 - 三ツ屋 - 経大前
  • 北高スクール線:大垣駅前 - 北高前
  • 大商スクール線:大垣駅前 - 大商前
  • 女子短大スクール線:大垣駅前 - 大垣駅北口 - 大垣女子短大

揖斐地区

  • 揖斐川町コミュニティバス(運行・車輌は名阪近鉄バス)
    • 揖斐川北部線:揖斐駅 - 揖斐川町役場前 - 本揖斐 - 揖斐峡 - 東津汲 - 広瀬 - 川上
    • 清水(きよみず)循環線:揖斐駅→揖斐川町役場前→本揖斐→清水→東瀬古→揖斐駅
    • 房島線:揖斐駅 - 揖斐川町役場前 - 房島 - 森前
    • 揖斐黒野線:揖斐駅 - 揖斐川町役場前 - 本揖斐 - 清水 - 黒野 - 大野バスセンター
    • 揖斐町線:揖斐駅 - 揖斐川町役場前 - 本揖斐
    • 春日線:揖斐駅 - 揖斐川町役場前 - 白樫口 - 新丁 - 川合 - 古屋/揖斐駅 - 小島小前 - 白樫口 - 新丁 - 川合 - 美束・古屋
    • 横蔵線:揖斐駅 - 揖斐川町役場前 - 本揖斐 - 谷汲農協前 - 谷汲山 - 木曽屋 - 横蔵
    • 谷汲口線:高科 - 谷汲口駅 - 結城 - 谷汲山 - 谷汲小前・谷汲中前

受託運行(揖斐川町コミュニティバス以外)

高速バス

車両

長らく全車日野自動車日野車体製で揃えていたが、2009年いすゞ自動車エルガを2台購入した。

路線車は大型10.5m車と中型車を中心に導入。一部は他社からの移籍車である。最近では路線バスの出口付近に、名阪近鉄バスが三重交通グループホールディングスの傘下に入ったことを示すための「SANCO」のステッカーが貼られている。

貸切車はスーパーハイデッカーを中心に導入。近年では全国的に数少なくなった豪華観光バスも在籍。「浪漫」「雅」「輝」の愛称で運行する。また、Jリーグ名古屋グランパス選手専用の特別車両も含んでいる。高速車は貸切車からの転用車が多かったが2011年に3台が新車で導入された(高速車の新車導入は2002年以来9年ぶり)[3]

塗装は一般路線用は白と赤・オレンジを基調としたもの。かつては近畿日本鉄道(現:近鉄バス)が1980年代まで使用していた2世代前の塗装と同じデザインだった(色合いは若干異なる)。貸切車は幾つかのカラーリングがあり統一されていないが、ベージュに赤・オレンジ・茶のライン(三重交通貸切車の旧塗装と色違い[4])が施されている車両が多い(他には白を基調に大きくKの文字を入れたものと、黄色地に踊るように丸ゴシックでKINTETSUと入った「ピクニック」塗装)。高速車は日本高速自動車時代に採用された白と赤・オレンジの塗装が長らく使われていたが、貸切車からの転用車は貸切時代の塗装をそのまま使用しており、2011年導入の新車もベージュ地の貸切塗装になった[3]

注釈

  1. テンプレート:PDFlink
  2. 近くにある養老鉄道の美濃青柳駅は「みのやなぎ」と読む
  3. 3.0 3.1 バスラマ・インターナショナル No.127 P.5 2011年8月25日 ISBN 978-4-89980-127-6
  4. ただし、この塗装は三重交通の色違いと思われがちだが、実際は1985年登場の名阪近鉄高速バスのサロンカー“スーパーグレイス46”(日野グランデッカー)に施されたオリジナル塗装。 これを同年12月に三重交通が、自社貸切バスの新カラーの塗り分けとして採用したもの。一方で三重交通は近年、パッチワーク調の新デザインに変更した。

関連項目

外部リンク

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