単子葉植物

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テンプレート:出典の明記 テンプレート:生物分類表 単子葉植物(たんしようしょくぶつ)とは、被子植物のうち、1枚の子葉を持つことで特徴づけられている植物の1群のことであり、双子葉植物としばしば対比される。

分類

名称

一般にの階級が当てられる。

系統

分子系統解析の知見によれば、単系統群である単子葉植物に対し、被子植物から単子葉植物を除いた双子葉植物は側系統群である。被子植物の進化の初期に、原始的な被子植物のいくつかのグループが分岐し、その後に単子葉植物が分岐した。単子葉類と姉妹群を作るのが、真正双子葉植物 (eudicots) である。

形態

双子葉植物に比べ、単子葉植物は、形態に共通点が多い。

単子葉植物は、その大部分が草本であり、木本になるものが少ない。ヤシ、センネンボク(ドラセナ)などの樹木では、の構造が双子葉植物などのそれと、かなり異なっており、維管束が散在する「不斉中心柱」をつくる。また、についても主根がはっきりしない、ひげ根ばかりのものが多い。

の形は基本的に細長く、葉脈が平行脈であることも共通する特徴の一つである(サトイモ科オモダカ科などの例外がある)。細く立った葉は、周囲の様々な方向からの輻射光を受けるのに有利と考えられ、双子葉植物の葉が水平に広がって直射光を受けるのに特化しているのと対照的である。このような構造は草原において有利なようで、単子葉類が優占する草原は数多い。

は、外花被3、内花被3が基本で、花弁が6枚に見えるもの、あるいは萼3枚花弁3枚に見えるものが多い。あるいは、それらの倍数のものも多い。

植物の科の中で最も多くの種が知られているラン科は、花や種子の構造が特殊化しており、虫媒花、風散布種子として特に進化したものと考えられている。

一方、イネ科は単子葉植物の中で2番目に多くの種が記載されている科であり、多くの有用植物を含む、重要な科である。カヤツリグサ科と共に、風媒による受粉を行う方向へ二次的に進化したもので、花弁は退化し、いくつもの花が包につつまれて1つの花のような形に進化したもの(小穂)を付ける。

また、海水中に進出した種子植物(海草)はすべてこれに含まれる。

下位分類

APG植物分類体系

単子葉類は10目からなる。系統の詳細が不明であるサクライソウ科はどの目にも含められていない。ダシポゴン科(Dasypogonaceae)についても同様で、ツユクサ類のクレードに含まれることがわかっているが他の目との関係ははっきりしない。

(並びはアルファベット順)

単子葉類の系統関係は、まずショウブ目が分岐し、次にオモダカ目が分岐する。残りのクレードに含まれるのは、クサスギカズラ目、ヤマノイモ目、ユリ目、タコノキ目とツユクサ類であるが、これらの間の系統関係はわかっていない。ツユクサ類の中ではツユクサ目とショウガ目が姉妹群となることがわかっているのみである。

新エングラー体系

亜綱を立てていない。ラン目が最も進化の進んだものであるとして、単子葉植物の末尾に位置させている。

クロンキスト体系

5つの亜綱を立てている。


関連項目

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