南三陸町

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テンプレート:Mboxテンプレート:Infobox 南三陸町(みなみさんりくちょう)は、日本宮城県北東部に位置し、太平洋に面するである。いわゆる「平成の大合併」における志津川町歌津町の合併によって2005年平成17年)に誕生、現在本吉郡に属する唯一の町となっている。

地理

宮城県の北東部、本吉郡の南部に位置し、志津川湾、伊里前湾に面する町。湾内には椿島竹島、船形島、野島などの島があり、リアス式海岸特有の優れた景観を持つ。沿岸部一帯は南三陸金華山国定公園の指定を受けている。

西・北・南西は北上山地の支脈に連なっており、町土の70%以上は森林である。

リアス式海岸の地形的な特性から津波の影響を受けやすく、近世以前においては平安前期の貞観地震869年)にともなう大津波など、近代以降では、1896年明治29年)の明治三陸大津波1933年昭和8年)の昭和三陸大津波1960年(昭和35年)のチリ地震津波によって大きな被害を受けている。そのため、沿岸部には、防波堤防潮堤水門などが設置されている。しかし2011年(平成23年)、東北地方太平洋沖地震によって被災し(東日本大震災)、特に大津波による被害は甚大となった。この地殻変動は先の貞観地震以来1141年余りを経て繰り返された現象と見なされている[1]。 また、テンプレート:Anchorこの地殻変動によって当地域内の志津川地区地盤は、水平方向に442cm、垂直方向にマイナス75.27cm移動したことが、GPS(全地球測位システム)を用いた国土地理院測地観測センターによる分析の結果、明らかとなった[2]cf. 隆起と沈降)。

主要な地形

山地

南三陸町を代表するである田束山は、霊峰として古くから仏教徒修行の場として知られ、頂上から見下ろす360度のパノラマ的景観は絶景である。

  • 田束山(たつがねさん。標高512.4m
  • 満海山(まんかいさん。標高403m)
  • 幌羽山(ほろわさん。標高312m)
  • 貞任山(さだりやま。標高360.3m)
  • 惣内山(そうないさん。標高379.6m)
  • 保呂羽山(ほろわさん。標高329.4m)
  • 釣瓶山(つるべやま。標高472m)
  • 大盤平(おおばんだいら。標高368m)
  • 神行堂山(しんぎょうどうさん。標高461m)
  • 童子山(どうじさん。標高320.5m)

河川系

町内のすべての水源を町内に持ち、また、その河口もすべて町内にある。数字は、川の最長距離(長さ)を示す。

  • 伊里前川(いさとまえがわ。約7,800m)
  • 港川(みなとがわ。約6,300m)
  • 八幡川(はちまんがわ。約5,500m)
  • 水尻川(みずしりがわ。約3,400m)
  • 水戸辺川(みとべがわ。約3,124m)
  • 折立川(おりたてがわ。約2,800m)
  • 新井田川(にいだがわ。約2,100m)
  • 桜川(さくらがわ。約1,500m)

近海・沿岸地形

  • 志津川湾(しづがわわん。湾口幅6.6km。面積46.8km²。閉鎖度指標1.04)[3]
  • 伊里前湾(いさとまえわん)

広域地域区分

  • 東北地方三陸地方に含まれる。
  • 宮城県内の地勢的地方区分の一つである、三陸・県北・仙台・県南のうち、三陸地方に属し、その南部に位置する。
cf. 宮城県の地方区分図 :≪外部リンク≫ テンプレート:Cite web
  • 宮城県内の地勢的地方区分の一つである、北部・中部・南部のうち、中部地方に属し、その北東部に位置する。
cf. 宮城県の地方区分図(参考):≪外部リンク≫ テンプレート:Cite web
  • 宮城県の広域行政区分上、気仙沼市本吉郡(現在は南三陸町のみ)とで「広域気仙沼・本吉圏」を形成する。
cf. 宮城県の地域区分図 :≪外部リンク≫ テンプレート:Cite web

隣接する自治体

cf. 宮城県の市町村全図 :≪外部リンク≫ テンプレート:Cite web

町内の地域

cf. 南三陸町の地名 :≪外部リンク≫ テンプレート:Cite web
cf. ≪外部リンク≫ テンプレート:Cite web
  • 中心地の地名:南三陸町志津川塩入(町役場所在地域)。
  • 歌津地区:旧・歌津町域にある地域名は、大字名「歌津」の後に小字名が続く形の地名となっている。例として、歌津伊里前(歌津伊里前)。
  • 志津川地区:旧・志津川町域にある地域名は、大字名「志津川」の後に小字名が続く形の地名となっている。例として、志津川塩入(志津川字塩入)、志津川本浜町(志津川字本浜町)。
  • その他の地区:歌津地区と志津川地区のほかに、入谷(いりや。旧・入谷村)、戸倉(とくら。旧・戸倉村)がある。

歴史

年表

新暦導入以前(1872年以前)の日付は和暦による旧暦。丸括弧内は西暦で、1581年以前はユリウス暦1582年以降はグレゴリオ暦

近世以前

近代以降

テンプレート:See also

  • 2012年(平成24年)2月4日:平成23年度地域づくり総務大臣表彰で、最高賞の「大賞」を受賞。[1]

行政区域の変遷(市町村制施行以後)

行政

歴代町長

歴代 氏名 就任年月日 退任年月日 備考
初代
佐藤仁 2005年(平成17年)11月6日 <center>(現職) 2期目在任中に東日本大震災が発生 (cf. 1)。
  1. 2011年(平成23年)3月11日、東日本大震災で庁舎ごと津波に呑み込まれるも、奇跡的に生還を果たした。

名誉町民

旧志津川町名誉町民

  • 第一号 - 田中完義   昭和44.11.3推戴(宮城県町村会会長)
  • 第二号 - 阿部権治郎  昭和44.11.3推戴(宮城県議会副議長)
  • 第三号 - 勝倉三九郎  平成3.2.3推戴(宮城県町村会会長)

旧歌津町名誉町民

  • 第一号 - 阿部権之亟 〈昭和46年11月推載〉
  • 第二号 - 梶原良雄  〈昭和54年11月推載〉
  • 第三号 - 畠山郁朗  〈平成11年4月推載〉
  • 第四号 - 佐藤榮太郎 〈平成11年4月推載〉

姉妹都市・提携都市

日本国内
1993年(平成5年)、歌津町の小学生が立川町(現・庄内町の狩川、清川、立谷沢)を訪問して砂金採り体験を行ったことから交流がはじまった。歌津町の町制40周年を記念して友好町盟約を締結。その後、市町村合併により2005年(平成17年)に立川町が庄内町に、歌津町が南三陸町になっており、2006年(平成18年)に南三陸町と庄内町の間で改めて友好町盟約を締結。同時に災害時における相互援助協定が結ばれている。
日本国外
歌津町では魚竜の一種であるウタツサウルス化石が発見されており、同じく魚竜テンプレート:仮リンクの化石が発見されているベザーノ町とは、そのことをもって縁があった。1995年以降中学生の相互ホームステイなど国際交流などが行われており、歌津町で開催された「国際魚竜化石サミット」に際して国際友好都市提携盟約書が結ばれた[17](歌津町町長・牧野駿とベザーノ町長・コロンボが締結)。歌津中学校の生徒がベザーノに赴いてホームステイする交流は、現在は行われていない。ベザーノは市内に「ウタツ公園」を造り、歌津町側は町内の総合施設「平成の森」内にレストラン「ベザーノ」を設置した。

警察・郵便・金融機関

医療

経済

産業

江戸時代以降、入谷地区を中心に養蚕業が盛んに行われるようになり、仙台藩における養蚕・生糸生産の中心地となったが、生糸生産は現在ではほとんど行われていない。

志津川湾では、ギンザケカキ(牡蠣)ホタテガイホヤワカメなどの海面養殖業が盛んに行われてきている[18]。近年テンプレート:いつでは、農漁業体験を含む滞在・体験型の観光にも力を入れていた。

産業別就業者数2005年国勢調査

  • 第一次産業 :2,303人
  • 第二次産業 :2,611人
  • 第三次産業 :3,937人

水産業

地域

人口

テンプレート:人口統計

教育

旧・歌津町(現・歌津地区)では伊里前小学校、名足小学校の児童による創作ミュージカルが年に一回行われていた。これはプロの脚本指導によるもので、ストーリーは昔から伝わる民話を基にしたものが多く、ミュージカル作品を通じて郷土に対する理解を深めることと、レッスンを通して情操教育を行う狙いもあった。このユニークな取り組みが評価され、第2回ふるさとイベント大賞(自治大臣表彰)を受賞した。合併後は行われていないが、今度は旧・志津川町(現・志津川地区)の歴史も併せた作品が創れないかとの声も根強いテンプレート:誰2

高等学校

中学校

小学校

交通

ファイル:JR Rikuzen tokura sta 001.jpg
陸前戸倉駅 (2009年)

バス高速輸送システム

鉄道路線としては2011年3月11日以後、柳津 - 気仙沼間は東日本大震災津波による被害のため運行休止中。
2012年(平成24年)8月20日から、バス高速輸送システム(BRT)方式で仮復旧した[21]
  • 隣接市町村への連絡 :気仙沼線

路線バス

道路

一般国道

都道府県道

  • 宮城県道172号志津川登米線
  • 宮城県道206号馬籠志津川線
  • 宮城県道221号清水浜志津川港線
  • 宮城県道225号泊崎半島線
  • 宮城県道236号払川町向線

道の駅

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

南三陸町の成人式は毎年夏、それも基本的に終戦の日に行う。これは旧・歌津町志津川町時代からの名残である。過去に一度、他の多くの地方自治体と同じように1月に行う案も浮上したが、その年の新成人達から反対の声が挙がり、現在も夏のままである。戦没者への黙祷などをするためか、近年問題となっている新成人のモラルの低下による七五三現象などは見られない。
共にチリ地震津波1960年)の被災地であるということでチリと縁を持つ宮城県志津川町(現・南三陸町)では、友好のシンボルとして、チリで作られたモアイレプリカを輸入し、1991年(平成3年)7月、志津川湾に面する公園(チリプラザ)に設置した。詳しくは別項「モアイ#日本にあるモアイ」を参照のこと。※ただし、東日本大震災被災前。

その他の施設

ゆかりのある著名人

出身著名人

その他のゆかりある著名人

その他の関連事象

クチバシカジカ(学名Rhamphocottus richardsonii英語名:Grunt sculpin、別名:グラント・スカルピン)は、条鰭綱- カサゴ目- クチバシカジカ科 (Rhamphocottidae) に分類される魚[29]。数年前テンプレート:いつに、この魚をモチーフにした「クチ坊」という名のマスコットキャラクター(のちに町名産のウニをモチーフにした「ウニ坊」、同じく、タコをモチーフにした「タコ坊」が追加された)を考案・使用している。三陸沿岸の群生地の一つとして、北海道の道東・釧路周辺と共に福島県水族館で紹介されたことがある。

東日本大震災

2011年(平成23年)3月11日14時46分18秒、マグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震が発生し、南三陸町は震度6弱(観測地点:歌津地区志津川地区)を記録した[30]。 さらにこの地震が引き起こした大津波は町内の3つの川を逆流し、1960年(昭和35年)のチリ地震による津波の到達地点を越えて内陸深く進入した[31][32]。 庁舎もこれに巻き込まれた[33][34]cf. 東日本大震災[注 1][注 2]

  • この地殻変動により、志津川地区の地盤は大きくずれた(「地理」節で詳述)。
  • 町内にある5つの鉄道駅(全てJR気仙沼線)は、周辺地域の駅同様、その全てが甚大な被害を受けた[35][36]陸前戸倉駅は駅と周辺施設の全てが跡形も無く流失し、志津川駅(■右列に画像あり)・陸前港駅駅舎などが流失し、線路も大きな被害を受けた[35][36]。高台よりにあった歌津駅清水浜駅は辛うじてプラットホームが残り、駅舎は半壊にとどまったものの(歌津駅の駅舎は全壊)、周辺の線路は大きくねじ曲がった[36](■節の下段に画像あり)。至る所で線路が寸断し、鉄橋も崩落、トンネル内にも瓦礫や漁船等の津波漂流物が入り込むなどした気仙沼線の復旧は、長い時間を要するものとなった[36]
  • 町庁舎と仙台法務局(気仙沼支局)は共に被災し、保管していた電子化済みの戸籍データが完全消滅したとの懸念が大いにあったが[37]、同法務支局の上層階で約1年前の戸籍データ副本が発見され、最悪の事態は免れた(3月22日発表)[38]
  • 町の中核病院である公立志津川病院も、5階建てビルの4階(高さ15- 16m[39])までが津波に呑み込まれて医療機器、ベッド、カルテなどが損壊あるいは流失し、看護婦ら病院スタッフ4人・入院患者67人が死亡あるいは行方不明となった[40][39]。※詳細は当該項目を参照のこと。

脚注

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外部リンク

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  20. テンプレート:Cite web
  21. テンプレート:PDFlink - 東日本旅客鉄道仙台支社プレスリリース(2012年7月18日)
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  26. 26.0 26.1 テンプレート:Cite web 引用エラー: 無効な <ref> タグ; name "HinoguchiHudoson.2C_JTA"が異なる内容で複数回定義されています
  27. テンプレート:Cite web
  28. 国立科学博物館 日本列島の生い立ち
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  48. テンプレート:Cite web:※資料に住家と公共施設の区別無し。
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  50. テンプレート:Cite web:原典は国土地理院提供資料。
  51. 51.0 51.1 テンプレート:Cite news


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