北陸・中京新幹線

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北陸・中京新幹線(ほくりく・ちゅうきょうしんかんせん)とは、全国新幹線鉄道整備法に基づく、敦賀市より名古屋市にいたる全長約50kmの基本計画路線である。1973年11月15日に基本計画が公示された。

経緯

1972年7月3日に基本計画が決定した北陸新幹線東京都 - 大阪市長野市富山市経由)の敦賀市以西のルートは琵琶湖東岸を通って米原駅付近で東海道新幹線に合流するルートが有力であった[1]が、1973年11月13日に決定された整備計画では小浜市付近が主な経由地に加えられたため、北陸新幹線と名古屋を中心とする中京地方を連絡する当路線が基本計画に盛り込まれた。

その後のオイルショックや財政悪化等により、建設に必要な国の調査などは実施されておらず、整備新幹線への格上げの目途は立っていない。

ただし、北陸新幹線の敦賀駅以西のルートは未だ決定しておらず、政府・与党では、整備計画通り小浜市付近を経由する「若狭ルート」のほか、米原駅で東海道新幹線に接続する「米原ルート」、湖西線を利用する案(フリーゲージトレイン等による乗り入れ)が検討されている(「北陸新幹線#敦賀以西」の項参照)。米原ルートでの建設が決定した場合、大半の区間で当路線と重複するため、実質的に当路線が整備されたのと同様の効果が得られる。

ルート

テンプレート:独自研究 敦賀市と名古屋市の間は直線距離で約90km離れているにもかかわらず、全長は約50kmとされていることから、全区間を新線で整備するのではなく、一部区間を東海道新幹線と共用するものと思われる。次の2つのいずれか、あるいはその両方(デルタ線により関ヶ原・米原の両方向に分岐)が有力とされる。

関ヶ原付近接続ルート
敦賀から関ヶ原付近までを新線で建設し、関ヶ原付近で東海道新幹線に合流するルートである。現状では東海道新幹線のダイヤ上の余裕のなさや、冬季に積雪がある関ヶ原付近に分岐器を新設することで新幹線運行への影響が生じるおそれがある。
米原駅接続ルート
敦賀から北陸本線に並行して米原駅まで新線を建設するルートである。このルートは北陸新幹線・米原ルートと全く同じであり、現在名古屋と北陸を結ぶ「しらさぎ」号が通る在来線のルートとも一致する。このルートは米原で運行を分離すれば東海道新幹線のダイヤに影響せず、亘り線を設けておけば乗り入れも可能だが、名古屋方面への直通列車を走らせる場合、現在の米原駅の位置では列車の方向変換が必要となる。

その他

国土交通省2025年度に北陸新幹線の金沢 - 敦賀間の開業を目指し、富山 - 名古屋間でフリーゲージトレインの導入を検討している[2]。金沢 - 敦賀間の収支採算性を試算する前提条件として富山 - 大阪間での導入を検討しているが、富山 - 名古屋間での導入も試算する条件に加えていたことが判明した。フリーゲージトレインを導入しない場合、採算性の課題が残るという。

脚注

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関連項目

テンプレート:日本の新幹線
  1. 鉄道ジャーナル1988年12月号『「整備新幹線」の経緯を顧みる』(種村直樹)には、全幹法制定前の国(新全国総合開発計画構想)、国鉄自民党国鉄基本問題調査会、鉄道公団による新幹線建設計画の構想図が掲載されているが、すべて琵琶湖東岸を通るルートで描かれている。
  2. 名古屋-富山直通のフリーゲージ 国交省検討 - 中日新聞、2012年4月18日。