勝手にシンドバッド

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テンプレート:Pathnav テンプレート:Infobox Single勝手にシンドバッド」(かってにシンドバッド)は、サザンオールスターズデビューシングル1978年6月25日ビクター音楽産業から発売された。

1988年6月25日CD化、1998年2月11日にも8cmCDとして再発。2003年6月25日にはデビュー25周年の記念として特例のボックスセットを発売(後述)、2005年6月25日にも12cmCDで再発され、計4回再発売されている。

解説

タイトルは、当時のヒット曲沢田研二の「勝手にしやがれ」とピンク・レディーの「渚のシンドバッド」を「2つくっつけただけ」[1]のもので、人気番組『8時だョ!全員集合』の「少年少女合唱団」コーナーで、1977〜78年頃の志村けんのネタの1つ『勝手にシンドバッド』(上記2曲を無理やり1曲にして両方の振り付けを踊るがだんだん無茶苦茶になっていくというギャグ)を拝借した事に由来している[2]。ちなみに2008年の桑田佳祐のライブ「昭和八十三年度!ひとり紅白歌合戦」でこの2曲をカバーした。

オリコンの初登場順位は132位だったが、1978年8月14日付で55位にランクイン、同年10月9日付で当時の最高位である3位を記録した。後に「三ツ矢サイダーCMソングにもなった。

本作のオリジナル盤では、メンバーでドラムス松田弘の名前が“松田ヒロシ”とクレジットされている。再発売盤や、以降の作品ではクレジットが全てが松田弘となっている。

1990年には嘉門達夫がこの楽曲をカヴァーし、「勝手にシンドバッド」としてシングル発売された。しかし、実際の内容はセリフが大半であり、作品化を嘉門が桑田に直談判した際も、桑田は難色を示しながらしぶしぶ承諾したという。

「勝手にシンドバッド」のパロディ曲として、タモリの「勝手にダイドコロ」(LP『タモリ3』収録)や所ジョージの「勝手に千葉でシンドバッド」(アルバム『コヨーテの夜』収録)がある。

2003年には、リマスタリングを施した通常の12cmマキシシングルによる再発売盤。更には当時のEP盤を限りなく忠実に再現した7インチのアナログ盤も発売されている。さらに初回限定盤はオリジナルデザインのジョギング・シャツ、「シャイなハートのルージュ色」(低確率で「金」または「銀」もあり)のサンバホイッスル、直後に発売が迫っていた2年半ぶりの新曲「涙の海で抱かれたい 〜SEA OF LOVE〜」の告知チラシ[3]、デビュー当時のビクターによる宣伝広告チラシ、桑田直筆の仮歌詞も封入された『勝手にシンドバッド 胸さわぎのスペシャルボックス』としてボックス仕様として発売された。シングル・EP共に限定生産、ボックス仕様も同年のデビュー25周年にちなみ、25万セット限定で発売された。その再発売盤は発売日付けのオリコンデイリーシングルチャートで1位を記録した。オリジナル盤の最高位3位を更新し、オリジナルシングル発売から約25年を経てオリコンチャート1位を記録するという前人未到の快挙を成し遂げる。発売当初はPVが存在していなかったが、2003年の再発時には、プロモーション用に過去のライブ映像を組み合わせたPVが制作された。後2008年の30周年時には、同じく過去のライブ映像を組み合わせた別パターンのPVが制作されたが、こちらには脱退した大森隆志が出演しない編集が施されている。 「勝手にシンドバッド」は夏に聞きたい歌ランキングなどに、ランクインしてることが多い。2014年7月25日に放送した「ミュージックステーション3時間スペシャル 日本の夏うた 昭和vs平成BEST30」では、昭和部門で1位を獲得した。2009年にも同番組で同じ企画を放送しており、その時のランキングも1位を獲得している。

収録曲

  1. 勝手にシンドバッド
    (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:斉藤ノブ & サザンオールスターズ 管編曲:Horn Spectrum)
    デビュー曲であり代表曲である。しばらくはバンドとしてこの曲のイメージからの脱皮や仕事の忙しさに苦悩することとなる。この後一時ノイローゼ気味になった事は桑田自身も語っている。
    歌詞には茅ヶ崎江ノ島湘南が登場し、この事からも「サザン=湘南」というをイメージを一般に与える事となるが、桑田は戦略的に歌詞に加えた訳ではなく、身近にある地名を歌詞に入れただけだったので、湘南のイメージが付く事は本人達にとっても予期せぬ事であった。
    イントロなしでいきなり「ラララ…」から始まる歌い出しだが、この「ラララ」は後から付け足されたもので、曲制作の段階では含まれていない部分だった。イントロには、完成盤の1番終了後の間奏に重なって聴こえるドラムのフィルが使われていたが斉藤ノブの「無い方がいい」というアドバイスでカットとなった。また、テンポも発表されたものよりもゆっくりで、「ザ・ピーナッツの『恋のバカンス』のような曲調をイメージして作った」と桑田が発言している。ここまで曲が変わったのは斉藤ノブのアレンジのためである、とメンバーの原由子は語っている。
    なお、当時の世界の趨勢はセックス・ピストルズの登場によるパンク・ロックの台頭が顕著であり、少なからずその影響がうかがえる。2005年日本テレビドラマおとなの夏休み』の第1話主題歌になるなどTVBGMなどで使われることも多い。
    ライブではデビュー以来様々なアレンジで演奏されており、アレンジは年々長尺になって観客とのコールやレスポンス、桑田のハンドマイクでの怒涛の煽りがかつては恒例であったが、近年では、桑田もギターを弾き、スタンドマイクで唄いほぼオリジナルのまま演奏されているが、観客とのコールやレスポンスは健在である。
    なお、桑田はファンから寄せられた楽曲のエピソードとして自身の憧れの存在であるジョン・レノンが軽井沢でこの曲をたまたま聴いた際に「ハッピー」と感想を述べたと教えられたと語っている。
  2. 当って砕けろ
    (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 管編曲:Horn Spectrum)
    タイトルは公式にも「当たって砕けろ」と表記されることがあるが、こちらが正式なものである。曲終盤に登場する「Wanted!」のフレーズは当時流行していたピンク・レディーの同曲からとったものである。
  3. 勝手にシンドバッド (Instrumental)
    (作曲:桑田佳祐 編曲:斉藤ノブ & サザンオールスターズ 管編曲:Horn Spectrum)
    2003年盤のみ収録。サザンの楽曲が所謂カラオケ・バージョンとしてインストゥルメンタルで収録されるのは1979年カラオケアルバム『オリジナル・カラオケ・ベスト・12』以来であり、シングル盤としては唯一である。ちなみにEP盤は収録時間やオリジナルを再現するという前提であるため、収録されていない。

参加ミュージシャン

サポートミュージシャン

収録アルバム

※斜字は廃盤作品。

外部リンク

脚注

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テンプレート:サザンオールスターズ テンプレート:オリコン週間シングルチャート第1位 2003年

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  1. 関口和之『突然ですがキリギリス』134頁、集英社文庫、1991年
  2. 1番ソングSHOW』(日本テレビ)2013年8月7日放送分。
  3. 宣伝告知では全4曲収録とされており、「OH! FRESH!! 〜ドクダミ・スパークのテーマ〜」は収録が決定していたにも拘らずシークレットトラックになっていた。