制式名称

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制式名称(せいしきめいしょう)は、軍隊警察などの組織が研究や開発、生産と配備を行う兵器や主たる付帯装備などに命名する識別用の名称や記号であり、公式にその採用を認定した段階で付与される。多くの組織では「命名規則」といった一定の命名法に基づいて決められている。単に制式名(せいしきめい)とも呼ばれ、これらの組織が装備などを採用して制式名称を与えることは「制式採用」や「制式化」と呼ばれる。

これらの組織では、武力や強制力を持って対抗勢力と対峙する必要から、最小の労力で最大の力が発揮できることが望まれる。主たる兵器や付随する装置/器具類は開発から生産と配備、保守、補充、向上計画までの一連の作業を統一された名称で扱えた方が兵站への負担が軽く、それらを用いた訓練過程でも個々の兵士ごとの操作と運用が可能な兵器類が何かが明らかとなって都合が良い。これらのことから、このような組織では主要な兵器類に固有名称を与えて関係する部隊の隅々まで認知させ、生産を含めた兵站機能と訓練プログラムでは、これらに集中して行うようになっている。制式化は標準化であるが、改良を加えることで性能や利便性、生産性が向上することが多く、改良されたものには制式名称に続けて枝番のような改良型の符号などが加わるようになっている。このような派生型の増加は、標準化による便益を損なうので、改良型の増加はある程度抑制される。

制式名称の例

旧日本陸軍では、皇紀に基づく命名法を採っていた。つまり皇紀25○○年、または26○○年に名称が付与された場合は、○○式××銃といった制式名称であった。米陸軍の主たる兵器には"M"で始まる"model number"が付与されており、これが制式名称に相当する。

他の例:

関連項目

  • 日本国有鉄道
    形式称号塗色をはじめ、運転、営業、検査修繕の扱いや、施設名、職名など、多岐にわたる。
    形式:けいしき(型式)、掛:かかり(1973年職制改正で"係"に改正)などは、国鉄独特の表記として例に挙がることが多い。

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