光度 (光学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:物理量

物理学
ウィキポータル 物理学
執筆依頼加筆依頼
カテゴリ
物理学 - (画像
ウィキプロジェクト 物理学

光度(こうど、luminous intensity)は、光源からある方向に放射された単位立体角当たりのの明るさを表す心理的な物理量である。単位立体角当たりの光束で表される。単位は、国際単位系(SI)ではカンデラ(cd)で、7つのSI基本単位のひとつでもある。

特徴

光度は他の基本単位となっている物理量である時間(s)、長さ(m)、質量(kg)、電流(A)、熱力学温度(K)、物質量(mol)と異なり、人間が観測する量のことである。よって光度は心理物理量とも呼ばれる。しかし波長によって同じ電力を持つ光でも人間は明るく感じたり暗く感じたりする。この波長ごとの明るさを 視感度 という。よって光度は、ある方向に放射された光の単位立体角、単位時間当たりに放射される光の電力 (放射強度) に比視感度をかけたものと規定されている。よって、光度 Iν

<math>I_{\nu}= K_m \int I_e(\lambda) \cdot V(\lambda) d\lambda</math>

K m : 最大視感度
I e(λ) : 波長 λ の分光放射強度
V (λ) : 標準比視感度

で表される。ちなみに、分光放射強度とは波長ごとの放射強度のことである。

人間の感覚を規定する視感度は人間によって異なり、同じ人間でも体調などによって変わってしまう。そこで、1979年の第16回国際度量衡総会(CGPM)において最大視感度に対する標準比視感度(標準分光視感効率)が定められた。ただし、人間の網膜には明るい時に働く視細胞と暗いときに働く視細胞があるため、標準比視感度には明所視標準比視感度と暗所視標準比視感度がある。ただし、特に断りなく標準比視感度と書かれている場合は明所視標準比視感度をさす。

関連項目

測光の国際単位系

SIの光の単位

[編集]

測光量 SI単位 記号 備考
光度エネルギー ルーメン· lm·s 放射量における放射エネルギー
光束 ルーメン
(またはカンデラ·ステラジアン
lm 放射量における放射束
光度 カンデラ cd 放射量における放射強度
輝度 カンデラ毎平方メートル cd/m2 放射量における放射輝度
照度 ルクス
(またはルーメン毎平方メートル)
lx 放射量における放射照度
光束発散度 ラドルクス
(またはルーメン毎平方メートル)
rlx 放射量における放射発散度
視感度   分光視感効果度とも呼ぶ
発光効率 ルーメン毎ワット lm/W ランプ効率とも呼ぶ