伊予鉄道130系電車

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テンプレート:Pathnav テンプレート:鉄道車両 伊予鉄道130系電車(いよてつどう130けいでんしゃ)は、かつて伊予鉄道に在籍していた通勤形電車で、制御電動車モハ130形及び同系の制御車クハ430形、その付随車化改造車サハ530形、モハ130形の一部と同時に譲受した付随車サハ510形の総称である。

概要

制御電動車モハ130形131 - 136、制御車クハ430形431、付随車サハ510形511・512の3形式9両からなる。

131・132・431と他の6両では出自・外観が異なるものとなっていた。但し、以下の経緯からクハ430形を除いていずれも京王井の頭線の前身である帝都電鉄のモハ100形・モハ200形・クハ250形を起源に持つものである。

モハ131・132、クハ431

モハ131・132、クハ431は1972(昭和47)年に相模鉄道2000系モハ2015・2016・2013を譲受したものである。

このうちモハ131・132の種車となったモハ2015・2016は京王デハ1400形(帝都電鉄モハ100形)・デハ1450形(帝都電鉄モハ200形)・クハ1550形(帝都電鉄クハ250形)の戦災復旧車であるクハ1570形1572・1578・1582の車体をサハ1300形へ更新する際に不要となった台枠のうち2両分[1]を流用して1955(昭和30)年に東急車輛製造で新製されたものである。同車の相鉄での車体更新(2100系化。これも東急車輛による)の際に不要になった車体を東急車輛経由で西武建設が引き取り、西武所沢車両工場西武311系電車の廃車発生品を取り付け、入線している。当初は相鉄時代と同様、モハ131は非貫通式、モハ132は貫通式であった。

1978(昭和53)年に自社古町車両工場において次の改造を実施している。
 ・窓枠のアルミサッシ化、戸袋のHゴム化。
 ・電動発電機の交換。(芝浦製作所CLG-1から東洋電機製造TDK-366B1を新製)
 ・モハ132の非貫通化改造および運転台移設。

クハ431の種車となったモハ2013は、元は1940(昭和15年)木南車両において製造された青梅電気鉄道モハ500形506である。1949(昭和24年)相鉄へ払い下げられ、電気機関車代用の電動貨車モワ1形4となった。1951(昭和26年)蒲田車輛工業で再度旅客車化したものである。その後、上述のモハ2015・2016とともに廃車され、西武所沢車両工場で電装解除および車体更新のうえ、譲受したものである。1978(昭和53)年に運転台を撤去され、サハ530形531となっている

モハ133 - 136、サハ511・512

モハ133 - 136は京王帝都電鉄デハ1400形[2]1402・1403、クハ1200形[2]1203・1204を、サハ511・512はこの4両と同時に廃車になったデハ1800形1802・1803を1974(昭和49)年・1975(昭和50)年に譲受したものである。なお、デハ1802・1803はデハ1400形戦災復旧車の車体更新車である。

主な改造は西武所沢車両工場で実施したが、モハ131・132,クハ431と異なり、一部は自社古町車両工場で実施のうえ入線している。主要部品はモハ131・132と同様、西武311系電車の廃車発生品を利用している。(主制御機:CS-1A(改))
・モハ135・136の電装化(パンダグラフはモハ133・134のPS13-Cと異なり、東洋電機製造製PT-4305-Aを新製)
・サハ511・512の電装解除・運転台撤去(台車はモハ301・302の台車交換での余剰品日立製作所製MIC)
・モハの台車、主電動機、電動発電機は南海電気鉄道の廃車発生品。[3]

運用

晩年は、台車・主電動機をモハ131・132・135・136が小田急電鉄2220形発生品に、モハ133・134が小田急2200形2217-2218発生品に交換されカルダン駆動化されたが、700系の増備により、1987年から1991年にかけて廃車された。

車番の変遷

モハ130形
  • 131←相鉄モハ2015 東急車輛製造 1955年(1991年廃車)
  • 132←相鉄モハ2016 東急車輛製造 1955年(1991年廃車)
  • 133←京王デハ1402 (1952年改番)←京王デハ1404 1948年←東京急行電鉄デハ1404 1942年←帝都電鉄モハ104 川崎車輛 1933年(1988年廃車)
  • 134←京王デハ1403 (1952年改番)←京王デハ1457 1948年←東京急行電鉄デハ1457 1942年←帝都電鉄モハ207 川崎車輛 1936年(1988年廃車)
  • 135←京王クハ1203 1967年←京王サハ1203 1964年←京王クハ1203(1952年改番)←京王クハ1559 東急横浜製作所 (1951年更新) ←東京急行電鉄クハ1559 1942年 ←小田原急行鉄道クハ259 日本車輛 1941年(1987年廃車)
  • 136←京王クハ1204 1967年←京王サハ1204 1964年←京王クハ1204(1952年改番)←京王クハ1581 東急横浜製作所(1951年更新) ←東京急行電鉄クハ1581 1947年 ←東京急行電鉄デハ1408 1942年 ←帝都電鉄モハ108 川崎車輌 1933年(1987年廃車)
クハ430形(サハ530形)
  • サハ531(1978年改番)←クハ431←相鉄モハ2013 蒲田車輛 (1951年改造)←相鉄モワ4(1949年払下)←青梅電気鉄道モハ506 木南車輌 1940年(1991年廃車)
サハ510形
  • サハ511←京王デハ1802 東急横浜製作所 (1952年更新) ←京王デハ1403 1948年 ←東京急行電鉄デハ1403 1942年←帝都電鉄モハ103 川崎車輛 1933年(1988年廃車)
  • サハ512←京王デハ1803 東急横浜製作所 (1952年更新) ←京王デハ1406 1948年 ←東京急行電鉄デハ1406 1942年←帝都電鉄モハ106 川崎車輛 1933年(1987年廃車)

脚注

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テンプレート:伊予鉄道の車両

  1. 残りの1両分はモハ2015・2016と同時に新製されたクハ2508となった。なお、同車は後の車体更新時に車体は譲渡されず解体されている。
  2. 2.0 2.1 京王での1952年の改番の際、デハ1400形・デハ1450形はデハ1400形、クハ1550形・クハ1570形復旧車はクハ1200形になっている。このうちクハ1203・1204は台枠流用の車体更新車である。
  3. 台車 - 日本車輌製造D-16、主電動機 - 三菱電機MB146-SFR、電動発電機 - 東洋電機製造TDK-366C