仙台トンネル

あおば通駅構内（2007年3月）。仙台トンネルの西端にある。

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陸前原ノ町駅駅舎（2006年6月）。仙台トンネルの東端近くにある。ホームは地下。

ファイル:SendaiStation East-WestUndergroundStreet.JPG

あおば通駅 - 仙台駅間に並行する「仙台駅東西地下自由通路」（2012年2月）

ファイル:Sendai map circa 1930.PNG

1927年（昭和2年）頃の仙臺市および近郊地図。
宮城電鐵（現JR 仙石線）は、「製糸場^{[† 1]}」を避けて北に迂回し、宮城野撓曲（地図番号30.步兵第四聯隊營、31.釋迦堂、32.榴岡公園などがある撓曲丘陵）を避けて南に迂回したため、蛇行線形になった。

仙台トンネル（せんだいトンネル）は、仙台市都心部の地下を概ね東西に走るトンネルであり、東日本旅客鉄道（JR東日本）仙石線のあおば通駅 - 苦竹駅間（約4km）を通す。あおば通駅 - 仙台駅間の新設を伴う「JR仙石線連続立体交差事業」において建設された。事業期間は1981年度（昭和56年度）から2000年度（平成12年度）、総事業費は654億円。事業延長3,933mのうち、地下式3,530.5m、地表式（掘割式）402.5mである。

経緯

仙石線の前身である宮城電気鉄道が建設された際、片倉製糸工場^{[† 1]}および宮城野撓曲を避けてルートが選定されたため、線路は住宅密集地を蛇行するように敷設された。さらにそのカーブしたルート上に駅間距離を短く駅が設置されたため列車は高速走行できず、踏切の遮断時間は比較的長かった。列車の本数増とモータリゼーションの進展により踏切での交通渋滞は慢性化し、特に坂下交差点に隣接する太田見踏切は同交差点を市内屈指の渋滞地区にさせる一因とみなされ、地域住民のみならず仙台市都心部に流入する仙台都市圏東部の住民全体の問題となっていった。

一方、仙台駅東口一帯では、以下のような合計事業面積160haを超える土地区画整理事業が行われており、事業区域内に仙石線の線路も含まれた。

仙台駅東口の土地区画整理事業（北から列記）^[1]
事業名	面積 (ha)	開始年	終了年	総事業費（億円）
仙台駅東第二	45.3	1988年（昭和63年）	2013年予定（平成25年）	791
仙台駅東第一	55.8	1973年（昭和48年）	1996年（平成8年）	273
新寺小路地区	60.4	1960年（昭和35年）	1989年（平成元年））	74

そのため、仙台駅東第一土地区画整理事業の区域内を通る宮城野通りの地下などに仙台トンネルを建設し、地上の軌道敷の跡は仙台駅東第二土地区画整理事業などで処理されることとなった（かつて存在した地下鉄東西線への直通案については仙台市地下鉄東西線#経緯参照）。

1985年（昭和60年）に工事開始。1989年（平成元年）に仙台市が政令指定都市に移行したため、事業主体が宮城県から市に移管^[2]。苦竹駅（高架駅）から宮城野萩大通りの東側までは掘削式（半地下）で造られ、同道より西側ではトンネルと地下駅が設置された。また、仙台駅西口側に延伸されたあおば通駅が仙台市地下鉄南北線・仙台駅と地下通路で接続された。

2000年（平成12年）に仙台トンネルは完成し、同年3月11日に仙石線が移設・開業。これによって仙石線にあった14の踏切が廃止された。また、線路の蛇行がなくなったことにより、表定速度が向上した。

なお、当事業は「平成12年度街路事業コンクール大臣賞」を受賞している。

トンネル内の駅一覧

駅名	接続路線	所在地
駅名	接続路線	現駅（地下）	旧駅（地上）
あおば通駅	仙台市地下鉄：　テンプレート:Color 南北線	[[[:テンプレート:座標URL]]38_15_38.7_N_140_52_42.4_E_region:JP&title=%E3%80%90%E4%BB%99%E5%8F%B0%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB%E5%86%85%E3%80%91%E3%80%8C%E3%81%82%E3%81%8A%E3%81%B0%E9%80%9A%E9%A7%85%E3%80%8D 青葉区中央3]	－
仙台駅	東日本旅客鉄道：　■ 東北新幹線（・秋田新幹線）、　テンプレート:Color 東北本線、テンプレート:Color 常磐線、テンプレート:Color 仙山線東日本旅客鉄道/仙台空港鉄道：　テンプレート:Color ■ 仙台空港アクセス線（阿武隈急行：　テンプレート:Color 阿武隈急行線）	[[[:テンプレート:座標URL]]38_15_37.3_N_140_53_2_E_region:JP&title=%E3%80%90%E4%BB%99%E5%8F%B0%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB%E5%86%85%E3%80%91%E3%80%8C%E4%BB%99%E7%9F%B3%E7%B7%9A%E4%BB%99%E5%8F%B0%E9%A7%85%E3%80%8D 宮城野区榴岡1]	[[[:テンプレート:座標URL]]38_15_41.8_N_140_53_1_E_region:JP&title=%EF%BC%88%E6%97%A7%E3%83%BB%E4%BB%99%E7%9F%B3%E7%B7%9A%E4%BB%99%E5%8F%B0%E9%A7%85+%E2%80%A6+%E5%9C%B0%E4%B8%8A%E9%A7%85%EF%BC%89 宮城野区榴岡2]
榴ヶ岡駅		[[[:テンプレート:座標URL]]38_15_31.7_N_140_53_37.5_E_region:JP&title=%E3%80%90%E4%BB%99%E5%8F%B0%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB%E5%86%85%E3%80%91%E3%80%8C%E6%A6%B4%E3%83%B6%E5%B2%A1%E9%A7%85%E3%80%8D 宮城野区榴岡5]	[[[:テンプレート:座標URL]]38_15_31.5_N_140_53_43.0_E_region:JP&title=%EF%BC%88%E6%97%A7%E3%83%BB%E6%A6%B4%E3%83%B6%E5%B2%A1%E9%A7%85+%E2%80%A6+%E5%9C%B0%E4%B8%8A%E9%A7%85%EF%BC%89 宮城野区宮城野1]
宮城野原駅		[[[:テンプレート:座標URL]]38_15_39.9_N_140_54_18.5_E_region:JP&title=%E3%80%90%E4%BB%99%E5%8F%B0%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB%E5%86%85%E3%80%91%E3%80%8C%E5%AE%AE%E5%9F%8E%E9%87%8E%E5%8E%9F%E9%A7%85%E3%80%8D 宮城野区宮城野2]	[[[:テンプレート:座標URL]]38_15_43.4_N_140_54_13.2_E_region:JP&title=%EF%BC%88%E6%97%A7%E3%83%BB%E5%AE%AE%E5%9F%8E%E9%87%8E%E5%8E%9F%E9%A7%85+%E2%80%A6+%E5%9C%B0%E4%B8%8A%E9%A7%85%EF%BC%89 宮城野区五輪1]
陸前原ノ町駅		[[[:テンプレート:座標URL]]38_15_58.3_N_140_54_39.2_E_region:JP&title=%E3%80%8C%E9%99%B8%E5%89%8D%E5%8E%9F%E3%83%8E%E7%94%BA%E9%A7%85%E3%80%8D 宮城野区五輪2]

仙台駅周辺

仙台駅周辺の鉄道関連構造物^[3]は以下のようになっている。B4階の仙台市地下鉄東西線は2015年度（平成27年度）の開業予定で建設中である。

	階数	鉄道設備		歩行者通路	二次交通設備
地上	R階				仙台駅屋上駐車場
	4階	JR東日本	25px ■ 東北新幹線ホーム
	3階	JR東日本	東北新幹線改札	コンコース
	2階	JR東日本（仙台空港鉄道）（阿武隈急行）	在来線改札	コンコースペデストリアンデッキ東西自由通路北部名掛丁自由通路
	1階	JR東日本（仙台空港鉄道）（阿武隈急行）	25px テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color テンプレート:Color 在来線ホーム仙台空港鉄道テンプレート:Color （阿）テンプレート:Color	コンコース歩道	仙台駅バスのりば仙台駅東口さくらターミナル西口観光バス駐車場タクシープール乗降用ロータリー^{[† 2]} 一般車駐車場^{[† 2]} DATE BIKE ポート駐輪場
地下	B1階(a)	JR東日本（仙台空港鉄道）（阿武隈急行）	在来線地下改札（仙台駅地下南口）	名掛丁地下道^{[† 3]} エスパル地下街^{[† 4]} 西口中央地下歩道^{[† 5]} 仙台駅東地下歩道	西口北地下駐輪場(B1)^{[† 6]} 東口地下駐輪場^{[† 6]}
	B1階(b)	JR東日本	仙石線仙台駅改札	コンコース東西地下自由通路	西口北地下駐輪場(B2)^{[† 6]}
		JR東日本	仙石線あおば通駅改札
		仙台市地下鉄	南北線仙台駅北改札
	B1階(c)	仙台市地下鉄	南北線仙台駅南改札	コンコース
	B1階(c)	仙台市地下鉄	東西線仙台駅西改札^[4]^{[† 7]}	コンコース
	B2階(a)	仙台市地下鉄	南北線・東西線乗換接続階^[4]^{[† 8]}	ラッチ内コンコース
	B2階(b)	JR東日本	25px テンプレート:Color 仙石線仙台駅ホーム
			25px テンプレート:Color 仙石線あおば通駅ホーム
			25px テンプレート:Color 仙石線あおば通駅ホーム	JR/SS連絡通路
	B3階	仙台市地下鉄	23px テンプレート:Color 南北線仙台駅ホーム	JR/SS連絡通路
	B3階	仙台市地下鉄	23px テンプレート:Color 南北線仙台駅ホーム
	B4階	仙台市地下鉄	23px テンプレート:Color 東西線仙台駅ホーム^[5]

各々の鉄道業者が「B1階」と案内している階は3層、「B2階」と案内している階は2層ある。「B1階」については浅い方からB1階(a)、B1階(b)、B1階(c)。「B2階」については便宜上、仙台市交通局の層をB2階(a)、東日本旅客鉄道の層をB2階(b)と記す。

B1階(a) はJR仙台駅の「B1階」（エスパル仙台店が入居。「エスパル地下街」と称されている）の深さで、B1階(b) は東西地下自由通路の深さである。案内上は両者とも「B1階」ながら、JR仙台駅のエレベーターでは「B1階」はB1階(a) のエスパル地下街に、「B2階」はB1階(b) の東西地下自由通路に接続している。また、両者の交差部では、両者の深さの違いを補正するためエスカレーターおよび階段が設置されている。

B1階(c) は地下鉄南北線仙台駅南改札の深さであり、LABI仙台のエレベーターの「B3階」などと接続する。B1階(b) の深さにある同駅北改札とB1階(c) との間のコンコースには、両者の深さの違いを補正するためスロープが設置されている。

仙石線を通す仙台トンネルは、案内上「B2階」とされている。ただし、上述のようにB1階が3層あるため、実質的にはより深い深度を通る。仙台トンネルとは別のルートで宮城電気鉄道時代に設置された地下線跡があるが、現在は使用されておらず、深さも不明。

東西地下自由通路（延長392m、幅員5m-15m）は仙台市の所有であり、59億円かけて^[6]JR東日本に委託して仙台トンネルに沿って造った^[7]。西口中央地下歩道も仙台市の所有であり、地下鉄南北線開業に合わせて建設された。JRあおば通駅開業に合わせて建設された地下鉄南北線仙台駅との連絡通路は、両駅のホーム同士を行き来することが出来る（途中に改札あり）。

なお、1971年（昭和46年）に東北新幹線（1982年（昭和57年）6月23日開業）が起工し、国鉄仙台駅の駅舎工事も始まるが、高度経済成長後半から仙台市電廃止と仙台市地下鉄新設が議論され、1972年（昭和47年）には仙台駅前に地下街新設の議論もあった^[8]。地下街は地元の反対があって建設されなかった^[8]が、市電は廃止され地下鉄南北線の建設が始まった。建設に際して仙台駅前の地下では、将来の地下鉄東西線と地下街建設の可能性を残すため、南北線は上述のB3階の深さに造られた^[6]。その後、東西線のために開けておいた上述のB2階の深さに仙台トンネルが造られたため、東西線は上述のB4階の深さに造らざるを得なくなるが、一方でB1階(b) に造られた東西地下自由通路のJR仙台駅から南北線仙台駅までの区間は壁構造にしないで柱構造で造り、将来の地下街化が可能な仕様で建設された^[6]^[8]。

また東西線の新設に際し、地下鉄仙台駅の改良工事が行われている。北改札付近にエレベーターを新設した^[9]ほか、南北線・東西線の乗換時のラッチ内コンコースをB2階(a)層に整備^{[† 9]}^[4]、駅東西に出入口の新設^[10]等が進められている。

廃止になった踏切

廃止になった踏切名を仙台駅側から以下に列挙する。

東七番丁
東八番丁
東九番丁
東十番丁
新倉通り
柳の目
第二悪水上
荒浜街道
宮城野
東街道
下山通り
鹿島通り
宮城野町
太田見

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ

注釈

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出典

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外部リンク

JR仙石線連続立体交差事業（全国連続立体交差事業促進協議会「踏切すいすい大作戦」）
土地区画整理（仙台市）
- 仙台駅東第二土地区画整理事業（仙台市）

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↑ 土地区画整理事業地区の一覧表（区別・換地処分順）（仙台市）
↑ テンプレート:PDFlink（仙台市）
↑ 仙台駅鉄道乗り継ぎ案内パンフレット（仙台市）
↑ ^4.0 ^4.1 ^4.2 テンプレート:PDFlink（仙台市交通局）
↑ 「地下鉄東西線の駅と沿線の歴史紹介」を作成しました（仙台市）
↑ ^6.0 ^6.1 ^6.2 平成17年第3回定例会（第5日目） 8:五十九番（仙台市議会 2005年9月15日）
↑ 平成10年第2回定例会（第2日目） 11:建設局長（仙台市議会 1998年6月16日）
↑ ^8.0 ^8.1 ^8.2 平成13年度決算等審査特別委員会（第10日目） 205:都市整備局長（仙台市議会 2002年10月1日）
↑ 地下鉄仙台駅北側エレベーター使用開始と南側エレベーター使用停止のお知らせ（仙台市交通局）
↑ 東西線 > 駅舎・車両のデザイン > 仙台駅（仙台市交通局）

[2] 土地区画整理事業地区の一覧表（区別・換地処分順）（仙台市）

[3] テンプレート:PDFlink（仙台市）

[4] 仙台駅鉄道乗り継ぎ案内パンフレット（仙台市）

[kotsuPDF-10] 4.0 ^4.1 ^4.2 テンプレート:PDFlink（仙台市交通局）

[13] 「地下鉄東西線の駅と沿線の歴史紹介」を作成しました（仙台市）

[SCA20050915-8-14] 6.0 ^6.1 ^6.2 平成17年第3回定例会（第5日目） 8:五十九番（仙台市議会 2005年9月15日）

[SCA19980616-11-15] 平成10年第2回定例会（第2日目） 11:建設局長（仙台市議会 1998年6月16日）

[SCA20021001-205-16] 8.0 ^8.1 ^8.2 平成13年度決算等審査特別委員会（第10日目） 205:都市整備局長（仙台市議会 2002年10月1日）

[17] 地下鉄仙台駅北側エレベーター使用開始と南側エレベーター使用停止のお知らせ（仙台市交通局）

[19] 東西線 > 駅舎・車両のデザイン > 仙台駅（仙台市交通局）

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仙台トンネル

目次

経緯

トンネル内の駅一覧

仙台駅周辺

廃止になった踏切

脚注

注釈

出典

関連項目

外部リンク

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