京阪中之島線

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ファイル:NakanoshimaShinsen-Works-Nakanoshima20070623.jpg
中之島駅付近の工事現場
(2007年6月23日)
ファイル:京阪京橋駅中之島線看板.JPG
京阪京橋駅に掲げられた中之島線の看板

中之島線(なかのしません)は、大阪府大阪市北区中之島駅から同市中央区天満橋駅を結ぶ京阪電気鉄道鉄道路線

正式な起点は中之島駅だが、列車運行上は天満橋駅から中之島駅へ向かう列車が下り、逆方向が上りとなっている。

概要

中之島線は、その名の通り大阪市北区の堂島川と土佐堀川に挟まれた中之島を東西に貫くように走る路線である。このため、京阪本線(淀屋橋延長線)の淀屋橋駅と北浜駅において大阪市営地下鉄との乗り換えが容易であるのに対して、中之島線のなにわ橋・大江橋・中之島の各駅は、地下鉄の空白地帯に建設されたという側面もあって、大阪市営地下鉄の駅と直接に接続していない。他路線と通路などを介して連絡している駅は、天満橋駅を除けば渡辺橋駅のみである。

中之島線列車と淀屋橋発着列車相互間の乗り換えは、駅構造の関係上、京阪本線と合流する天満橋駅よりも京橋駅において行う方が容易であり、実際に中之島線列車の待ち合わせは京橋駅で行われている。

地下路線ではあるが、全線(駅間のトンネル内も含む)において携帯電話(ただし各キャリアとも第三世代に限る)の電波受信が可能となっている。

天満橋 - なにわ橋間のトンネルではダクタイルを使用している。これは、同区間には活断層である上町断層が横切っており、断層のずれを考慮したためである。また土佐堀川の下を潜るため漏水事故対策として水密扉が2箇所に設置されている[1]

中之島駅・渡辺橋駅と大江橋駅以東との間を乗車する場合、および中之島駅と渡辺橋駅の間を乗車する場合に普通運賃で60円の加算運賃が適用されている。また、大江橋駅・なにわ橋駅と天満橋駅以東との間を乗車する場合は、それぞれ近接する京阪本線の淀屋橋駅・北浜駅との運賃と同額である。さらに、大江橋駅と淀屋橋駅、北浜駅となにわ橋駅は同一駅扱いで定期券を相互利用できる[2]

路線データ

運行形態

ファイル:Keihan-3000.JPG
中之島線開通のヘッドマークを掲出し、快速急行として運用される3000系。本系列は中之島線の開業に伴って、同線に直通する快速急行用として導入された系列であるが、2011年のダイヤ改正で日中の快速急行は中止となったため、中之島線に乗り入れる列車で本系列を使用したものも少なくなった。

テンプレート:See also 京阪本線と一体的に運行されている。中之島線内ではすべての列車が各駅に停車する。以下、2013年3月16日改正時点の運行形態を記す。

  • 平日日中および休日は、普通列車を一時間あたり6本運転。日中の普通列車は京橋駅で淀屋橋発着の特急と急行あるいは準急に連絡する。
  • 平日朝ラッシュ時には、当線に直通する快速急行・通勤快急(下りのみ)・準急・通勤準急(下りのみ)・区間急行が運転され、このうち快速急行には上下とも出町柳駅までの全線を通して運転される列車がある。
  • 平日夕ラッシュ時には、快速急行・準急(下りのみ)・区間急行が運転される。ただし、普通列車を除けば京阪全線を通しで運転する列車は無い。
  • 特急・急行は通常当路線に乗り入れないが、京都競馬開催時には淀駅発の臨時急行が中之島行で運転される。
  • 中之島線に乗り入れる列車のうち、中之島線開業に伴って導入された(新)3000系を使用する列車は、朝ラッシュ時の数本にまで減少している[4]

運行形態の変遷

2008年10月19日の中之島線開業当初の日中ダイヤでは、1時間あたり平日8本・休日6本の運転で、新たに設定された快速急行が、中之島線の開業に伴って導入された3000系によって30分間隔で運転していた[5]。これに加えて、交野線直通列車として「ひこぼし」が1本設定され、2600系で運用されていた。また、快速急行以外の中之島線列車には、中之島駅 - 樟葉駅・萱島駅間の区間急行があり、1時間あたり平日6本、休日4本運転されていた[6]ラッシュ時のダイヤでは、準急・通勤準急の一部や普通も中之島駅着となっていた。

しかし、需要予測を遥かに下回る利用状況を受けて、2009年9月12日のダイヤ変更では、ラッシュ時の中之島発着の優等列車の一部を淀屋橋発着に変更し、その分中之島発着の普通列車に変更したほか、夕方以降の中之島発の快速急行の行先を短縮する代わりに淀屋橋発の特急の運転区間を延長するなど、中之島線に関しては減便となるダイヤ改定を初めて行った[7]

続く2011年5月28日のダイヤ改定では、日中における快速急行や区間急行の運転を取りやめ、1時間あたり準急2本・普通4本の計6本の運転となった[8]。ただし、昼間時間帯は京橋駅で淀屋橋駅発着の特急や急行の接続を考慮したダイヤになったために、京都方面への所要時間は従来より短縮された。その反面、中之島線直通列車は上下線ともほぼ大半が淀屋橋駅発着列車よりも先に京橋駅に入り、淀屋橋駅発着列車を2本連続で接続待ちしてから発車するダイヤになったため、京橋駅での停車時間が長くなり、大江橋駅なにわ橋駅淀屋橋駅北浜駅に対する優位性が削がれる結果になった。

さらに、2013年3月16日のダイヤ改正で、日中に運行されていた中之島発着の準急が淀屋橋発着に変更され、一部の時間帯を除きすべて普通列車となった。「ひこぼし」はこの改正で廃止されている。


利用状況

開業前の需要予測は、一日あたり7万2000人[5]と決して大きい数字ではなかったが、開業後は3万人前後を低迷している(下表参照)。乗客の伸び悩む原因には、接続路線の少ないことや沿線に繁華街が無いこと、関西経済の低迷で中之島の再開発が遅れていることなどが挙げられる[5]

4駅を合わせた1日当たりの乗降人員の推移は以下の通り。

年度 1日平均
乗降人員
出典
2008年 25,618 [9]
2009年 27,396 [10]
2010年 30,873 [11]
2011年 33,310 [12]
2012年 30,291 [13]

歴史

2006年11月の京阪電鉄の発表では総事業費1,503億円とされたが、半年の工期短縮もあり、約200億円の削減に成功した。

  • 2001年平成13年)
    • 3月30日:京阪電鉄が中之島新線事業への着手を正式決定[14]
    • 7月10日:中之島高速鉄道設立[15]
    • 9月27日:京阪電鉄と中之島高速鉄道が中之島新線の事業許可を申請[16]
  • 2002年(平成14年)10月9日:大阪市都市計画審議会が中之島新線を市に答申[17]
  • 2003年(平成15年)5月28日:大阪国際会議場で起工式を挙行[18]
  • 2006年(平成18年)
    • 4月16日:天満橋駅のホーム形態を変更。
    • 11月13日:正式路線名と駅名を発表。
  • 2007年(平成19年)10月31日:トンネルが全線貫通。
  • 2008年(平成20年)
    • 2月:ロゴとスローガンを発表。
    • 3月21日:レールが全線つながりレール締結式。運賃認可申請。
    • 4月15日:運賃認可。
    • 8月1日:試運転開始[19]
    • 10月14日国土交通省より第7回『日本鉄道賞 駅・町・水辺の一体計画賞』を受賞。
    • 10月19日:中之島駅 - 天満橋駅間が開業。
    • 10月31日:国土交通省近畿運輸局より『交通関係環境保全優良事業者等表彰』を受ける。
  • 2009年(平成21年)10月1日:中之島線の4駅がグッドデザイン賞を受賞。
  • 2011年(平成23年)5月28日:ダイヤ改定により日中の快速急行・区間急行を廃止。
  • 2013年(平成25年)3月16日:ダイヤ改定により、準急の大半を普通に変更。「ひこぼし」を廃止。

延伸計画等

2004年の近畿地方交通審議会答申第8号では、「中期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線」として中之島線を中之島駅から西九条を経て此花区の新桜島および夢洲方面へ延伸する案が示されている。しかし、京阪としてはまだなにわ筋線の建設目処が立たないことから、他路線と連絡ができる西九条駅までの延伸を希望しているが、自社単独での延伸は資金面で無理であることも明らかにしており、国や大阪府の補助を前提としての計画となる。

また、西九条から先、同区にあるUSJを含めたユニバーサルシティにホテル京阪が進出したこと[20]や、阪神が2009年3月20日から近鉄との相互直通運転を開始したことから、USJ、新桜島および夢洲方面への延伸計画が有力と見られている。さらに、2008年9月11日に京阪電鉄の佐藤茂雄CEOは、さらに大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC、現:大阪府咲洲庁舎)までの延伸も検討していることを明らかにしている[21]。これは、同年8月5日に橋下徹大阪府知事(当時)が大阪府庁舎をWTCへ移転する考えを示したためと考えられるが、2012年3月現在では建設の目処は立っていない。なお、WTC方面へ延伸する場合は、現在計画中であり建設の目途が立っていない北港テクノポート線とルートが重複する。

中之島線の延伸区間である中之島 - 新桜島間7.3kmのルートは、中之島駅から堂島川をくぐり、上船津橋北詰、中央市場北口、中央市場西口の交差点の地下を通り、西九条と千鳥橋を経て、桜島二丁目交差点付近に計画中の北港テクノポート線の新桜島駅(仮称)に至る。なお西九条駅 - 桜島駅間には桜島線(JRゆめ咲線)が通っているが、中之島線は桜島線とは違うルートを通る。このうち西九条駅 - 千鳥橋駅間は阪神なんば線と並走する予定となっている。佐藤茂雄CEOは新聞取材に対し、この区間を利用して将来的に阪神に直通運転したい旨も語った。

また、阪急が敷設する新線(新大阪連絡線)を含めた四つ橋線の北ヤード・十三・新大阪方面延伸(西梅田・十三連絡線)が実現すれば、四つ橋線が南北の交通において重要な役割を果たす可能性があるため、その四つ橋線と乗り換えできる中之島線の役割も重要になる可能性がある。中之島駅では計画中のなにわ筋線との接続も予定されている。そのほか、将来的には淀屋橋駅と大江橋駅の間についても連絡通路を設けることが検討されている[22]

駅一覧

  • 駅番号は2014年4月1日に導入[23]
  • 全駅大阪府大阪市に所在。
  • 全列車中之島線内は各駅に停車する。特急・急行は運行されない(臨時列車は除く)。
駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 所在地
KH54 中之島駅 - 0.0 北区
KH53 渡辺橋駅 0.9 0.9 大阪市営地下鉄 四つ橋線肥後橋駅:Y12)
KH52 大江橋駅 0.5 1.4 京阪電気鉄道:京阪本線淀屋橋駅
大阪市営地下鉄: 御堂筋線淀屋橋駅:M17)
KH51 なにわ橋駅 0.6 2.0 京阪電気鉄道:京阪本線(北浜駅
大阪市営地下鉄: 堺筋線北浜駅:K14)
KH03 天満橋駅 1.0 3.0 京阪電気鉄道京阪本線鴨東線出町柳駅まで直通運転)
大阪市営地下鉄: 谷町線(T22)
中央区

2006年11月13日駅名決定。仮称駅名と正式駅名の対応は以下の通り[24]。渡辺橋と大江橋は仮称と同じ。

  • 玉江橋(仮称)→中之島(副駅名:大阪国際会議場)
    • 「近代の中之島のイメージは、東側に偏り過ぎていたが、元々西側から発展してきたことを考えると、新線開通を機に西側に目を向けてもらうことを意図した」とされる。
  • 新北浜(仮称)→なにわ橋
    • 近隣にある「難波橋」(なにわばし)から由来するが、「なんば(難波)」との誤読・混乱を避けるため、ひらがなが採用された。

駅設備

バリアフリー対策
既存の天満橋駅も含めて、すべての駅には視覚障害者用駅構内案内図・点字運賃表・点字ブロック誘導鈴エレベーターオストメイト・車イス対応でオムツ交換台を備えた多目的トイレが設置されている。
他駅サポートシステム
情報ネットワークシステムを利用して「自立分散式列車運行管理システム(アデック)」連動駅の中之島駅から渡辺橋・大江橋・なにわ橋の各駅の旅客に対して遠隔対応・駅設備の遠隔操作監視ができるもので、駅員が駅構内の巡回等で改札口にいなくてもIPカメラ・IPインターホンを使い対応できるだけでなく、駅出入口のシャッター・エスカレーター・エレベーター・空調・照明などの駅設備の操作監視が可能である。
行先表示機
フルカラーLED行先表示機で、表示はアデックからの表示情報により自動制御され、アデックの連動していない3駅は近隣のアデック連動駅から情報ネットワークで転送される。
河川利用空調システム
渡辺橋駅を除く3駅には横を流れる堂島川・土佐堀川から水を汲み上げ熱交換して戻し、熱交換で得た熱エネルギーで空調を賄っている。これにより、大気への放熱を抑え、ヒートアイランドの抑制に期待されている。
太陽光の導入
大江橋となにわ橋の両駅において光ファイバー光ダクトで地上から太陽光を地下のコンコースに取り入れ、自然光を使った空間の演出・周辺の照明を消灯による省エネを図っている。

その他

中之島線が登場するコミック
テツぼん』 原作 高橋遠州、作画永松潔
ビッグコミックオリジナル連載中の「鉄ちゃんの国会議員」が主人公の漫画。2011年16号掲載の『節電は続くよ』(2012年12月発売コミックス5巻に収録)で、中之島線の河川利用空調システムを例に出して、地域冷暖房の一元管理システムに河川利用システムを組み込むように提案している。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:Sister

外部リンク

テンプレート:京阪電気鉄道の路線
  1. 出典・駅置き広報誌『K PRESS』2013年9月号の16面「くらしのなかの京阪」
  2. テンプレート:PDFlink - 京阪電気鉄道プレスリリース 2008年4月15日。
  3. 中之島変電所関西電力より送電された交流22kVの電気を直流1500Vに変換して電車線に送電するだけでなく、6000kVAの変圧器2基で交流6600Vに変圧して駅施設・信号設備用として送電している。また、停電時に備え1200kVAのガスタービン発電機が1基設置されている。 出典元:「鉄道ピクトリアル」2009年8月増刊号『<特集>京阪電気鉄道』の70-73頁「電力設備の概要」より
  4. 京阪線時刻表(全列車掲載) - 京阪電車
  5. 5.0 5.1 5.2 鶴通孝 「大阪都心の新線(中之島線・なんば線) その後の状況と今後」『鉄道ジャーナル』2009年10月号、2009年、53 - 57p。
  6. テンプレート:PDFlink - 京阪電気鉄道プレスリリース 2008年8月25日
  7. テンプレート:PDFlink - 京阪電気鉄道プレスリリース 2009年7月29日
  8. テンプレート:PDFlink - 京阪電気鉄道プレスリリース 2011年3月1日
  9. テンプレート:PDFlink
  10. テンプレート:PDFlink
  11. テンプレート:PDFlink
  12. テンプレート:PDFlink
  13. テンプレート:PDFlink
  14. 日本経済新聞2001年3月31日付け朝刊46面・地方経済面(兵庫)
  15. 日経産業新聞2001年7月11日付け20面
  16. 日本経済新聞2001年9月28日付け10面・地方経済面(近畿B)
  17. 日本経済新聞2002年10月10日付け大阪本社版朝刊16面(社会面)
  18. 日本経済新聞2003年5月28日付け大阪本社版夕刊19面(社会面)
  19. テンプレート:PDFlink - 京阪電気鉄道プレスリリース 2008年8月1日
  20. 現在は、ホテル京阪ユニバーサルシティとホテル京阪ユニバーサルタワーの2つを有する。
  21. 京阪電鉄中之島線、WTCへ延伸も 佐藤CEO - 共同通信 2008年9月11日。
  22. 中之島に巨大観覧車計画 京阪電鉄が中之島線の集客に - 朝日新聞 2008年9月11日
  23. 関西鉄道各社、外国人受け入れ体制強化 - 京都新聞、2014年4月5日
  24. テンプレート:PDFlink - 京阪電気鉄道プレスリリース 2006年11月13日