五酸化二リンのソースを表示

{{ Infobox 化合物
| 画像=[[Image:Phosphorus-pentoxide-2D-dimensions.png|200px|五酸化二リン（十酸化四リン）構造式]][[Image:Phosphorus-pentoxide-3D-balls.png|200px]]
| IUPAC名=酸化リン(V) | 別名=十酸化四リン<br />無水リン酸
| 分子式=P<sub>4</sub>O<sub>10</sub> | 分子量=283.89
| 組成式=P<sub>2</sub>O<sub>5</sub> | 式量=141.94 
| 形状=無色結晶 | CAS登録番号=1314-56-3 | SMILES=
| 密度=2.39 | 相=固体
| 相対蒸気密度=4.9
| 水への溶解度=反応する
| 溶媒2= | 溶解度2= g/100 mL ( ℃)
| 溶媒3= | 溶解度3= g/100 mL ( ℃)
| 融点=340 | 融点注=
| 沸点= | 沸点注=
| 昇華点=360 | 昇華点注=
| pKa= | pKb=
| 旋光度= | 粘度= | 屈折率=
| 出典=[http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss0545c.html ICSC] <!-- と Aldrich -->
}}

'''五酸化二リン'''（ごさんかにリン）は[[リン]]の[[酸化物]]である。[[組成式]] P<sub>2</sub>O<sub>5</sub> に由来する慣用名で呼ばれるが、[[分子]]の構造は'''十酸化四リン''' (P<sub>4</sub>O<sub>10</sub>) である。'''五酸化リン'''とも呼ばれる。

== 化学的性質 ==
リンを酸素中、もしくは乾燥した[[空気]]中で燃焼させることで得られる[[昇華 (化学)|昇華性]]の無色の固体。生成時に白煙を生じる。[[多形]]性を示し、3種類の結晶構造、そのほかガラス状、無定形状の5種類の変態<!--modificationの訳語-->が知られる。灰色を帯びたものは加水分解生成物などの不純物を含んでいる。五酸化二リンだけが昇華性をもつため、[[昇華 (化学)|昇華]]によって精製できる。

水に対する反応性が高く、音と熱を発しながら溶解し、リン酸となる。水と反応した場合は[[リン酸|メタリン酸]]が、温水との場合は[[リン酸|オルトリン酸]]が生成する。このため[[脱水剤]]、[[乾燥剤]]として利用される。硫酸、硝酸を脱水することができ、それぞれから[[三酸化硫黄]]、[[五酸化二窒素]]が得られる。[[有機化合物]]に対しては、例えば[[アミド]]を脱水して[[ニトリル]]を与える。ほか、脱水剤としての用途は広く、[[電球]]製作時の脱水剤としても用いられる。そのほか、医薬品や農薬の原料、試薬としても利用される。

強い脱水作用を有するため、人体に対しては強酸や強アルカリ同様の腐食性危険物であり、取り扱いには注意を要する。

== 製法 ==
工業的にはリン鉱石 3Ca<sub>3</sub>(PO<sub>4</sub>)<sub>2</sub>&bull;CaF<sub>2</sub>、もしくは[[リン|黄リン]]を原料とする。黄リンを原料とする場合は単純であり、燃焼室で酸化させればよい。リン鉱石を用いた場合は、[[コークス]]、ケイ砂 (SiO<sub>2</sub>)、鉄くずと混合し、650 ℃ 程度の熱風によって燃焼させる。

== 生産 ==
2000年の日本国内での生産量は、4,000トンである（リン酸は14万トン）。

== 関連項目 ==
*[[五硫化二リン]]
*[[亜酸化炭素]]

{{リンの化合物}}
{{Chem-stub}}
{{DEFAULTSORT:こさんかにりん}}
[[Category:酸化物]]
[[Category:リンの化合物]]
[[Category:酸無水物]]