上尾道路

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上尾道路(あげおどうろ)は、埼玉県さいたま市西区から埼玉県鴻巣市に至る国道17号バイパス道路である。

さいたま市で新大宮バイパス、鴻巣市で熊谷バイパスと連結する。国道17号の交通渋滞を解消し、生活環境の改善を図ること等を目的として計画された道路である。新大宮バイパスと合わせ、新大宮上尾道路として地域高規格道路の計画路線に指定されている。

概要

  • 起点 埼玉県さいたま市西区宮前町
  • 終点 埼玉県鴻巣市箕田
  • 全長 20.1km
  • 道路幅員 57.0m
自動車専用部
  • 規格 第1種第3級
  • 設計速度 80km/h
  • 車線数 4車線
一般部
  • 規格 第4種第1級
  • 設計速度 60km/h
  • 車線数 4車線

解説

起点はさいたま市西区宮前町の宮前ICである。国道16号および新大宮バイパスと分岐後、国道17号本線の2-3km西側を並行し、さいたま市・上尾市を北上、桶川市大字川田谷で首都圏中央連絡自動車道(圏央道/一般国道468号)とジャンクション(桶川JCT(仮称)、専用部完成までは桶川北本ICとして供用)により接続する。更に北本市を北上し、終点の鴻巣市箕田交差点で国道17号本線および熊谷バイパスに接続する。

整備計画によれば、地平に片側2車線の一般道路と、一般道路の上下線間に高架で片側2車線の自動車専用道路国道の両側に市民生活用のサービス道路と緑地帯を整備する事になっており、道路幅はおおむね50mを超える。市域の分断を避けるため、歩道橋や地下道が多数設置される予定である。

自動車専用道路は、現在の首都高速埼玉大宮線を延長する形で建設されるが、こちらの建設はかなり遅れる様で、事業主体も未定である。それまでの間は一般道路も暫定2車線で整備される。現在、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)と接続する桶川北本ICまでの約11kmが先行建設されており、2010年平成22年)3月27日に宮前IC - 埼玉県道323号上尾環状線の間が、翌3月28日には桶川市内の埼玉県道12号川越栗橋線 - 桶川北本IC - 埼玉県道57号さいたま鴻巣線の間が暫定開通した。

本計画は1969年昭和44年)の都市計画決定時から存在する[1]が、具体的な整備が開始されたのは1989年(平成元年)に都市計画変更がされ翌年に事業化されてからである。2007年度(平成19年)の開通を目指し桶川北本IC付近まで着工する予定になっていたが、後述のオオタカの問題が解決しない為、本格供用はかなり遅くなる見込みである。

工事の状況

現在開通しているサービス道路は、ゆるやかな一方通行の蛇行した片側一車線道路で、交通量を抑え、周辺環境を配慮した作りとなっている。国道標識は設置されていない。

  • I期区間(さいたま工区)
全区間で用地確保済み。2003年度末(平成15年)に、さいたま市西区着工。2005年(平成17年)度より、確保済みの用地で作業用道路の建設および宮前ICの増設を開始した。
2005年(平成17年)3月26日に、さいたま市西区大字西新井(花の丘公園通り以南)で国道の側道にあたるサービス道路(約300m)が開通。
2006年(平成18年)3月30日に、さいたま市西区大字内野本郷でサービス道路(約500m)、西新井(花の丘公園通り-県道)でサービス道路・本線(西側車線のみ約300m)が完成し、県道を改良した接続道路(約200m)と上記300mを含む約1300mの供用を開始。
2007年(平成19年)3月に、さいたま市西区大字内野本郷で本線(約500m)が完成(未供用)。
2008年(平成20年)1月以降に、西新井(県道合流点-市境)でサービス道路と本線(西側車線のみ約300m)、花の丘公園通り以南で本線(約300m)が完成。
2010年(平成22年)3月27日、宮前ICが完成。これにあわせ、片側1車線で暫定開通。
  • I期区間(上尾工区)
上尾市大字小敷谷(埼玉県道323号上尾環状線付近)までの用地を確保。2002年度末(平成15年)に上尾市大字堤崎-地頭方で初めて着工した。さいたま市境付近の工事が終了次第、宮前ICの北から埼玉県道51号川越上尾線と接続する。
2004年(平成16年)8月21日に、上尾市地頭方でUDトラックス(旧:日産ディーゼル工業)本社工場外周道路に当たるサービス道路(約900m)が開通(本線は西側車線のみ完成)。
2008年(平成20年)3月に堤崎で本線とサービス道路(約300m)、上尾市大字壱丁目で本線とサービス道路(約400m)が完成し、それぞれ歩道のみを供用開始。また、上尾市大字壱丁目の市道の交差地下道が2009年(平成21年)3月に竣工。
2010年(平成22年)3月27日に埼玉県道323号上尾環状線まで暫定開通した。なお、埼玉県道51号川越上尾線及び上尾平方線(上尾市小敷谷)との交差部は、当初立体交差の計画であったが、平面交差にて暫定開通となる。あわせて、上尾道路周辺事業として、大谷北部第4土地区画整理事業が2007年度より開始された。
上尾市小敷谷以北ではオオタカ問題によって土地収用が遅れていたが、2007年(平成19年)度より懸案地区以外での用地取得を再開した。2014年(平成26年)度に開通する予定である。
  • I期区間(桶川工区)
上尾工区同様、2007年(平成19年)度より、オオタカ問題に係わらない埼玉県道12号川越栗橋線北側から首都圏中央連絡自動車道(圏央道)桶川北本ICにかけて、用地取得を再開した。確保済みの部分から着工されている。2010年(平成22年)3月28日の桶川北本ICの開通にあわせて、埼玉県道12号川越栗橋線 - 埼玉県道57号さいたま鴻巣線間が暫定開通した。
  • II期区間(北本・鴻巣工区)
鴻巣市周辺で部分的に市道として整備はされているが、工事は行われていない。桶川北本ICの開通によって、上尾道路が全通していないことから同ICからの車の流れが桶川市内に集中し、渋滞が起きていることから、当該区間の2011年度新規事業化(及び事業化されているさいたま市・上尾市区間の早期開通)を求める要望を国土交通大臣に対して埼玉県知事が行っていた[1]
その後平成23年度に新規事業化され、測量及び地質調査が開始された。

オオタカ問題

1996年(平成8年)に、埼玉県生態保護協会が上尾市内のバイパス建設予定区間で、準絶滅危惧種であるオオタカの営巣を確認した。このため、国によって専門家らによる「埼玉圏央道オオタカ等保護対策検討委員会」が設置された。オオタカの営巣地は道路予定地から800mほど離れているものの、捕食活動などの生活圏が予定地と重なっており、将来建設される自動車専用道路(高架)の構造が、オオタカの生活の障害となる可能性が指摘された。

国と埼玉県の指針では、「営巣中心域に抵触する開発をする場合は影響を回避する」と定めており、このため、2002年(平成14年)2月から用地買収を自主的に停止している。上尾道路予定地には、オオタカの他にも十数種類の絶滅危惧の希少動植物種が生息する湿地があるため、対応策のとりまとめには時間がかかっている。

交差する主な道路・鉄道

交差する道路の特記がないものは市道・町道。背景色がテンプレート:Colorである部分は完成していない。

交差する道路 交差点名
国道16号西大宮バイパス
国道16号・国道17号新大宮バイパス
宮前IC さいたま市西区
埼玉県道165号大谷本郷さいたま線 -
埼玉県道165号大谷本郷さいたま線 堤崎 上尾市
埼玉県道51号川越上尾線 壱丁目南
埼玉県道323号上尾環状線 小敷谷東
埼玉県道57号さいたま鴻巣線
埼玉県道12号川越栗橋線 川田谷(狐塚) 桶川市
首都圏中央連絡自動車道 桶川北本IC
埼玉県道57号さいたま鴻巣線 川田谷(市場)
埼玉県道33号東松山桶川線 北本市
埼玉県道27号東松山鴻巣線 鴻巣市
埼玉県道365号鎌塚鴻巣線
JR高崎線
国道17号
国道17号(熊谷バイパス
箕田

沿線の主な施設

歴史

  • 1969年昭和44年)5月20日 - 都市計画決定。
  • 1989年平成元年)12月22日 - 都市計画変更。
  • 1990年(平成2年)度 - 大宮市宮前町 - 埼玉県道12号川越栗橋線(約8.9km)が事業化。
  • 1995年(平成7年)度 - 埼玉県道12号川越栗橋線 - 桶川市川田谷(約2.1km)が事業化。
  • 2002年(平成14年)2月 - オオタカ問題により、上尾市以北での用地買収を停止。
  • 2002年(平成14年)度末 - 上尾市大字地頭方で初めて着工。
  • 2003年(平成15年)度末 - さいたま市西区で着工。
  • 2004年(平成16年)8月21日 - 上尾市大字地頭方でサービス道路(約900m)が開通。
  • 2005年(平成17年)3月26日 - さいたま市西区大字西新井でサービス道路(約300m)が暫定開通。
  • 2006年(平成18年)3月30日 - さいたま市西区大字内野本郷でサービス道路および大字西新井で県道取付線(のべ約1,300m)が開通。
  • 2007年(平成19年)3月 - さいたま市西区大字内野本郷で自動車道路一般部(約500m)が完成(未供用)。
  • 2008年(平成20年)3月 - さいたま市西区大字西新井で自動車道路一般部(約300m)が完成(未供用)。
  • 2008年(平成20年)3月 - 上尾市大字堤崎で自動車道路一般部・サービス道路(約350m)が完成(歩道のみ供用)。
  • 2008年(平成20年)3月 - 上尾市大字壱丁目で自動車道路一般部・サービス道路(約400m)が完成(歩道の一部のみ供用)。
  • 2010年(平成22年)3月27日 - 宮前IC - 埼玉県道323号上尾環状線間が暫定開通。
  • 2010年(平成22年)3月28日 - 埼玉県道12号川越栗橋線 - 埼玉県道57号さいたま鴻巣線間が暫定開通。
  • 2011年(平成23年)度 - II期区間事業化。
  • 2014年(平成26年)度 - 上尾市小敷谷 - 桶川市川田谷 間 (4.7km) 開通予定。宮前IC - 桶川市川田谷 間(新規開通の区間を除く) (11km) 4車線化予定[2]

自動車専用部のジャンクションとランプ

  • IC番号欄の背景色がテンプレート:Colorである部分については道路が供用済みの区間を示している。また、施設名欄の背景色がテンプレート:Colorである部分は施設が供用されていない、または完成していないことを示す。未開通区間の名称は仮称である。
  • 所在地は全て埼玉県
IC
番号
施設名 接続路線名 起点
から
(km)
備考 所在地
国道17号新大宮バイパス専用部
- 宮前IC 国道17号新大宮バイパス さいたま市
西区
- 宮前出入口 上尾道路一般部 熊谷方面出入口
- 上尾南出入口 上尾道路一般部 さいたま方面出入口 上尾市
- 上尾北出入口 上尾道路一般部 熊谷方面出入口
- 桶川南出入口 上尾道路一般部 さいたま方面出入口 桶川市
- 桶川北出入口 上尾道路一般部 熊谷方面出入口
- 桶川北本IC 首都圏中央連絡自動車道
- 北本南出入口 上尾道路一般部 さいたま方面出入口 北本市
- 北本北出入口 上尾道路一般部 熊谷方面出入口
- 鴻巣南出入口 上尾道路一般部 さいたま方面出入口 鴻巣市
- 鴻巣中央出入口 上尾道路一般部 熊谷方面出入口
- 鴻巣北出入口 上尾道路一般部 さいたま方面出入口
熊谷バイパス本線部

接続するバイパスの位置関係

歩道橋

上尾道路は幅員が平均57mであり、建設によって地域が東西に分断され、歩行者の通行の妨げとなる。このため、開通箇所には歩道橋(ほぼ自転車通行可能)が設置されているが、これらは主に小学生の通学に使用されることから、付近の小学生から公募した名称が付けられている。

歩道橋名称(宮前インター方から北へ並べる)

  • 上尾・さいたま工区
    • 『内野本郷にじいろ橋』
    • 『内野本郷仲よし橋』
    • 『西新井あおぞら橋』
    • 『花の丘ふれあい橋』
    • 『清河寺きよらか橋』
    • 『堤崎輝きの橋』
    • 『地頭方夢の橋』
  • 桶川工区
    • 『前領家にこにこ橋』
    • 『天沼はぐくみ橋』

また地域分断を避けるため、信号機付きの交差点が300〜600mごとに設置されている。

脚注

  1. 平成21年(2009年5月7日)大宮国道事務所 記者発表資料より(PDF)
  2. 上尾道路 来年度に4車線開通 東京新聞 2013年6月15日付

関連項目

外部リンク

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