一般国道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年5月9日 (金) 02:31時点における42.125.160.141 (トーク)による版 (関連項目)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

テンプレート:Pathnav 一般国道(いっぱんこくどう)とは、日本における高速自動車国道以外の国道のことで、ごく一般的な文脈で「国道」と呼ばれる場合はこの道路を指している。各道路には番号が振られ、「一般国道○○○号」又は「国道○○○号」と呼ばれる。一般には「国道○○○号線」又は「○○○号線」と呼ばれることも多いが、正式には「線」を付して呼ばれることはない。

定義

道路法第5条では、「高速自動車国道とあわせて全国的な幹線道路網を構成し、かつ、次の各号の一に該当する道路」として、以下の各号を挙げている。

  1. 国土を縦断し、横断し、又は循環して、都道府県庁所在地(北海道の支庁所在地を含む)その他政治上、経済上又は文化上特に重要な都市(以下「重要都市」という。)を連絡する道路(国道1号国道4号など)
  2. 重要都市又は人口10万以上の市と高速自動車国道又は前号に規定する国道とを連絡する道路(国道162号国道428号など)
  3. 2以上の市を連絡して高速自動車国道又は第1号に規定する国道に達する道路(国道259号など)
  4. 港湾法(昭和25年法律第218号)第2条第2項に規定する特定重要港湾若しくは同法附則第5項に規定する港湾、主要な飛行場又は国際観光上重要な地と高速自動車国道又は第1号に規定する国道とを連絡する道路(国道131号国道177号など)
  5. 国土の総合的な開発又は利用上特別の建設又は整備を必要とする都市と高速自動車国道又は第1号に規定する国道とを連絡する道路(国道464号国道475号など)

路線の指定は「一般国道の路線を指定する政令」により行われる。このうち「一般国道の指定区間を指定する政令」による指定区間は国(国土交通省地方整備局。北海道は北海道開発局、沖縄県は内閣府沖縄総合事務局(かつては沖縄開発庁))が管理を行い、これらを直轄国道と呼んでいる。

テンプレート:Sister テンプレート:Sister 1952年に公布された道路法では二級国道は全て都道府県によって管理されるものとされたが、国にとって幹線道路網の整備は急務だったため、主要路線(一級国道・下記)を国による直轄管理とした改正道路法が1964年に発布され、1965年に施行された。これにより、北海道内の国道は全線が指定区間となった。

指定区間外は、国から補助金を受けて各都府県と政令市が管理する。こちらを補助国道と呼んでいる。かつての二級国道(下記)の多くのほか、1993年までに国道に昇格した旧主要地方道一般都府県道が含まれる。

旧二級国道であっても、全線で高速自動車国道と並走する国道171号名神高速道路と全線で並走)は全線が指定区間である。逆に、旧一級国道であっても、交通量の少ない箇所やバイパスに対する旧道は補助国道になっていることがある(例・国道14号東京都江戸川区東小松川 - 千葉市花見川区幕張IC間)。

国道番号

現在、一般国道は番号を路線名として使用しており、国道1号から国道507号までが指定されている。ただし、歴史的経緯により欠番があるため、実在するのは459路線である。なお、かつての二級国道には都道府県道市町村道のように地点名を含む路線名がつけられており、これと別に路線番号があった。

テンプレート:Sister テンプレート:Sister 1952年(昭和27年)6月の道路法では一級国道(番号が1桁・2桁のもの。57号まで)と二級国道(番号が3桁のもの。271号まで)に分けられていたが、1964年7月の道路法改正により、1965年(昭和40年)4月から一般国道に統一された。一級・二級国道の統合以降、新設の国道には3桁の番号を指定することになったため、58 - 100号は欠番となった。ただし、1972年5月の沖縄の日本復帰時に、鹿児島市-那覇市の道路が特例として国道58号に指定されたため、現在の欠番は59 - 100号である。

また、路線の統合・変更により、109号(国道108号に統合)、110号(国道48号に変更)、111号(国道45号に変更)、214 - 216号(統合し国道57号に変更)も欠番になっている。

通常、3桁国道は他の国道との重複区間が起点である場合大きい番号のものは表示していない。

1969年(昭和44年)12月以降に制定(施行日は1970年(昭和45年)4月1日以降)された路線には政治的な路線も多く(例・田中角栄元首相の地盤だった新潟県中越地方には新潟県管理の300番台・400番台国道が多い)、一般に認識されているような「国道は立派な道である」との概念から外れる道が多くなる。

路線指定の沿革

一級国道と二級国道が統合され一般国道となったのち、次の5回にわたり路線が追加指定された(日付は政令の公布日である)。

一般国道の路線番号一覧

テンプレート:Main

001 - 058

テンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/list

(59 - 100は欠番)

101 - 200

テンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/list

109, 110, 111は欠番)

201 - 300

テンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/list

214 - 216は欠番)

301 - 400

テンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/list

401 - 507

テンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/listテンプレート:一般国道/list

国道の実態

「定義」で前述した通り、国道として指定される基準とは、単に重要な地同士、または重要な地と他の国道とを結ぶ道路ということであって、その道路の規模(幅や車線数、距離、舗装・未舗装の別など)によって決まっているわけではない。実際に港湾部などでは国道174号港国道)のように総距離が数百メートル程度しかない国道もある。これは国土交通省への走行経路届出が必要な大型コンテナトレーラーの届出を簡略化させる意味合いがある。

従って、険しい道・狭隘道路・車が通行できない道や、オフロードの国道も多数存在し、更には、登山道が国道になっている区間や、海上などの人の通れる道すらない区間を有する国道も点在する。このような一般に抱かれているイメージから乖離した、「国道らしからぬ」国道を「酷道」と呼ぶ者もいる。テンプレート:要出典

海上国道と高規格幹線道路

海上区間のある国道も存在し、これらは海上国道と呼ばれる。中でも国道30号はバイパス道路である瀬戸中央自動車道の通行料金の高さから航路の利用率が高く、また充実している。

しかしそれらの国道とは対照的に、建設費の調達や償還などの都合から、事実上高速自動車国道と同様の構造規格で建設されているにも関わらず、一般国道のバイパス(一般国道自動車専用道路)として建設され、高規格幹線道路として機能している路線もある。高速自動車国道の建設にあたっては多大な手続きが必要なため、一般国道バイパス予算で国土交通省が整備し実質的に高速自動車国道の一部として機能する高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路もある。

国道は上記の通り、国と都道府県市の二元管理が行われているが、道路は劣化するため、舗装などの維持整備に多額の支出が起こり、自治体の支出増大の要因の一つとなっている。国の財政もまた悪化しており、国道設置は新たな補助金支出に繋がるため、国道507号を最後に都道府県道の国道昇格を行っていない。

関連項目

テンプレート:ウィキポータルリンク テンプレート:ウィキプロジェクトリンク テンプレート:Sister